脚本「魔法少女は動かない」
魔法少女は動かない
どうも詩奶です。
久しぶりの投稿です。
短めの声劇台本です(5~10分くらい)
以下本編と情報です、ご覧ください!
登場人物
花小見めぐ(はなおみめぐ):魔法少女。やる気がない。鋼メンタル。
もこるん:異世界からやってきた妖精。めぐを魔法少女にさせた。
ガルグージ:敵。世界を征服しにやって来たヴェジス軍の幹部。めぐに翻弄される。
あらすじ
突如異世界からやってきたもこるんから、魔法少女の力を授かった、花小見めぐ。人間界を征服しようとやってきたヴェジス軍から世界を守る……!はずなのだが、なぜか事件が起きても彼女は彼女のままでいる。それに翻弄される、もこるんやヴェジス軍の幹部たち。魔法少女らしくない、魔法少女として、彼女は今日も世界を救う!!!?
上演時間:約5~10分
配役目安比:男1 女1 どちらかというと女1
以下本編
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ガルグージ 「いつ来ても生ぬるい空気だ。どこを見ても緊張感のない人間の愚図ばっかりだ。まぁいい、それも今日この日をもっておしまいだ。私が開発したこの薬品を町中にバラ撒けば、この町の人間全員が魔物に変貌を遂げる。さぁ、手始めにどこからバラ撒こうか……おっ、ちょうどいい。あの人だかりがある駅の広場に試してみようか」
ガルグージが駅前の広場に行く。
ガルグージ 「よし、さぁ緊張と恐怖の旋律を始めよう!!!」
ガルグージが薬を撒く。すると薬を浴びた人がどんどん魔物になっていく。それを見て逃げ惑う人々。
ガルグージ 「ははは!いい!いいぞ!もっと、もっとだ!恐怖に慄け!阿鼻叫喚に包まれろ!ははは!ははははは!どうだ魔法少女!私はやった!やってやったぞ!!」
破壊が始まる町。
ガルグージ 「……」
混乱する人々、車の音。
ガルグージ 「……っ」
爆発音。
ガルグージ 「つまらん!!!」
一方そのころ魔法少女、花小見めぐの家。
もこるん 「急いでもこ!わるわるメーターが反応してるもこ!町が大変になってるもこ!」
魔法少女 「えぇ、どこぉ?」
もこるん 「平凡駅の広場もこ!」
魔法少女 「私の最寄り駅じゃないや、パス」
もこるん 「もこぉぉぉ!!?」
魔法少女 「おっ、沸騰した。さてさて、」
もこるん 「カップラーメン作ってる場合じゃないもこ!大変になってるって言ってるもこ!」
魔法少女 「腹が減っては戦はできぬ」
もこるん 「食べたらいくもこね!?」
魔法少女 「行けたら行くよ、よし、三分スタート。」
もこるん 「それは行かない人の言い分もこ!」
魔法少女 「おぉ~異世界なのに、日本のことわざも文化も知ってるとは。すごい」
もこるん 「当たり前もこ!妖精は来る国の情報を覚えてくるもこ!」
魔法少女 「そうなの?」
もこるん 「そうもこ!」
魔法少女 「みんな?」
もこるん 「み、みんなもこ」
魔法少女 「頭いいね」
もこるん 「まぁそうもこ?」
魔法少女 「だったら人間の力を借りなくても倒せるんじゃない?悪の組織、えっと~バジル軍?」
もこるん 「頭は良くても力は人間より弱いって前も言ったもこ!あとバジル軍じゃないもこ!悪の組織の名前は……」
ガルグージ 「ヴェジス軍だ!!!!」
もこるん 「もこぉ!?ヴェジス軍の幹部!ガルグージ!!!」
ガルグージ 「よぉ我らの支配下になった国の俗物め」
もこるん 「違うもこ!もこの国はまだお前たちのものじゃないもこ!」
ガルグージ 「今更強がり悪あがきってか……滑稽極まりないな」
もこるん 「そっくりそのままお前に帰してやるもこ!!!」
ガルグージ 「黙れ!人間の力を借りなければ何もできない俗物が!!って、お前はなにしてるんだ!!」
魔法少女 「……あと2分」
ガルグージ 「何があと2分。だっ!!!敵が目の前にいて緊張感のないやつめ!」
もこるん 「そこは同感するもこ!」
魔法少女 「だって、ここ、私のおうちだし。何をどう緊張しろと」
ガルグージ 「そ・と!そとをみろ!!」
魔物の声が遠くに聞こえる。
ガルグージ 「どうだ!魔法少女!!!私は今この薬を使って町中の人間を魔物にしているんだ!!!どうだ!恐れ慄いているだろ!どうだ!!!」
魔法少女 「いい香りしてきたなぁ。そうだ飲み物用意しなくちゃ。もこるん、冷蔵庫からお茶とって」
もこるん 「え」
ガルグージ 「おい……お前……」
魔法少女 「なにしてるの、もこるん。とって」
もこるん 「わ、わかったも(こ)」
ガルグージ 「魔法少女ぉおおおおおお!!!」
魔法少女 「もーなーにー?カップラーメン食べたいの?しょうがないなぁ、一口だけだよ?」
ガルグージ 「ちがぁう!!!だ・か・ら!外を見ろ!!!」
魔法少女 「はぁ」
魔法少女が歩いてカーテンを開ける。
魔法少女 「何にもないよ。いい天気。あっあと一分。待つ間に洗濯もの取り込もうかな」
ガルグージ 「違う、ちがうううう……!」
魔法少女 「ちょうどいいから手伝ってよ。洗濯物多いんだ。早く、時間になっちゃう。カップラーメン二口にしてあげる」
ガルグージ 「もういい!つまらんつまらーん!!!」
三分の時間が経つ。
魔法少女 「あーもう、鳴っちゃったじゃん、ってどこいくの?」
ガルグージ 「仕切り直しだ!!いいか魔法少女、見ていろ。お前が恐怖し、地獄を味わえるとっておきのものを用意してくる!覚えておけよ!!!」
魔法少女 「はぁい、またねぇ」
ガルグージが消える。
もこるん 「消えちゃったもこ……」
魔法少女 「もこるんお茶~」
もこるん 「んもぉ~めぐちゃん!ちゃんと魔法少女として戦ってくれないと困るもこ!このままだとどんなことが起こるかわからないもこよ!?」
魔法少女 「大丈夫大丈夫。だってあのバジル軍はさ」
もこるん 「ヴェジス軍もこ……」
魔法少女 「そうそれ、その軍団の人間、人間界から消えれば、薬の効能は消えるから、今頃普通に元通りでしょ」
もこるん 「えっ、あっ、本当もこ!わるわるメーターが反応してないもこ!」
魔法少女 「だから追い出せば万事解決」
もこるん 「それ、絶対いつか上手くいかなくなるもこよ……」
魔法少女 「大丈夫大丈夫。きっとあの人、超大型戦隊モノと一緒で三分だから。」
もこるん 「な、なに言ってるもこ……」
魔法少女 「異世界から来た人あるあるだよ。銀河系の彼方。何億光年からやって来た……悪もの。大変だねぇ、はぁ人間でよかった。簡単においしいもの食べれるしね」
もこるん 「はぁ……」
魔法少女 「さて、ちょっと経っちゃったけど、いただきまーす」
一方、暗闇の中、叫ぶ者が一人。
ガルグージ 「覚えていろよ……魔法少女ぉおおおおお!!!」
完。
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