自分にとって迫真デュエマ部は青春だった
2018年4月14日、ひとつの動画投稿を持って、自分はインターネットに生を受けた。そのジャンルは「迫真デュエマ部」。
迫真デュエマ部の投稿者として、自分はインターネットに産まれた。投稿直後は緊張でリアルで足がすくんで歩けなくなり、床を這って移動したのを覚えている。その姿は、本当に生まれたての動物みたいだっただろう。
投稿当時は盛況なコンテンツであり、拙い編集の初投稿動画もすぐに2000再生行くほどだった。
動画が他者に刺激を与え、新しい動画と投稿者を産む、正のサイクルが回っていた。そのサイクルの中で産まれたひとつが自分だ(ちなみに当時の名前は7Bではなく“8a”だった。由来は語るまい)。
同時に開設したツイッターアカウントでは他の投稿者の“兄貴”たちと繋がる事ができた。ただ眺めるだけだった輪の中に仲間入りできたのはとても嬉しかった。
そこでの活動は、人生の中でもトップクラスに楽しかった。編集方法の共有、aviutlの使い方、架空デュエマはレイヤーをめちゃくちゃ使う話、TNOK3キルシリーズがいかに初心者向けなのか……etc.
なんでも楽しかった。
ただ、楽しい思い出だけではなかった。ピリついた関係を取り持ったこと。FFが別のFFをミュートしていたのが露見したこと、自己嫌悪で忙しい兄貴を頑張って励ましたこと、2ch荒らしの名前をツイッターで騙っていたら本人に凸られて冷や汗をかいたこと(それはお前が悪いだろ)。
それを含めて、あの瞬間は忘れられない大切な思い出。
それは紛れもなく“青春”だった。
「陰キャが淫夢で青春ごっこしてて草」
「それ陽キャは学生時代にやってるよ」
「素材にされたホモビ男優や素人声優の気持ち考えたことあんの?」
そういう誹りも甘んじて受けよう。自分も立場が変われば、同じことを言ってるだろう。言わないのが一番だがそれが意外と、中々難しい。
しかし、自分にとってはやはり大事なものである。あれだけ力を注ぎ楽しんでいたものを自分自身で否定してしまったら、いったい何のために生きているのか分からない。
今はもう動画を投稿していない。他のみんなもそれぞれ別の道を歩んでいる。
投稿を続けている者。やめた者。陰湿オタクをやっている者。ノンケ向けに転向し成功している者。消息不明な者。
今はみんなバラバラ。でも、あの時は確かに同じ“部”だった。きっとそれでいい。
こう書くと、なんだか本当に青春っぽいね。