【殿堂ゼロ】黒単XENARCH日記
アドバンス環境をぶっ壊したと噂の黒単ゼナーク。アドバンスを破壊できるということは殿堂ゼロも破壊(?)できると赤青マジックが教えてくれたのでとりあえず組んで回してみようとのことで渋々組むことを決意。組んだけどあまりに弱くて回す気になれなかった零龍ギャスカの供養という側面が強いことはもう忘れた置いてきた。
リストや回し方の解説はその辺に落ちているアドバンスの卍有料記事卍を読んでいただいて、枚数が変な下2列だけ少し解説。最終調整版ではなくVer1.1くらいなので、強いXENARCHについては殿堂ゼロ王であるブライトンさんの構築に期待していただきたい。
■採用カード
①DARK MATERIAL COMPLEX×3枚
勝手にタップインしてくれる壺。1ターン目に置けると5万円くらいの価値だが、後引きするとインテリアになるオシャレな壺。基本的にこの壺に意思が宿るのはゼナーク(というデッキ)が正常に機能し、詰める段階になった場合で必ず必要というわけではないので他のカードに枠を譲っている状態になっている。本当は2枚目3枚目を引きたくない上に1枚目すら初動になりえないパターンが多いので他によい1コスト生物や構築次第でお払い箱になってしまう可能性もある。
②ベル=ゲルエール×3枚
器用に動ける生物。アビスラッシュというテキストで1番強いのが彼という理由で採用されている。アドなら4でもいいだろうが他のカードに枠を譲っているという点で1枚減量。どう使われるかは周知のものとして割愛。
③暗黒鎧ザロスト×3枚
殿堂ゼロらしいカードその1。アドの構築では抜けている方が多いが正常に機能することを加味すればやはりスーパーカード。開始時に盤面+1、墓地の儀達成はやはり強力。このデッキは構造上、墓地は枚数より質が求められる。このカードが落ちることによって事実上の墓地と盾のルーティング行えることになる上に生物カウントや墓地の儀に寄与するので最優先で落としていいカード。またXENARCH着地後に自動的に墓地から出てくることができるため、着地はしたが墓地リソースが虚無という点を解消するための一助にもなっている。
④ビックリーノ×3枚
4枚採用をカードを1枚削っているカードの1枚。手から出てこない生き物なのが致命的な上に手札から撃たれるヘブンズフォースやフェアリーライフなどにも反応して溶けてしまうので場持ちも悪いため枠を譲ることになってしまった。
⑤暗黒鎧ダースシスK
殿堂ゼロらしいカードその2。手札を捨てるためだけに追加されたカード。このデッキの手札を捨てる手段としてザンバリーギャスカが4枚計8枚で運用するのが都合がよさそうだが速度を出すために追加のディスカード手段として選ばれた。自身の盤面を触ってしまうのが不都合だがザロストやコンプレックスなどの触媒としてデメリットに少しでも目を背けていきたい。他によいカードがあれば抜いてもよいカード。
⑥怨念怪人ギャスカ×4
殿堂ゼロらしいカードその3。構築段階では2枚程度の採用であったがすぐに有用だと感じ4枚になったウルトラカード。2ターン目に全てを投げ捨てて3tXENARCHを実現するカード。ギミックの都合上、手札にいるより墓地にいた時の方が機能するカードの方が多い。そのためザンバリーだけではハンドのXENARCH+αを処理できない不良債権として抱えてしまうのを避けるため手札に引き込みたかったため枚数が増えていった。
【コラム】零龍ギャスカとはどう違うの?
