見出し画像

ハッピーエンドをでんぱに乗せて② 桜天晴

何だか私もいただけたような気がして

時は2025年1月5日、私はこの日、デズニー行きのワクワクトレインこと京葉線で若干ニコニコしながら電車に揺られておりました。

さしものミッキーもこんな私の様子に五度見はしたはずです。

「今日は でんぱ組.inc 最後のライブなんだろう? 寂しくないのかい? ハハッ?」と。

寂しい気持ちはもちろんあったのですが、このとき私の中では「昨日の最強ライブを今日はどう越えていっちゃうんだろう?」という気持ちのほうが完全に勝っておりました。

ヲタクフレンズちゃんとの移動中のDMがめちゃんこ楽しかったこともニコニコの大きな要因かもしれません。

五度見のミッキーが軽くズッコケたところで、今日も今日とて会場へリングイン。

今回は2階席下手側の「ここここんなにステージから近いところで拝めるなんてアバババ…!」とド陰キャキモヲタが発症してしまうほど大変良き位置からの拝みとなりました。

時は来たりていざ開演。

暗転になるや否や客席には無数のペンライトの光が灯され、でんぱ組.incが16年に渡って築き上げた広大な宇宙が広がっていました。

こんなにきれいな宇宙が、これでもほんの一部にしか過ぎない宇宙が今日で見納めになってしまうなんて。

昨日も同じ景色を見たはずなのに、この宇宙を目の前にした三十路越えは早々に涙腺が緩みはじめてしまいました。

セットリストは概ね昨日に沿ったかたちかと思いきや、随所に強烈な変化球が散りばめられている油断ならないステージが展開されておりました。

変化球第一投目は『愛が地球を救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』です。

この楽曲では2019年に未鈴さん(=古川未鈴さん)が伝説の絶叫フライングを果たした幕張ジャンボリーコンサートで披露されたときと同様、メンバー全員がアリーナ席の客席内を駆け回り でヲタ達とハイタッチをしていく演出がありました。

未鈴さんのフライングはほんのり期待しましたが、さすがにありませんでした。

でヲタの楽しそうな様子が大好物な三十路越えはステージ大画面に映るメンバー達のご尊顔を拝みつつ、アリーナ席の彼らの様子をニコニコ眺め肌を整えておりました。

続いて繰り出されたのは私が大好きな楽曲『ちゅるりちゅるりら』。

璃人くん(=天沢璃人くん)の躍動的なパフォーマンスがより照り輝くこの楽曲ではステージから火が上がる演出があり、この楽曲とファイヤー演出との相性の良さに三十路越えはぶち上がり狂い咲きました。

そして、座席がステージに近づいたことでファイヤー演出の熱波がもうワンチャン下腹が溶けちゃのではと思うほどブワッと来なすったもので、臨場感が昨日にも増してとても楽しかったです。

変化球とは異なりますが、『でんぱーりーナイト』内で披露される りあぴ(=小鳩りあさん)の華麗なる側転をより近くで目に焼き付けられたのも大変良きでした。

今まで参戦できたライブ会場では下手側の視界が塞がれがちだったので、最後の最後で見逃し続けた下手側のアクティブエンジェルをしかと拝んで目に焼き付けることができて、危うく天に召されかけるところでした。

昨日コールを噛み倒してしまった『キラキラチューン』にも、振付けが喧嘩ver.ではなく通常ver.でお送りされるという変化球が。

和平エンドにホッと胸をなでおろしながらのコールはやっぱり嚙んでしまいましたが、最後の「でんぱ組.inc、ずっと一緒だよ」は喉を引きちぎる勢いで叫ぶことができました。

近隣の方々に申し訳なさを抱いたところで、トロッコ乗車でメドレー披露のお時間です。

ステージには近づけど前回に比べて2列ほど後退した三十路越え、彼女達との距離は小学校前の横断歩道くらいとなりました(例えスキルの低さ)。

誰とも目が合わなかった1日目で悟りを開いた三十路越えは目線もレスポンスも全く期待せず、視界にいらした方のメンバーカラーでペンライトをフリフリしておりましたところ、最後の最後でぺろりん(=鹿目凛ちゃん)から目線とレスポンスを2度ほどいただくことができました。

