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大逆裁1〜2クリア感想(ネタバレあり)

はじめに(ネタバレなし)

50%セールのとき購入し
ちまちまやっててようやく終わりました。
レジェンド逆裁1〜3はクリア済みで
他は未プレイです。

シリーズの流れと系譜は
追ってきていないフラット寄りの
目線で楽しんでいます。

偏った個人的な好き嫌いと辛口感想が
含まれます。ネタバレも容赦ないです。
日本語が言いたいことに追いついていない
ボロボロ乱文注意。

もし未プレイの友人に
自分のネタバレなし総評を伝えるとなったら

「プレイ体験ですっきりしないところがあり
 手放しにおすすめできないが、
 逆裁的要素はちゃんとあり
 よかったところもあるので
 やって大損ではないライン」

「セール時に買うべき」

「シリーズ未プレイなら
 逆裁1〜3をやりましょう
 手放しにおすすめできるレジェンド」

という感じのコメントになりそうです。

以下ネタバレが始まります。










好きなところ〜劇伴編〜

え、本編ほっぽり出して
BGMから感想書くやついる!?
って書きながら自分も思いますが、
まあいいじゃんか、自由にやっても。

大逆裁の音楽は相当好きで
どれだけ好きかというと、
発売当時の賛否両論を見て

ファンではないことをいいことに
ゲーム本体を購入せずに
OSTだけ購入して死ぬほど聴き込んで
作業BGMとしても
愛用の一枚となっています。
脳内再生だってお茶の子さいさい。

……そのせいで、
今更ゲーム本編をやると
馴染みありすぎる音楽が
実際使われる場面と初めてセットで出て
不思議なな気持ちになります。

テレビ番組でゲーム音楽が流れて
ゲームタイトルと曲名を思わず
呟いてしまう時のような
気持ちになります。

こういう逆転をやるとは
思いませんでした……。
謎な罪悪感を覚えるものです。

3章くらいやってようやく慣れました。

最高に好きだったのは、

です。

ゲーム中最も流れたかもしれない
尋問ターンと共同推理ターンも
作業用にもってこいです。


好きなところ〜推しキャラ編〜


マイ人気No.1
よくできたツンデレ・バンジークス卿。
二位
優等生ぶって絶対復讐闇堕ちマン風・一真。

逆裁では法廷でやたら何か飲みまくるのに
トイレの概念をしらない検事キャラは
不器用イケメンとして輝く法則でも
あるのかもしれません。

これは美味しいポイント:

・時代も舞台も錯誤、ヴァンパイア貴族
・無限器物損壊タイプ🍷
・強がりのこだわり屋&繊細さん
・すごく真面目で苦労人な一面を想像させる
 やれやれ言いながらフォローしてそうな紳士

一真はかっこいい勇者枠ですから
闇堕ちして真価発揮というところがあります。

・突きつけるがミスった時のツッコミと
 煽りのセンスが容赦なくて痺れる
・そもそも勇者タイプで闇堕ち前後ともに
 セリフにイケメンパワーが詰まっている
・気心知れてるけど立場上対立してるときの
 会話の距離感がよい
 特にバンジークスとの背景の違いにより、
 ぷんすかツンというより、
 友情ありきの大人の拒絶の線引き
 対応をするので、ナイス違いです。
 二人で検事アイドルユニット組んで。
・威勢がすごい分
 ぐらつく時のギャップの破壊力が高い

終盤にならないとこの二名と
いいテンポ感と連帯感で盛り上がる展開を
共にできないのが本当に残念です。

もっともっと前から
バンジークス卿にちょっかいを出したり
苦悩やポンコツの吐露を楽しめたりしたら
最高オブザ最高なのに……

最後に詰め込まれすぎているので
卿の名残惜しいデレもくどくて
あれほど疲れた営業マンみたいに
礼を言われるよりは、
もっと早めに距離感を縮めたかったのです。

物語の都合上
最後の事件まで進行しない限り
バンジークスの態度の処理が
難しいということも絶対とは言えず、
なぜならご本人の事情ではなく
別のエピソード事件に
関係性が積み上がる処理を埋め込めば
今よりは幸せが増えた思うのです……

法廷外の
ホームズの出番や説明が長いラスボスさんの
出番をバンジークス卿に
譲ってほしいのです……!