この記事の最初に零龍ギャスカの供養と書いたが、事前情報が何もない状態で「どうやら最速2ターンで零龍が動き出すデッキがあるらしい」ということだけ耳にし、それなら殿堂ゼロでも戦えるだろうというノリと勢いでデッキを組み始めた。しかしいざ調べてみるとデッキパーツで共通している部分はほとんどなくそもそも目指すゴールが違うことが分かった。
零龍ギャスカのゴールは早期ターンでの零龍卍誕あり、その条件達成のために高速で墓地を溜めることをギャスカが可能にしたというデッキである。なのでデッキには各種儀のためのカードが多く含まれている。しかし今回登場したXENARCHは、自身の着地により相手を妨害しコントロールしきって殴り倒すデッキである。そのためデッキ構築も生物をタップするカードがどうしても多く含まれてしまう。また零龍卍誕のための破壊の儀もXENARCHが達成条件になるためドレッドブラッドやステニャンコのようなカードを省くことができている。
零龍ギャスカがコンボチックな高速アグロと位置付けるなら、黒単XENARCHは墓地を使うコンボ寄りのコントロールデッキになるだろう。
■殿堂ゼロでの立ち位置
現代のアドバンスのデザイナーズデッキは非常に高いパワーを持っており年々高速化する環境に合わせてメタクリも非常に軽量化されている。そのため殿堂ゼロ環境に放り込んでも十分戦えることは赤青マジックやアナカラージャオウガが証明したように感じる。そのため現環境でもてはやされ一躍時の人となったデッキである黒単XENARCHも殿堂ゼロで戦える潜在能力があると何も疑わずに無邪気に回していた。また環境の優等生である赤青マジックにブロッカーの差で戦うことができ、ガイアッシュバスターにも早期ハンデスの速度差でゲームになると見込んでの構築だった。
結論を言うと黒単XENARCHは現段階ではトップTierにはなりえないように感じる。
もちろんより良い構築やもっとよいプレイヤーが回すと違う見解になるのは当然だと思う。4時間程度しか構築の試行錯誤とプレイをしていないため早計だが期待以上のポテンシャルは殿堂ゼロでは発揮できないアドバンスデッキのように感じた。
殿堂ゼロデッキとして厳しいものがある理由はいくつかある。
①トップTierであるダーツデリートに対して何も対策を講じていないこと。
②明確に有利がつくデッキがTier下位にしかいないこと。
③そもそも足切りラインに到達していないこと。
この3つがわかりやすく黒単XENARCHの弱点のように感じる。
①は特に何も語ることはない。禁断を搭載できずギラングレイルを受けられるほどの防御手段を擁していないためである。
②は定義は難しい。しかしガイバスや赤青マジックに明確に有利が付かず、同じゲームレンジ殿堂ゼロ特有の3キルコンボに対してもメタクリを展開できない。メタビートに対しても緑や白の墓地対策クリーチャーが的確に刺さってしまい後ろに間延びしたゲームを取りきることができないなどと大きな弱点が多い。コントロールという点では完全にダッカルパラノーマルに遅れを取っている。もちろん赤単ブランドや赤緑アポロなどブロッカー主軸に戦うデッキや、遅いコントロールであるジョバンニランデスなどには有利につくがそこに勝てるだけでは殿堂ゼロデッキとしてはなかなか立ち位置が厳しい。
③についてもわかりやすいだろう。コンボデッキでメタクリも展開できず、除去もほとんど持ち合わせていない、3ターン目にできることがリソースを吐き出してハンデスというゲームに勝てない到達点ではこのデッキを進んで握る選択肢にはなりえない。
【結びに】
かなりネガキャンになってしまったが殿堂ゼロデッキとして握れないわけではない。暗黒鎧ザロストや怨念怪人ギャスカなどの殿堂入りクリーチャーを複数採用できるため非常にパワフルかつパズルのような難解なデッキとして楽しむことができる。最速2ターンでXENARCHが着地しハンデスを繰り出せばほとんどのデッキは対抗する術を持っていない。勝つことを至上命題した際に使う理由がないということはあまりに分かりやすいデッキであった。
今更書くことでもないが現代殿堂ゼロの相性関係として、コンボ→盤面コントロール→メタビート→コンボ…という三竦みの関係になっており、その中心核としてダーツデリートが鎮座しているというメタゲームになっている。この相関図の中に入れていない異質なデッキとして明確なパワーを持ち確固たる地位を獲得できればメタゲームに大きく食い込んでくる可能性もあるため今後の研究に期待したい。