卒業剥奪ドリーム
私の夢にはいくつかのシリーズがある。
登場回数が一番多いのが、大学卒業剥奪編だ。
これは私がアメリカに住み始めた頃に起きた事が元になっている。当時26歳位。
実家の母から、大学から手紙が来たとの連絡が来た。読んで貰ったのだが、大学に来て欲しいとのこと。当時の私は子どもが生まれたばかりで、お金も余裕がないし行けるはずが無い。放っておこうと決めた。
同じ研究室で仲が良かった友人と手紙のやり取りはしていたが、このことについて全く触れられていなかった。
このエピソードが、本当にあったのか、夢の中の話なのか分からないでいる。あまりにリアルで母に「いいよ、そのままで」って答えた自分を覚えている。(ように思ってる)
そのままリアルな時間が何年も過ぎた頃にまた夢を見た。
私が4年の時に卒業研究、研究発表をしたのだが、私がいた研究室では卒業の必要条項を満たしていなかったそうだ。つまり卒業できていないということ。
それについて説明があるから学校に来るようにという連絡が、あの時の手紙だったという。
同じ研究室のうち私を除いた9名は仕事をしながら都合をつけて学校に顔を出して必要な単位をきちんと取ったそうだ。学校は非常に不便なところに存在しているのだが、地方に行った人も多忙な人も仕事を終えた後に通ったという。
誰も私には連絡してくれなかったというのもショックだった。
私がまだ日本にいて仕事していた時にも連絡があったとも聞いた。
勤務先から学校まで3時間、そこから家に戻るには2時間半かかる。
私には無理で行けないと思っていた。
私が勤務していた時にそれについて知っていたとは思えないので、やはりその頃に連絡があったというところは夢かもしれない。
何度も見た夢では、その連絡の内容を知ったのが生まれた子供が10歳位になっていた。大学に説明を聞きに行くと当時の学部長がまだ健在で、卒業できる条件を出してくれた。それはかつていた研究室(室長だった先生は卒業した3年後に亡くなっている)の後に入った先生のもとで、また卒業研究をしないといけないと言われる。
どうやって通うのか、仕事も辞めているし定期代はどうしたらいいのか。日本に戻らないといけないのか?子供を置いて?
しかし卒業できてないのはあまりに勿体無いではないか。高い学費を出してもらったのに。両親に申し訳ない。なんて説明したらいいのか。
というのが夢の基本部分だ。
夫はそんな手紙が来たことは無いと言う。
私は本当にわからないのだ。全てが夢で作られたものなのかどうか。
母が生きているうちに聞いてないところをみると、夢だとわかっているような気もするし、そのまま知らないで欲しいから、とも思えてくる。
何度も何度も繰り返しこの夢を見て、大学に通うエピソードもある。
電車が滅茶苦茶になってて乗り換えられなくなっていたり、電車が途中で無くなるので歩いたり、学校の周りが変わってしまって駅から学校に行く時にアスレチックのような道を通って行かないといけなかったり、研究室に行くが誰ともうまくいけなくて浮きまくり先生ともダメとか、頭がバカすぎて全くついていけないとか、キャンパスの中が変わりすぎていて辿り着けないとか、駅のホームに辿り着けないとか、家で行く支度しようとしているうちに時間が経ってしまい夕方になるとか、研究室で以前のゼミ仲間が生き生きと研究している姿を見て落ち込むとか、とにかく私がうまく行かないストーリーとなっている。いろんなパターンがとにかくありすぎる。
数年前に初めて研究室で1年下だった友人に話した。
卒業取り消しの話を聞いた事があるかと聞いた。答えは「無い」とのこと。
こうやってリアルに確認したことで、夢のループから出られるのでは無いかと期待したのだ。しかしそのシリーズは現在まで続いている。
卒業してから時間がすごく経ってしまったので、大学内にそれについて知っている人が少なくなっている。
昨夜見た夢では、私が学校に卒業のための説明を受けに行ったら、それについて知っていた人は亡くなり、また人が変わっていて、代わりの人に「アンラッキーですね」としみじみと言われてしまった。これからどうしようか。
10年程前に神経科に通っていた事がある。先生にはうまく伝えられず、今一つ分かってもらえなかった。自分でもリアルかどうかわからないのだから。
実家から大学まで2時間半そのうち徒歩は1時間強、往復5時間かけて通っていた。4年間非常に辛かった経験がトラウマになってると自分では思っている。
毎日2時間以上坂道を登ったり降りたりと大変だった。
ちなみにバスはあるのだが本数が少なく、電車との連絡が悪いともっと時間がかかることもあり、歩くのは確実に早くて安い方法だった。
また、自分の頭がバカすぎて今さら学校に行っても何もわからない、という恐れも心配の一つとなっている。研究発表の時の暗記などできるはずがない。
タイトルにあるように還暦過ぎている上に、これから求職活動するわけでもない。今更卒業したかどうか関係ない(かもしれない)。
どこから夢か現実か、この年になっても夢に翻弄され続けている。