ありがとうございます。七草ナ梨はエンディング最終日にして、ぺろりんと2度ほど結婚させていただきました(認知の歪みが入院案件)。

教会のベルが頭の中で鳴り響き、トロッコタイムが終わったところでステージはいよいよラストスパートへ突入します。

1曲目は7色のリボンが愉快に舞う『でんでんぱっしょん』。

お馴染みすぎてスマホと同様もはや俺の臓器と言っても過言ではない(過言)この楽曲もこれが最後の拝みとなります。

これから先の人生で新しい一歩に怖気づいているとき、脳裏を過ぎる映像は間違いなくこの日の『でんでんぱっしょん』だろうなあと思いました。

『絢爛マイユース』では、私の初代推し・ねむきゅん(=夢眠ねむさん)が卒業公演でメンバー達から尋常じゃない量の紙吹雪を浴びせられながら歌っている場面を思い出しておりました。

キャッキャと紙吹雪を浴びせるメンバー達とその様子を泣きながら大爆笑で見守っていた我われヲタク達、寂しいけれど最高に楽しくて幸せだったあの時間。

今聴く『絢爛マイユース』はそのときの感覚に限りなく近い気持ちで、何ならふんわりあのときを更新できたような清々しい気持ちで聴いておりました。

『ORANGE RIUM』では未鈴さんがソロパートのところで泣いてしまって歌えなくなり、会場内が一丸となって未鈴さんをカバーせんと歌い出すと激アツな場面がありました。

ハジマリは独りきりだった彼女が16年にも渡って得てきたものがこのシーンに集約されていたような気がして、未鈴さんが救われて本当に良かったという気持ちで胸がいっぱいになりました。

こうしてでんぱ組.inc の物語は最高に素晴らしいエンディングで幕を閉じていくんだなあ…としみじみ感じていたところで、忘るるなかれ『Future Diver』。

エンディング後も愉快に突き進んでいく彼女達に遅れを取らぬよう、私もヲタク生命が終わるレベルの「萌えきゅんソングを世界にお届け Future Diver でんぱ組.incぃぃぃぃぃぃぃ!」を叫ばせていただきました。

喉は終わりませんでしたし、周りにいらした方々におかれましては本当にもうずっと申し訳ございませんでした。

彼女達は一度ステージから降り、客席からは でヲタ最後のアンコールが発動されました。

「未鈴!梨紗!ピンキーぺろりん!璃人りあ陽菜ちゃん でんぱ組!」というアンコールや拍手が鳴りやまない中、再び姿を現した彼女達が披露した曲は『秋の葉の原っぱで』。

あかん、泣く。嗚咽で喉終わる。

いいえ、決して泣くものか。私は長女だから我慢できる。長女だから我慢して愉快にお別れするんやとグッと涙を堪えて迎えた次の曲が『WWD BEST』。

長女の涙腺、大破のお知らせです。

この日の『WWD BEST』は愛読漫画の最終巻を読み終えたときのような達成感と寂しさを覚えました。本棚にまだしまいたくないような、いつまでも読み返して物語を終わらせたくないような。

そんな気持ちに襲われる最終巻というのは、往々にして最高のエンディングを迎える物語です。

私はそんな素晴らしい物語に長年お世話になっていたんだなあと、感謝の気持ちを抱きながらこの曲このパフォーマンスを拝んでおりました。

あと数ページで最高のエンディングを迎える でんぱ組.incが最後に繰り出した曲は、私とでんぱのハジマリとなった『サクラあっぱれーしょん』。

彼女達のエンディング宣言を受けてからというもの、私はずっと「でんぱのエンディングは『サクラあっぱれーしょん』みたいなどんちゃん騒ぎで終わりたい!」と、でんぱ沼の浅瀬で御祭騒ぎをしながら願っておりました。

実現しちゃったんだが。

ラメとは違うきらめきを目もとに浮かべる彼女達が弾ける笑顔で繰り出すその曲に「これはもう御祭騒ぎでエンジョイし散らかすのが筋というもの!」と、私も爆裂笑顔の小躍りで参戦させていただきました。