この二人足したものが
ミツルギポジになると思われるので、
こう…もっと親睦深めて執務室に行けば
突如楚の商人談義が始まってもいい仲に
なりたかったです……。

終盤の真ん中、一真が
バンジークス卿の執務室を
乗っ取っている状態の訪問が
全編通して一番尊いものがありました。

そこの天井の隅のコウモリになって
ワイン樽をよっこらよっこら
並べ替える卿と現場ミニチュアづくりに
ワクワクしちゃう一真を鑑賞したい也。


気になっちゃったところ〜プレイヤー体験〜


箇条書きでいきましょう。

1.プレイヤーのストレスになるセリフ、情報提示方式が気になる

舞台が大英帝国になったせいか
日本人へのレイシスト発言や
偏見蔑視の暴論が
キャラの口調くらいの高頻度で飛び交います。

それとは別に、
序盤〜中盤に「イギリスルール」なる
後出し情報やシステムを言われたりするので
両方プレイヤーのストレスとして
全編通してじわじわと溜まるものがあります。

逆裁1〜3はここらへんで
気を遣ったなーと気付かされます。

ナルホドーが情報の欠如
または立場の不利があるとき
プレイヤーに無力感や咎めに晒されてないよう
システムと物語進行の両面フォローが
ありました。
ナルホドーは記憶喪失なり緊張でド忘れしたりするのですが、
しかしプレイヤーはその度
局面を打開するための情報やサポートが
手元にある状態にあり、
または話の流れが上手いことそれを
フォローするものになっていて
落ち度もなければ不自由もしません。

安心と自由の確保は快適なプレイに
強く影響すると再認識します。

プレイヤーキャラクターに
向かって言われる言葉は
ほとんど皮を突き抜けて
プレイヤーに行きますから、
「これだから日本人は」のデカ主語罵りは
うるさいですし
「こんなことも知らないのか」の非常識に白目もダルいです……

こういうのがトリッキーなのは、
別に罵られた属性に該当しなくても、
マイノリティや非常識な者として
差別・冷遇される経験は
そこそこ普遍的ではあるためです。

個別の人間のトラウマを
引き起こすトリガーとして十分に機能するから
もっと意識されてほしいですね。

まあしかし不思議なのは
アウチが何を言っても気になりません。
むしろゲラゲラ笑うのです。
小物っぽく振る舞うことが
コンプレスセンサーを素通りさせていると
思われます。

中間に位置するのが証人台かもしれません。
証人は逆裁においては敵ではありますから、
若干の不快要素が、矛盾を見つけ局面を一転させる際のカタルシスに反転しますので、
適度に嫌な奴、極端な言動がよいです。

とは言え度が過ぎたり
不快の内容の尺が長すぎるとやはり嫌です。
個人差もあるので、難しいですね。

2.終盤までのテンポが悪すぎる

引っ張りすぎ問題があまりに続きました。
もっさもっさ。


たとえば、序盤中盤の難易度を鑑みた
とは言え

「明らかにムジュンしています!ドン」
「まさかッ……!グラリ」

のオーバーリアクション攻防戦の
レベルが低すぎると、気持ちが冷めてきます。

いやそれ検事側からもらった情報やで、
気づかないわけないやん……
と、どうしても覚めてくるものがあります。

また、陪審員制度もダルいものがあります。
変なタイミングで決めつけの総意を
出されるし、形式的な流れ作業に
なってしまっていました。
話の進行上その民意に訴える制度が
都合よく利用することが数度あるにせよ、
プレイヤーが引き出せる情報もやることも
通常尋問と変わらない中で
テンポが余計悪くなりました。

終盤にようやくテンポ感が
適正になったと感じるのも、
最後の審判ではこのシステムが
しれっと撤廃されたことによる
部分が大きいと感じます。

それから全体的に
ただでさえ情報取得率と事件解明度が全然上がらない長尺会話長尺法廷がとかく続く
疲れる体験が多いのに、

ほとんどの事件はエピソード完結型ではなく
ねじれて延長戦か二回戦かひっくり返し。

これの合わせ技によるがっくり感は
思いの外相当なもので、
たとえテーマが「因果」だからやっていると
知ったとしても、プレイ上スッキリしません。

メグンダル事件がガックリの筆頭だと
感じていて、
全部の推理を操られて
不正解を出すのが正規ルートって
後になって分かって、
じゃああの労力なんだったんだ!?
と湧き上がる気持ちの行き場がありません。

ニコミナ事件が
2番目くらいにガックリします。
事故成分がめちゃくちゃ高い
未遂の殺人でさんざん裁いておいて
「実は生きてて死んでなかった」と
かなり後になって言われても、
やっぱりなんだったんだと
徒労感がすごいです。

(別ゲーの鳥弁護士の某似て非なる展開は
これを意識しているかどうかは不明ですが
個人的にそちらはよくできていると感じます。
タイミングと頻度と主人公の信頼可能度合いの塩梅がよいためです)


エピソード完結式がよかった……!!

