二人ゆったり 浸り合ったり
1番好きな言葉をあげろと言われたら迷います。そんな質問にビシッと答えられる人は軸があるようで素敵だなと思いますが。
そんな僕ですが、「浸る」という言葉は好きな言葉の1つです。それも結構上位にくる言葉。
「浸かる(つかる)」ではなく「浸る(ひたる)」です。
お風呂に浸かる、とはいいますが、お風呂に浸るとは言いません。
思い出に浸る、とはいいますが、思い出に浸かるとは言いません。
「浸る」が持つ、じんわりと染み入る感じ。馴染む感じ。無理なく、ほどよく、全身で、そんな心地よさが「浸る」の魅力です。
音楽を聴きたい、というより、音楽に浸りたい。
読書に没頭したい、というより、読書に浸りたい。
優しさに触れたい、というより、優しさに浸りたい。
書き出してみても、はやり「浸る」は魅力的です。
ただ、どうも「浸る」は一方通行な言葉に思えます。
音楽に浸っている時、音楽は僕に染み渡りますが、音楽に僕は向かいません。一方通行です。読書にしても優しさにしても、浸りの流れは一方向に思えます。
つまり、双方向の「浸り合う」という言葉は成立しないと感じられます。
こんなに素敵な言葉なのに浸り合えないのはなんとも寂しい。
同じ空間で同じ音楽を聴いていても、それは浸り合ってるとは言えません。それは二人共が浸っているだけ。浸り合っていることにはなりません。
しかし、もしかすると、
「抱き合う」という行為においては、、、。
抱き合っている時、その時二人は「浸り合える」気がします。
ゆっくりと抱き合っている時間が流れている。そこでは唯一「浸り合う」が成立しそうです。
もちろん抱き合ったからと浸り合えるわけではありませんが。
「抱き合う」が身体的な描写なら、「浸り合う」は精神的な描写かも。
抱き合う。浸り合う。
「浸る」はやはり魅力的です。
☆PEACE☆
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