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案の定、コロナ給付金は毒親に搾取されました。

 コロナ給付金。

 世帯主の口座にまとめて振り込まれる例のやつ。

 私の親は毒親である。

 なので私は個人の口座に別々に振り込んでほしかった。

 でなけでば、毒親に搾取されるから。

 そして、その予想は的中だった。

 唐突に毒母が笑顔で給付金の使い道を私に告げてきたのだ。

 もちろん私の分も含めての話だ。

 私は毒親に言った。

「10万円は私の分だから、私に下さい」と。

 すると毒母が眉間に皺を寄せながら「え?」と驚いて、

「2万円くらいなら(あげても)いいけど」などと言ってきた。

 更に「10万円もいるの?」とも訊いて来た。

 意味がわからなかった。

 いるも何も、それは私宛の給付金のはずだからだ。

 それから毒母ははじめに告げてきた給付金の使い道を二転三転とコロコロ変えながら、この金が必要だとしきりに言ってきた。

 色々と告げられたが、内容はどれも端的に言えば『金は毒親のために使う』というものだった。

 いつものパターン。

 私の言い分など聞く耳持たずで、毒親の理不尽な屁理屈をぶつけられるという、話にならないパターンだ。

 ここで、いつも無関心を貫いている毒父が珍しく口を開いた。

 しかも、私を援護するような形で。

 何と言ったか。

 毒父は「〇〇(私の名前)君にも何か考えがあるんだよ」と言った。

 違う! そうじゃない!

 私の考えも何も、私に配られた給付金なのだから私に渡すのが道理である。

 ただ、それだけなのだ。

 勝手に私のお金の使い道を決めるなってだけだ。

 当然の権利を主張しているだけだ。

 状況がややこしくなるだけで、はっきり言って有難迷惑な援護射撃であった。

 案の定、毒母は「自分(毒母)の考えこそが正しい」という論点のズレた主張を始めてきた。

 因みに毒母の考えというのは、先にも述べた通り『金は毒親のために使う』なるものだ。

 唯でさえ毒親は話が通じないのに、論点がズレたら最早打つ手なしである。

 そんな迷惑な援護射撃をした毒父はというと、その一言だけ言って再び我関せずのサイレントモード。

 その後は毒母がひたすら「自分(毒親)が決めた使い道(金は毒親のために使う)こそ正義である」との主張を続け、徹底して私に金を渡したくないという態度を誇示。

 無論、私の事は頭ごなしに否定。

 話にならない。

 あえなく、私宛の給付金は毒親のものとなった。

 毒親は決して子どもに譲らない。

 そして例え私の物であっても、一度毒親の手に渡ってしまった物は、毒親が折れてくれない事には私の手元には渡らない。

 それは当然の結果だった。

 終始予想通りの展開だった。

 笑えねぇ……

 だから個別に振り込んでほしかったのに……

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