ひとり旅日記西安4日目と最終日:結果的に食い逃げと同じことをしてしまった。
2015年10/29西安4日目と最終日。
西安最終日はゆっくりとまだ歩いてない城壁内を歩くことにした。その前に朝食。豆腐脳の店に8時に着いたのに今日も「没有(無い)」と言われ、朝からプラン狂った(苦笑)。来た道を戻ると揚げパン屋が混んでた。初日に気になってたからそこに並んでみた。待ってる間に師夫(食べ物屋さんで調理する人をこう言うと記憶してる…)の一連の流れの仕事を見てた。生地を伸ばして調味料を塗って挽肉を薄っすらと乗せて、ネギだく。五香粉を撒いてる姿はまさに職人技でカッコ良かった。ネギだくのものにマズイものはない。生地をくるくる巻いて手を返して生地を丸めて、今度は手で上から押してお焼き状に成形。一度に作るのは15個。揚げる機械が15個用だから。揚げたて、できたてのアツアツを食べてみた。思ったより油っぽくなく、しかも味付けも良い。店頭で食べつつ師夫に話し掛けるチャンスを待った。知ってる中国語をかき集めて、なんとか「これ、初めて食べました。美味しいです!」と言ったら嬉しそうだった。「日本人なんです」とも伝えたら、更に嬉しそうだった。夫婦かね…若い2人でお店を切り盛りしてた。
宿に戻る途中で、饅頭屋の並びで豆腐脳を食べてる人が!あ!!と思い、店に飛び込み、辛くないようにしてもらった。豆腐脳…どうしてあなたはこんなにトロトロの柔らかさなんですか?汁はしょっぱ目だったが辛くなく、ペロリだった。
化粧して出直し。まず、明日の空港のシャトルバス乗り場チェック。地図見ながら歩いたが、けっこう歩いた。フロントの親切な兄ちゃんに助けてもらおう、タクシー拾うの。このシャトルバス乗り場は城壁の外。初めて出た。公園でダンスの練習してる人達がいた。城壁の外のスーパーはウォルマートと比べようもない程ローカルで品揃え豊富だった。セロリ買ってる人が多かったから、きっと特売なんだろう。火鍋用の具材は冷凍ケースで計り売りできる様になってた。内陸だから魚の種類は少ないが、冷凍サンマが売ってた。どう食べるのだろうか…
コーヒー飲みたくなってKFCへ。今日のエッグタルトは昨日の所よりもぬるくてガッカリ。しかも、コーヒーはカプチーノ頼んじゃってたし(苦笑)。それにしても、旅にコーヒー欠かせない自分に驚き。シャトルバスの時間確認できて良かった。
城壁内に戻り、回族のイスラム街へ。猫さんがいた。写真を撮りまくった。2匹目が人懐っこく、自分の立て膝に前脚をチョコンと乗っけてきた。土埃の足跡がズボンに2つ。肉球の跡クッキリ!可愛すぎてシビれた!!写真撮るのになかなか正面向いてくれないから、お店の人達も、「ホラ、こっち向いてあげなさい!」と手伝ってくれた。3匹目は珍しく繋がれてた猫ちゃん。活発過ぎて繋がれちゃったのかな?良く鳴く子だった。
イスラム街、ディープ過ぎて、異国過ぎて、初めてで、エキサイトした。中心部に進むに連れて賑やかになってく。上海でも見掛けた羊解体屋さんもあった。ここが西安、中国ってのを忘れてしまうほどどっかに別の国に紛れてしまったかの様。イスラム帽かぶったおじさんたちの語らいの場面が、背景の建物とものすごく良い絵になってたから写真撮った。
途中でまたエッグタルト1個。そしてヨーグルト屋さん。中国のヨーグルトは飲むタイプ。可愛らしいお店で、もちろんヨーグルトもおいしかった。またまた出た「ジェンハオチー!」食べ物屋が並んでる終わりに今日行くリストに入ってた小籠包屋があった。味はフツー。ってか、上海が本場なのかな?感動薄かった。鳥とエビのやつ。エビがプリッとしてないでエビと言えるのか?
