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Painters ~七ヶ宿の未来を描く人たち~ No.1

七ヶ宿町には、様々なバックグラウンドをお持ちの様々な方が住んでいます。そんな七ヶ宿町の町民の方にインタビューを行いました。第1回は、町が移住政策に取り組む前からの住民である、今野誠さんです。
今野さんは、2023年3月現在七ヶ宿まちづくり株式会社に勤務し、移動販売や地元湯原地区にある街道HOSTELおたてなどの業務を担当しています。

自然とともに挙げてくれた魅力、「住民の素朴さ」

 冬の雪を中心に、四季がはっきりしている点をまず魅力として挙げてくれた今野さん。その次に教えてくれたのは住民の素朴さでした。「今はネットとかで情報収集できるけど、昔はテレビとかしか情報源がないんだよ」。地域でのコミュニケーションで情報が完結していたため、情報がすれておらず、また町民どうしが仲良くするDNAのようなものが受け継がれているという特徴があるそう。

見守り訪問も兼ねた移動販売で各戸訪問することも

七ヶ宿が七ヶ宿であり続けるために。大切にしたい「伝統」

 残していって欲しいものとして、「地域の祭り」を挙げてくれました。七ヶ宿の各地域の神社の祭りなど、住民の交流の場であると同時にかつて東北の大名の参勤交代の宿場町として栄えた七ヶ宿の歴史をつないで欲しい、歴史的な伝統や文化が廃れていかないで欲しい、といった強いメッセージがそこにはありました。

七ヶ宿のことを語ると笑みがこぼれる

強く感じた、「住民であり続けたい」という想い

 今野さんが住む湯原(ゆのはら)地区は、今野さん曰く、「お隣さんの家まで100mくらいある」ところもある、限界集落一歩手前という状況。そんな中でも、自らの子どもの世代まで町は続くのかということや、男性の働き口が現状限られる中で、10年後、20年後の七ヶ宿をとても考えていらっしゃいます。親しみやすい語り口の中にもはっきりと感じられる七ヶ宿を思う気持ち。そして伝統や文化が残り、「受け継がれてきた七ヶ宿」の住民であり続けたい、という姿がありました。

大好きな七ヶ宿のため、どんな天候でも動く今野さん

インタビューを終えて

 七ヶ宿町を次の世代につないでいきたいという想いがとても強く伝わってくるインタビューだったと感じました。その中でも特に印象に残ったのは、七ヶ宿の未来について聞いたシーンでした。「10年後、20年後に七ヶ宿が他地域との合併などで分割されず、働き口などが確保され、町が存続しているか心配になることもある」と、とても真剣な眼差しで話してくれた今野さん。ただ人口が増えるだけではいけない、町の存続も関わっているということを肝に銘じてまちづくりに関わることの大事さを感じました。

この記事を書いた人

阿部航希 
神奈川県横浜市出身。インターンシップで2024年2月・3月に七ヶ宿町へ。現在國學院大學観光まちづくり学部観光まちづくり学科2年(インターンシップ時は1年)
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