「ある日の想い出」④
「ある日の想い出」④
3時限目 数学
あああぁぁぁぁ!
宿題やってくるの忘れた.......
私はこの3時限目が終わるまで絶望と公開の闇のなかを彷徨わなければならなくなった。
3時限目なんだから学校着いてから誰かにノート見せてもらえばよかった......
私は学業については忘れっぽいところがあっていつも宿題やらレポートやらを忘れてしまう。
「こうなったら、今日は先生に当てられないように祈るしかない」
なんか自分が悲しく思えてくる。
でも、目線をさげてノートを一生懸命とってるフリをしなければっ。
「じゃぁ、宿題にもあったこの問題を誰かに黒板で解いてもらおうかな」
数学の狭山先生は10歳の子供がいるシングルマザー。
この学校の社会担当の山田先生と結婚してたんだけど5年で結婚生活に終止符を打ったらしい。 離婚理由はいろんな憶測があるけど未だに不明。
狭山先生も山田先生も今でも同じ学校で教師をしているから不思議。
毎日、顔をあわせても、相手が誰かと再婚しても顔色変える素振りもない。
結婚、離婚、ってなんだろう。
まだ私にはわからないな。
大人になるって難しいことが多いのかもしれない。
だって、私だったら好きだったひとがほかの人と結婚しちゃうって...絶対ツライ。
「ん~、今日は12日だから出席番号12番で戸崎さんに解いてもらおうかな」
ゲッ!!!!!!
ちょいちょいちょい......
なんで私?????
「戸崎さん、お願いね」
うわわわわ。
しゃーない......
椅子を動かす音が教室に響く。
溜息つきながら黒板に向かう。
宿題やってないけど問題みながら解くしかない!
結構、投げやりになる私w
だって、
宿題やってくるの忘れました!なんてみんなの前で言えないよぅ(汗)。
チョークを手に取り黒板に写された問題と睨めっこ。
んんん、宿題やってても皆答えを正解してるとは限らない!
コツ コツ スス― コツ
コンッ コンッ
黒板をチョークでなぞる音。
カタンッ
問題を解き終わってチョークを置く。
「終わりました」
「オッケー、席に戻っていいよ」
自分の席に戻る間ずっと心臓バクバク状態。
ドクッ ドクッ ドクッ
「順番に見ていきましょうね。 ここまではいいわね。」
ご丁寧に狭山先生ったら1行ずつ確認している。
やめてぇぇぇえぇっぇ恥ずかしい!w
やだぁ!
大沢くんのほうをチラッと見ると真剣に黒板みてるw
バカだと思われたくないよぅ!(恥