Tonamelを用いることで、大規模トーナメントを効率よく捌こうとしたら回線トラブルでぐちゃぐちゃにされた話
はじめに
どーも、なにかとやっている7IROです。初めましての方に軽い自己紹介だけ載せます。
配信団体「無明遊者」の代表
Tonamelのコミュニティマネージャーっていう仕事してる人(2022年11月から)
他にもいろいろ関わっていたりしますが、大体こんな感じ。スマブラコミュニティで4年ぐらい活動しています。(大量のモニターと人生を歩んだ大学4年間を振り返る自己紹介ネタがあるので、面白そうだと思ったら書きます。)
僕は何かを文字にまとめて発信することがとても苦手です。ただ、配信や動画としての発信は準備や作成に時間がかかったり見直しづらい欠点があります。そのため、これからは頑張って文字にしてみようと思いました。文が多少おかしくてもお付き合いお願いします。
では、いきます。
今回の主題:Tonamelの機能を活かしてトーナメント進行を楽にしよう。
今回は主題の通りTonamelのコミュニティマネージャーの立場からの記事です。(うわぁ、急にビジネスっぽいって思われそうですがしょうがない…)
ここからの切り口の仕方が難しいので、まずは今回の話題転換を目次にしてみました。
西武撃のスタンス
大規模大会におけるBクラストーナメントの課題
Tonamelという希望
人類は電波なしではもう生活できない(オチ)
1.西武撃のスタンス
ここからは、先日行われた西武撃#12(2022/12/3)について触れていきます(裏話はつらつら書いても長いので割愛しながら)。
さて、来場された方はわかると思いますが、#12は出来立てほやほやの新会場+デザイナー増員+規模拡大!という西武撃的には新しい挑戦の幕開けでした。そのため準備は念入りに行い、10月前半には開催内容と計画自体はおおまかに決定していました。
各イベントにもあると思いますが、それぞれスタンスやポリシーってものがあります。これがないと参加者もスタッフも集まりません。
西武撃の発足時
・西東京で需要を高める
・参加者の満足感を充実させる
みたいなスタンスがありました。今は懐かしき総当たりによる予選なんかもそうですね(復活させたい)。しかし、様々な理由から総当たりを行うのは、現状の西武撃では不可能であります。そのため、最近はBクラストーナメントを行うのが定番化してきました。しかし、このBクラストーナメントにはものすごい課題があります。
2.大規模大会におけるBクラストーナメントの課題
一定の参加者需要を満たすことのできるBクラストーナメントは一見とてもシンプルに見えます。僕が参加者としてトーナメントに参加した時に、Bクラスがあるとめっちゃうれしいですし、シングルイリミネーショントーナメント(1回負けたら終わり)なので素早く進行する感じがあります。
では、何が課題としてあるのでしょうか?
今回も箇条書きで先にあげちゃいます。
・Bクラスに参加する/参加しないの管理が大変
・規模が大きくなるほど、参加人数が激増し進行がハード
・Bクラスと本戦のアナウンスが混合する
大きく上げるとこんな感じですね。ぱっと見ると、運営側の工夫でどうにかしろよ!って感じの課題に見えますね。まぁ、具体的な説明なしでは分かりにくいので一つ一つ紐解いていきます。
Bクラスに参加する/参加しないの管理が大変
これは主に、関東圏のBクラストーナメントの話になります。Bクラスがあるイベントに参加した方はわかると思いますが、Bクラストーナメントの出場は任意制です(九州のほうとかはBクラス参加までが一つのイベントなので、対象者は全員参加だそうです)。よくあるパターンとして、Bクラス出場条件を満たしている選手のうち、”参加したい方だけ”参加表明を(何かしらの方法で)行う必要があります。さらにBクラス開始までの流れを具体化します。
start.gg
を用いてトーナメントを組んだ場合は、以下のような流れになります。
①参加者384人のうち64人が予選通過し、それ以外はBクラスのトーナメントに自動で配置される。(最大320人)
②トーナメント開始までに、対象者のうちBクラスに参加する人の確認をとる。
③予選の時点からの不参加者(DQ)と当日にBクラスに参加しない人を、トーナメント開始前にさらにDQ処理をする。
④トーナメント確定・進行開始
start.ggで自動で配置されるようにすると、(キャンセル期間を過ぎた)参加キャンセルが事前に20人出るだけで20人分DQ処理(トーナメントの失格処理のこと、対戦ごとに毎回行う必要があるためとんでもなく手間である)をする必要があります。さらに、当日に出ない人を反映するのもめちゃめちゃ大変です。じゃあ、九州のようなスタイルにして、参加任意制をやめればいいという話になります。実際一つの解決策だと思います。これは僕が体験したことないのでぜひやってみたいなと思っていますね。ただ、次の課題にも絡みますが、人数が多いだけで対応する人数も増えるので大変なのは変わりません。
規模が大きくなるほど、参加人数が激増し進行がハード
まず第一に!そもそも!3ケタの人数(しかも例の場合は350人越え)をシングルイリミであろうと、スタッフが呼び出して結果を受けるスタイルで進行するのはおかしいんです!!!!
