すれ違った、そんな気がしただけ
新宿バスタ前の横断歩道で、高校の同級生とすれ違った(気がした)。
すれ違いざま、一瞬、目が合ったような(気もした)。
彼は新宿駅へと歩いて行き、私はタカシマヤに向かって歩いていた。
同じクラスになった記憶はない。
部活も違うし、委員会も違ったと思う。
もちろん名前すら覚えていない。
ただ、体育祭の部活対抗リレーで、各部活がユニホームを着て走らなきゃいけない時に「剣道部って、走るの大変だな」と、隣から声をかけられたことがあった。彼はサッカー部だった(気がする)。
剣道部だった私は「いいよね、走りやすいユニホームで」とだけ答えて、バトン代わりの竹刀を受け取る準備をしていた。
彼の部活が何位だったかは覚えていないけど、剣道部が最下位だったことは鮮明に覚えている(笑)。
ときどき奇跡も起こるので
東京都の人口は、推計で14,183,261人らしい。
その中から、20年以上前に卒業した高校の同級生とすれ違えるのだろうか?
とはいえ、ときどき思わぬところで知人と遭遇することがある。
そこに居るはずのない人と出会う奇跡が起こる(こともある)。
かなり昔に、高尾山の山頂で仕事のお客さんに声をかけられビックリしたことがあった。
「変なところで(高尾山は変な場所ではないが)会いましたね」と笑って挨拶した思い出がある。
ある夏の日、新宿の横断歩道での一瞬のすれ違い。
私は振り向くことはしなかったし、たぶん彼も振り向いていない(はず)。
高校の同級生とすれ違った気がしただけかもしれないし、本当にすれ違ったのかもしれない。
東京に住んでいると、時々〈不思議な気のせい〉と遭遇することがある。
懐かしい人と会った(ような気がした)ことよりも、体育祭の時のリレーの辛さの方を思い出して少し笑えた日だった。
(剣道着でなんて走れるかっちゅーの!笑)
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