3.会話シーンのストレス

嫌だったなと振り返って思うのは
主に二つの場面です。

ひとつは証拠品調査画面の茶番会話、
もうひとつは調査ターンの通常会話です。

証拠品調査画面に関しては
プレイヤーがそれを開く場面が
不定であること、
想定役割が重要手がかりの発見であることを
踏まえると、
プレイヤーの自然な期待が
早く重要な情報をパパッと確認したいと
想像できるはずです。

温度感のズレた無駄な茶番を
ここで挟むべきではないと思います。
イライラします。
特に法廷パートのパチパチ論戦中、
なおさら「おい今それやるなよ」と
なります。

普通に緊迫感が比較的にない
調査パートの背景や
入手当初のコメント会話に盛り込めば
世界観もキャラの関係性も十分豊かに
なりますから、
タイミング不定で別画面が開く
証拠品調査で本当に
やらないでほしかったです……
向けたくない怒りが
キャラクターに向いてしまいます。

調査ターンの通常会話ですが、
文字数制限が厳しい事情はあるものの、
純粋に長くて疲れます……。

言い方を変えれば、
何でも会話で情報を出しすぎています。
一部カットしたり調査アイテムに逃せないかと
何度も思いました。

自発的モチベが設定されておらず
指図されてやっているという印象が強いと
ゲームは楽しくありません。
話長いキャラ順に嫌いになっていくのが
悲しいです。

これが特に辛くなるのが
章が始まってしばらく経っても
事件が始まらないため
目標もなくダラダラと
全員と長い長い日常会話を
強いられる場面です。

伏線はあれど、
プレイヤーはその時点でピンとこないので
着地方向不明、ゴールが見えない状態で
我慢する羽目になります。

質屋事件の章でつらすぎて
数日間コントローラ投げてました……


4.キャラ関係のストレス

これまでにある通り
ヘイトスピーチをぶっかけられたり、
話が長かったり、
プレイヤーが真面目に調べる時
駄弁りを始められたりすると
それをやるキャラに苛立ちが募ります。

それら以外にもキャラの設定周りで
勿体無いなと思うところがありました。

主観の個人差が大きく出る部分かと思います。
ご了承ください。

基本的にスサト&ホームズに集約されます。

この二人は今思えば
共通して
役に立つ者として頼るべきか
役に立たない者としてやれやれ楽しむべきか、
向けるべき基本期待が定めづらいところで
よく気になります。

もう心の狭さが出てしまうのですが

スサトで気になるところは:
・その大英百科全書という飛び道具のパラパラめくりモーションが長いのよ……
・ナルホドーとの相補関係が綺麗に成り立っていない気がして言い表せないモヤモヤがある
・プレイヤーキャラクターより知識があり
  見せつけられた気持ちになる

・必然性のない謎の前時代的
 理不尽暴力設定でよく投げられる

・節操がないというより、
 目が曇ってホームズ本人が
 見えていない謎のファンムーブ

・アイリスが完全に互換可能なので、
  スサトじゃなきゃ、の愛着が育たない
  (むしろ法廷情報弱者をやるとき
  同国のスサトの知識に頼るより
  天才英国少女アイリスに
  言われた方がはるかに劣等感なく
  素直に入る)

・天然と博学の属性が互いを殺す。
 マヨイは基本アホな子極振りで、
 言動も言動期待もがブレづらく一貫する。  
 得意分野は霊媒という完全に
 主人公がノンタッチな対極領域。
 キャラの守備範囲がはっきり
 分かれていると、
 掛け合いがスムーズでドラマを生む

 一方スサトは知識も立場も微妙に
 ナルホドと重複し、知識において
 優越したり同じであったりと
 (これはリアルなら普通だが)曖昧。
 その上で天然言動もするから
 どういう人として見るべきか
 心構えができづらくてモヤモヤ