いや、ほんとにこれなんですよね。(いつもスタッフありがとう、進行に協力してくれる参加者の方もありがとう)
ここで大規模予選の進行の形式を振り返りましょう。
①予選ブロックに分かれる。(16人とかそこらへん)
②参加者であるシード選手や、プールに選手として出てるスタッフが進行をする
③入力はプールごとにおいてあるトーナメント用紙に記入
この形がメジャーだと思います。
じゃあBクラスは?
①トーナメントはブロックとかに分かれずに一本化(しかも例の場合は350人越え【再】)
②進行はスタッフ
③入力はスタッフが、選手からの報告を受けて、進行ツールに手入力
➡説明するまでもなく、これが一番やばい
いやぁ、おかしいですよね。だってこれ予選の進行よりよっぽどハードなんですよ!僕も馬鹿だと思います。もうちょっと頭使って楽にできる方法を考えようよ!でも事前準備で企画している際、リソースをサブイベントに割いてる余裕なかったりするんですよね(遠い目)。そのため、ノリと気合で乗り越えようとしがちです。そして、疲れ切ったスタッフはもうBクラスやめようってなります。需要に対するリソースが圧倒的に足りないんです。もし、このスタイルでBクラスをやるなら本当にスキルの高いスタッフを結構な数つける必要があります。ちなみに、WAVEみたいないくつもゆるいサブイベントがある形式のほうが僕は好きです。
と、ここまで述べたように結構重めな課題があります。ただ、前述したように僕はBクラス自体はすごく好きで、競技性のオープントーナメントにはあるべき内容だと思っています。だからこそ、何とか工夫して負担の少ない進行形式を確立する必要がありました。
Bクラスと本戦のアナウンスが混合する
これはわかりやすい課題です。アナウンスをマイクで伝えることは、トーナメント進行中は限りなく効力が低いと考えます。しかも、出力系統が一緒なのでアナウンスのタイミングが本戦と被ることもあります。最近あちこちの大会で、discordによる参加者サーバーを用いたアナウンス形式が広がっているのもこういった背景からだと考えます。
3.Tonamelという希望
そんな中、スタッフ負担を下げ円滑に進行ができる可能性があるツールがありました。はい、Tonamelです。
Tonamelについて、簡単に紹介します。いわゆるstart.ggのお手軽版で、運営だけでなく参加者側が対戦結果のスコアを入力することでもトーナメントを進行できるツールです。最大の特徴は、様々な機能に対する操作のお手軽さにあります。
(気になった方はこちらを…)
(1) 【参加者向け】大会への参加方法 - YouTube
(1) 【主催者向け】テスト大会の開き方 - YouTube
他にもスポンサー機能をはじめとした様々な機能があります。(対戦チャットでダイスロールできます(笑))
しかも、まだまだ開発途中の機能がいっぱいで、順次アップデートされる予定です。(最近だとマップ対応されましたね。)
ツール1つに無限の可能性が秘められているわけです。
軽い紹介はこの程度にして本題へ戻りましょう。
僕がTonamelのどこに希望を見出したのか、Tonamelは先の課題を解決する可能性があるのか。
例として、西武撃#12のBクラスの進行設定を使って説明します。
まず、DQ管理の課題を解決します。
「参加する人だけが別の進行ツールに申請すればDQなんていない!」
これにつきます。その際、当日の合間時間に申請してもらうことを想定する必要があります。そうすると必然的にstart.ggのような申請に手間がかかるものは不適切です。Tonamelは、アカウントを作る必要はありますが、申請はとても簡単です。参加者サーバーがあるので、サーバーに申請ページを限定公開すれば参加者以外からの申請も防げます。ちなみに、start.ggとは別のツールを導入することは、事前にアナウンスできているという条件が達成できていれば、問題にならないと判断しました。
