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【女子大生ひとり旅チャレンジ①】兵庫・城崎温泉 中編

【前回のあらすじ】
大学生活最後の年。やり残したことのないようにしたい!と思い立ち、一人旅にチャレンジすることとなった私。計画からわずか一週間後、その日はやってきた。

人生初の3列シート、すごい

深夜22時、東京から夜行バスに乗り城崎へと向かう。バスは三列独立シートだが、車内は真っ暗、周りは男の人だらけ。なんだか心細くって、なかなか寝付けなかった。

しかし、片道13時間。寝ないと体力がもたない。電車や飛行機で行くのもアリだったけど、何しろお金のない貧乏学生の私にとってお値段7000円のバスは魅力的すぎた。

大阪・梅田で4列シートバスに乗り換え

なんだかんだで寝たり、おやつを食べたり、映画を見たりしているうちに城崎温泉に到着した。ビルから山へと景色が変わるうちにバスの窮屈さや1人の心細さはだんだんと薄れ、高揚感に包まれていた。

とりあえず、この重い荷物を置きに宿へ向かおう。いつもシティホテルや旅館などに泊まることが多い私だが、今回は一人旅だからこそのチャレンジとして、ゲストハウスを予約してみた。
女ひとりでゲストハウスってのも少し不安はあるから、一応鍵付き個室のところにしたけれど。

駅前に設置されていたマップ

まだまだ汗ばむ9月上旬、片道15分ほど歩いて今回のお宿に到着。早めのチェックインをさせてもらって、お部屋で少しエアコンの風にあたる。スマホで色々調べていると、すぐ近くにロープウェイで行ける展望台があるらしい。天気もいいし行ってみようかな、とエアコンを切って部屋を出た。

途中下車して少し歩けるという3/4コースの1000円チケットを購入し、大師山の山頂へ。ここからの眺めは、ミシュラングリーンガイドで一つ星を獲得しただけあって圧巻だった。見晴らしのいいカフェで少しくつろいで、またロープウェイに乗って下る。

奥に見えるのは日本海に繋がる円山川

途中の温泉駅で下車して、ここからは山道を歩いて下山。風に揺れる木々、踏みつけられる落ち葉や小枝、鳥や虫の声が耳に心地よい。東京では味わえない、気持ちのいい汗が頬をつたうのを感じた。

山を降りてからは、風情ある城崎をふらふらと歩いたり、土産物屋に入ったり。そうするうちに日が落ちてきたので、いよいよ温泉に入ることにした。城崎に外湯は全部で7つ。ゲストハウスのご主人によると、2泊3日なら頑張れば制覇できるとの事。温泉好き女子としては、絶対に制覇したいところ。

7つの温泉を巡るならば、必要なのは気合いと「ゆめぱ」。1500円で1日温泉入り放題の夢のようなチケット、というわけだ。

ということで、ゆめぱを駆使してとりあえず2箇所(一の湯、さとの湯)を巡った。9月の平日ということもあって、どちらも空いていたのは幸運だった。城崎温泉は、冬はカニもあるし温泉もあるしでかなり混むらしい。

「天下一」の一の湯は開運・招福の湯と言われている

この日の夕飯は、昼間に歩き回った時に見つけたうどん屋さん。ガラガラと引き戸を開けて中に入ると、お客さんは私だけ。店員さんの姿も見えない。

御所の湯のそばにある「ちから餅」

あれれ?と思ったのも束の間、すぐに奥から女性が出てきた。ちらっと厨房を覗くと、さらに奥に居間があってテレビの前にちゃぶ台の一家団欒があった。夕飯時に来てしまったようで、少し申し訳ない気持ち。ささっと食べて帰ろうと思って、卵とじうどんなるものを注文。うどんに卵とじか…あんまり聞かないから気になっちゃった。

店内は昔ながらの手書きのメニューに高い位置にあるテレビ。厨房からは子どもの笑い声がして、少しほっこりした気持ちになる。うどんが運ばれてきて、温かくて優しい味にこれまたほっこり。スープも飲み干して、お会計をお願いするとまた奥の居間での団欒が目に入った。店には相変わらず客は私だけ。なんだか、少しホームシックな気分になってきた。

ゲームセンターや射的場も発見、観光客で賑わっていた

店を後にして、向かったのは本日最後の温泉「まんだら湯」。住民の方々で賑わう熱すぎるお風呂で、体はポカポカに。一緒になったおばさまも「今日は少し熱めだわ」なんて言ってた。

717年に道智上人の祈願により湧き出たとされる温泉

風呂上がりにはさっきのうどん屋で少し気になってたソフトクリームを買いに戻って、食べながら宿へ帰る。夜は少し風が冷たかったので、アイスで余計に体が冷えてしまった。
寂しいような気持ちをこらえて、今夜は眠ることにした。

続く

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