小籠包屋を過ぎた辺りから土産物屋が増え出した。影絵人形劇用の素材の飾りが気になったから買った。10元。これは安いだろう。そして迷った兵馬俑のミニチュア。値切りに成功したと思いきや、別の店の方が更に安かった。残念。100円損した(笑)。これで土産はもう良いと思った。ってか、5月にタイで買った財布の原産国はもしやここだったのか?同じものが売ってた。
そして行き着いた初日の屋台街。名物っぽい羊の串焼きはトライしたかったが、味付けが濃そうだったし、唐辛子かかり過ぎだし、何よりオエッとなりそうだったから諦めた。それにしても今日は天気が良くて暖かだった。絶好の街歩き日和。
今まで旅した事がないイスラム圏。イスラム色のお店があったから、入ってみた。可愛らしいプレートがあっって、欲しかったから「いくら?」と聞いたら、思いっきり「NO!」と断られて面食らった。「え?なんで??」と聞いたら、アラビア語?でアッラーと入ってたらイスラム教徒でない者は、そのプレートを買うことは許されないとのこと。「カワイイのにダメですか?」と言ったら、「そういう問題でない」と。嗚呼!イスラム教さん、異教徒・無宗教者にキビシイデスネ…その根本が争いの元でないのでしょうか…?「はい。おっしゃることはよくわかりました。で、このプレートは結局なんなの?」と聞くと、家の入り口に飾るお守りみたいなものらしい。宗教関係なく、自分だってそのお守り欲しいよ…
西安に行く前にここは行きたい!と思った城壁の上を歩くのに、入口の南門まで歩いた。またまた古い情報で、あれから14元値上がってた。落ち着いて考えようと近くの美術品のお店でwifi繋がって、城壁の上を調べたら、やっぱり金額で取り止めたら後悔しそうだった。たとえ夕飯に元がなくなろうとも上ろうと思った。この時点で手持ちは80元ほど。上に上がるのに54元支払ったらいよいよ財布キツイね…
決心固めて、支払って上った。やっぱ上らないと見えないものがあるね…城壁の周りにはお堀もあったとは!お堀側の城壁の方が高く作られてる。自転車で一周!と意気込んでたのが、今じゃ自転車借りる持ち金なく(泣)。どうして、楊貴妃も兵馬俑も城壁もクレジットカード使えないかね…観光地の入場料だけでもカード払いOKニシテクダサイ!
ベンチに座りながら、昨日の分の日記を書いた。風もなく、本当に良い日だった。日記を書き終えた17:30頃、段々と冷えてきたからそろそろ退散。できないチャリで城壁一周に後髪引かれながら…
別の門から城壁の外に出た。映画のセットみたいな、オールドチャイナの空気が漂ってた。イスラム街の賑やかさとは違う、アートな感じだった。美術大学みたいな学校があり、工房や筆の屋台が並んでた。ここを進むと昨日の火鍋屋の繁華街に繋がる。
昨日見つけられなかった火鍋屋は、ガイドブックをよく読むと2階とあり、探してみたがやはり見つからず。目が合った女の子に聞いたら、「向かいのビルじゃない?」と教えてくれたがやっぱり見つからず。戻って、その女の子に「どうだった?」と聞かれて、「なかった」と伝えたら、電話をかけて確認してくれた。載ってた電話番号は使われてないことがわかって諦めもついた。その彼女に「火鍋なら私のとこでも食べられるよ!」と言われ、まずクレジットカードが使えるか試してもらい、「使える」と言われた。
そんなら、最後の晩餐と行きまっせ!とオーダーシートに知ってる中国語の具材に印をつけ、食べたいけど名前が分からないのはボディーランゲージと筆談で。オススメを指さしてくれたが、よく分からないでいると現物持ってきてくれたり。野菜のオーダーが多かったらしく、「大丈夫か?」と聞かれて、「大丈夫!」って答えたら、それは間違いだった(苦笑)。ひとりにしては多過ぎなキクラゲとしいたけと昆布…豆腐と思って注文したら好きでないすり身…辛いたれは咳込んだ。明日も尻から火を吹くこと確定。レタス、白菜は白湯の方が美味しかった。香菜は加熱するとマズイかも…ニラもイマイチ。羊は脂が…イカは美味しかった。