次に、進行の課題です。
スタッフが大変になる主な原因は、対戦カードの呼び出しと結果報告の反映を同時にこなす必要があることです。
これはTonamelの性能に頼ることで解決します。
Tonamelでは、参加者自身が対戦結果のスコアを反映させることができます(操作は超絶簡単です)。これにより参加者がいちいち報告に赴く必要がなくなり、スタッフが報告を聞く必要もなくなります。この時点で、想定されるトラブルの対応策をいくつか設定しているのですが、文字数により割愛。
そして最後にアナウンスの課題です。
解決策としては、参加者用サーバーをフル活用するのが一番いいと思います。対戦カードの呼び出しは一番向いています。ただ、対戦相手が来ないとか色々トラブルが発生します。ある程度はTonamelにログインされているかが運営側でわかります。それでも人数が多いと限度がありますよね。
そのため、Tonamelのアナウンス機能と対戦チャット機能も使います。
LINEと連携するとアナウンスやチャットにメッセージが来たこと、対戦カードが決まったことなどを通知してくれるのでアナウンスを見落としづらいところが便利です。
Tonamelの導入+参加者サーバーを用いれば大体の課題を解決することができました。もちろんここに挙げていないだけで、まだまだ課題は進行上にもTonamelの機能的にもあります。
説明力不足でしっかり伝わっていない可能性はありますが、理想のBクラス進行ができあがる算段はこれで整ったというわけです!
Tonamelサイコー!!!!!Discordサイコー!!!!
そして、僕たちはいくつかの発生しうるトラブルを想定し、対応策を考え、湧き上がるモチベーションとともに、当日を迎えました。
4.人類は電波なしでは生活できない
「西武撃#12」それはありとあらゆる回線から嫌われた大会でした…
有線LANからのインターネットが思うようにつながらず配信が行えない。
謎のdocomoユーザーを中心としたWi-Fiの通信障害。
現地参加者は、トーナメントどころかアナウンスがくるDiscordすら開けない状態。配信視聴者は、なにもわからない状態。
さて、前述したBクラスの進行体制はいわば「ありとあらゆる便利ツールの性能でごりおす」というものです。しかし、利用するツールはどれもインターネットがないと利用できません。
では、通信障害が起きた西武撃#12 Bクラス進行では何が起きたか?
「手動入力と会場アナウンスでなんとかするしかない」
効率化を求めていたはずなのに、通信障害一つで負担が激増どころか、start.ggだけを利用していた時よりも地獄が完成しました_(:3 」∠)_
当時Bクラス参加者は206人。スタッフは進行開始時5人です。
最終的には皆さんの協力もあり、スタッフの尽力もありでなんとか終わらせることができました。(本当にありがとうございましたm(__)m)
結果としては散々なものになりました。しかし、いくつか浮かび上がった課題はあるもののTonamelを用いることで効率的で負担の少ない進行ができそうだという確信に至れたのがせめてもの救いです…
ここまで長々と書いてきましたが、これを機にTonamelに興味を持ってくれる方が増えたらうれしいです。本当に7IROが言ってることで負担軽減できるのか試してほしいです。無限に相談に乗ります。あともっと効率のいい方法があれば教えてください。よろしくお願いします。
最後に今回得た教訓を書きました。これから肝に銘じていきたいと思います。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
「下手したら300人を超える大人数のBクラスは絶対にやるべきではない」