・バックグラウンドが分からなすぎる。

 これがどういう人かふわふわしている一因。

 さらりとした説明はあるものの、
 何が目的で何が動機で、
 登場人物との過去について
 ほとんどエピソードがない。

 一層ナルホドのクライアントか
 元カノか、幼馴染か、一真の許嫁か、
 敵として雨降って地固めるかしたら
 うまく語られてはっきりすると思うが

 それに該当する序盤の一真事件では、
 ホームズがしゃしゃり出て
 話をややこしくしたから
 もうスサトの仲間必然性のための
 掘り下げ機会が完全に失われた

ホームズで気になるところ:
・ナルホドとの役割と微妙にぶつかっていて
 モヤモヤする

 逆裁は法廷推理劇なので、
 やることは探偵ものと本質的に同じ。

 なのに何故か
 オーバーテクノロジーと無制限コネが
 ファンタジー級の探偵が登場する。

 これだと完全に不都合だからか
 探偵キャラの推理能力が
 ポンコツにされた。
 (設定上遊びらしいが……
  何のための、何の?)

 役割が被っていて
 情報的にも状況的に先手を取られ、
 しかもことあるごとに
 足を引っ張られる体験になってて
 (とは言え共同推理のシステムはよい…)
 何故かいい話を急にしてきても
 強制的にずっと仲間として強制される感覚は
 窮屈であった。
 
 最後の最後に行動理念や人の良さが
 語られるエピソードが用意されているが、
 それより前にも必然性のある
 役に立つ分野が一つくらい
 あったらいいなって。

 見境のない飛び道具やコネというより
 一つだけリアリティある特化スキルだと
 もう少し納得感が上がりました
 例えば変装して潜入捜査に長けているから
 ナルホドーが行けないところにも
 ホームズの協力のもと潜入できる、など

(ホームズネタが多くて縛りがキツかったかもしれない……しかしホームズは英国舞台にとってそれほど高優先度なのだろうか)


5.リアリティとファンタジーのバランスが気になる

あの時代の
大英帝国の社会問題や技術レベルを
かなり入れてきた割には、

丁寧に積み上げてきた制限を台無しにする
全無視飛び道具を節目に使ってくるのが
気になります。

近未来ものでさえ
設定上の基盤が不十分だと
行き過ぎたオーバーテクノロジーが
プレイヤーを覚めさせる要因になるのに、

過去が舞台で制限を強調した上で
無制限のオーバーテクノロジーを
ドバドバ使われると

最初制限を受け止め制限の中で
頑張ろうと真剣に考えていた
プレイヤーの気持ちに水がさされてしまいます

レトロフューチャーとも
明言されていなければ、
技術力の理由も、受け入れられる理由も
何も十分ではなく、
それで裁判を逆転しても、
モヤモヤがあり過ぎてガックリでした……

人脈も同じで、女王と知り合うのに
一章くらい事件を用意しないで
「もうお茶してる仲です」は厳しい……
結局英国の司法を救ったのはコネである、
になってしまいます。


6.事件の真相に関する類型についての疲労感

形を変えて繰り返し描かれる
テーマであるものの、

なぜか「またこういうのか」と
疲労感が上回ってしまう真相パターンと
感じるものがありました。
主に下記3つ。

・身から出たサビの因果応報パターン
・被害者が復讐に取り憑かれて
 加害者になる悲劇の連鎖するパターン
・肝の逆転や分岐点が飛び道具パターン

最後のひとつはテーマではないのですが、
5で述べたように結構やる気を削がれます。

ひとつ目と二つ目は
もともとひねくれて複雑な動機になるので
多いとその分当初のインパクトが薄れ、既視感の強い印象に逆転します。

また、連鎖や因果が複数の事件を跨ぎ、
ゴールの大いなる謎も追っている中
章ごとの事件もなかなか根深くて
断ち切れず、場合によっては
解決済み事件の真相が
ひっくり返るもするから
気分転換がなかなかできない
息苦しさがありました。


とは言え

大詰めである2の4章〜5章で
話が一気に動き出して、二転三転する謎や
熱い展開はザッツ逆裁で最高でした。

いろいろとクリア虚脱感で
的外れ上等いろいろ吐き散らかしましたが、
逆裁シリーズは思い出のひとつです。

台叩きの「ペチッ」を考えた人天才。
マジ大好きです。

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