キノコ類、すり身、昆布は残してしまった。対不起。カードを出し、ピンナンバーを入力するもなぜかエラー。他のカードもNG。カード使えるって言ったよね…と思いつつ、どうしようと本気で困った。エーゴは通じないし。「このカードで旅して来て使えなかったことない」と言ったら、「カード会社に電話しろ」って言われたが、「電話ないし」「じゃあ、オレのケータイ使え」と言ってくれたけど、かからない。手持ちは20元しかないと伝え、宿はここと地図で示したら、「う~ん。どうしたもんかね…」と。明日朝8時のヒコーキと伝えると、みんな(自分+スタッフ4人)は唸るしかなかった。
しばしの沈黙を破って、自分をお店に連れてきてくれた彼女がスマホで翻訳入力したのを見せてくれた。そこには「私がおごるのじゃ」という日本語。え?そりゃないよ!と思った。まさか。スタッフ同士が相談しだし、「自分は食べる前にカード使えるか聞きましたよね…?」と弱々しく言ったら、「そうだ」と。そして、彼らの出した答えは「支払わなくて良い」だった。「ジェンダマ(本当ですか)?」と聞いたらみんなが頷いたから、泣いた。あまりに親切で、本当に申し訳なくて。彼女がスマホで、「今度友達とまた来てね」と翻訳したのを見せてくれた。その為に写真を撮って良いか聞いて、スタッフ達と一緒に写真を撮った。あまりに信じられない結末と、食べ切れずに残してしまったのと、お金ないって気まずいのと、なんとも言えない後味となってしまった。
それにしても、彼らに日本人って言ってるのに、何回も韓国人と間違われたのはどうしてかな…
宿へ戻る道でも、何度も涙で目が潤んだ。中国で嫌な思いしたことない。今日も。
最後の夜をゆっくり歩いて帰った。途中、ハーゲンダッツのお店があった。ここでクレジットカード使えるか試したら一発OKだった。何が問題だったか?恐らく彼らの店がクレジットカード契約してなかったのではないかと思われる。日本のハーゲンダッツは撤退したから、今回は抹茶ラテを頼んだ。抹茶アイスをベースに作るなんてリッチ。
宿に22時に着いた。帰りの支度。そして、火鍋屋のスタッフに141元分のお返しするのに、デジカメチェック。店の名前わかった。住所もガイドブックに載ってる。でも郵便番号が…フロントに駆け込んだ。ソニー好きの彼がいた。彼に訳を話し、郵便番号と住所を簡体で書き直してもらった。寝る時彼らになんと手紙を書こうか、何をお返しのプレゼントにしようか…とあれこれ考えてたら、浅い眠りのまま10/30帰国の朝を迎えた。4:15に起き、5時前にチェックアウト。フロントの彼にタクシーを拾ってもらい、「ここの宿にして、エーゴでやり取りできて良かった。謝謝」と別れのコトバと礼を述べた。
白タクでないタクシーだと11元だったんだ…次回から気を付けよう。シャトルバスに運良く乗れた(満席)。車中、昨日の彼らや楊貴妃の温泉のおばさん、自分の低レベルな中国語で話した人々の顔や親切心を思い出して涙が出た。優しい人たちと出会えて本当に良かった。3万円(お小遣い別)という金額で買った経験と体験だった。もっと中国語が話せたら!と今回ほど強く思ったことはない。おじいちゃんやひいじいさんが話せた中国語。自分も話せるようになりたい。次回はもう一度大連に行きたい。おじいちゃんおばあちゃんがいた大連をただ歩いて感じてみたい。
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