パワフル全開で突き抜けた彼女達が歌唱を終えて踊りながら向かった先はステージ下手。

そこにはリボンなどの小道具がガチャガチャに詰められた小箱が置かれており、でんぱ組.incの面々はその手に持つマイクをせーのでぎゅむッと詰め込んでいきました。

マイクを突っ込み終えた彼女達は同じく下手側に控えていたトロッコへ全員で乗り込み、踊りながら会場後方へと運ばれていきました。

私は昨日からここまでの間、割と目線をいただけそうな位置にいながらも推しの璃人くんから目線をいただくことがありませんでした。

それが当たり前だしそれでいい。

私はこうして璃人くんの笑顔を近くで拝めるだけでも幸s

#台無し

こうして璃人くんと笑顔で手を振り合えた三十路越えは、成仏しかけた魂を体に戻して今までずっとやりたかったことをやらせていただきました。

それはでんぱ組.incに直接お礼を言うこと。

イヤモニでまったく聞こえなかったかもしれませんが、私は何度も「でんぱ組.incありがとう!」と叫びました。

ゆるふわながらも でヲタでいられた10年間、私は本当に幸せでしたと。でヲタライフを穏やか健やかに歩ませてくれたうえに素敵なエンディングまで見せてくれてありがとうと。

トロッコは開場後方中央で止まり、彼女達は踊りながら姿を消してしまいました。

電波通信がプツンと途絶えたような終わりを迎えたあと、ステージ大画面からエンドロールが流れ始めました。

でんぱ組.incのメンバーや今まででんぱ組.incと携わってきた色んな方々の名前と音楽が流れる中、でんぱ組.incの名場面ボイスやメンバー達によるメッセージが流れ、会場からはすすり泣く声がいたるところから聞こえました。

エンドロールの最後に浮かんだのは「THE END.」という文字。

ドットの代わりに置かれた電波型の赤いマーブルチョコ隕石が秋葉原に佇む少女の手の中に落ち収まったところでエンディングムービーが終わりました。

あの少女が未鈴さんの遺志を受け継ぐアイドルちゃんなのか、それともアイドルになるため秋葉原に足を運んだ過去の未鈴さんなのか、ネット上では色んな考察が飛び交いましたが、私はどちらも正解だと思っています。

私達はあの日、未鈴さんに匹敵するかそれ以上のアイドルちゃんが爆誕するキッカケに立ち会えたのだろうし、でんぱ組.incをやりきった未鈴さんが過去の未鈴さんを救えた n回目の瞬間も見届けることができたのだろうと。

でんぱ組.inc の物語はこれにてめでたし大めでたしで幕を閉じました。

でんぱ組.inc という壮大な物語が終わったあと、不思議と喪失感はなく、何なら久しぶりに帰った実家でもらうお土産くらいたんまりといただいてしまったような感覚になりました。

たんまりもらったそれは圧倒されっ放しだった2日間のライブの思い出だったり、彼女達がガッツリ残してくれたでんぱソング達だったり、ボッチ参戦だった頃から謎に落ち着くでんぱの現場での思い出達だったり、私なぞと仲良くしてくれたヲタクフレンズちゃん達の存在だったり。

でんぱ組.inc、宇宙を救えるアイドルとはいえ、これはちょっと救いすぎなんじゃなかろうか。

最後まで加減が下手くそなヲタクみたいなお土産をくれた彼女達はこれからきっとそれぞれの道をそれぞれ賑やかに歩んでいくのでしょう。

私も彼女達や皆様と一緒に新たな章へ進んでいきたい、そんなことを思える最強最Ψ最好調なエンディングライブでした。

でんぱ組.incは間違いなく、宇宙を救えるアイドルです。

今までも、これからも。

概念になった でんぱ組.inc を胸に、私は皆様と一緒に最高の次回作をつくり紡いでいこうと思います。


前回:ちゃっかり参戦していた1日目のライブレポ

関連:理想のエンディングに『サクラあっぱれーしょん』を挙げていた記事

次回:でんぱ組.incの皆様へお手紙を書いてみた

いいなと思ったら応援しよう!

七草ナ梨
サポートいただくと明日がちょっと愉快になるとかならないとか。