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シャッター街にそれでも人は居るわけで

人が集まって、町になって、沢山の店が生まれたり売買が発生したりして、経済になっていってという流れで町は拡大していくのだと思います。

ここに、地元の大企業というのが入ってきます。

地元の大企業が元気なときは、町も元気。
地元の大企業で働く人の為に、町や地域も応援してあげるし、地元の大企業もそうしていく。

そういう相互関係みたいなものが、昔は、かなりあったような気がしています。
けれど、ある時期から、『地元』は切り捨てられていったような感じがしています。

そうやって、一度発展した町は、次第に、人が少なくなって、店舗は次々とシャッターを下ろしてしまいます。

わたしの地元は、こういう、シャッター街があちこちで見られます。

子供の頃、わたしが想像する『町』は、隣町だったり、二駅離れた町だったり、たくさん、買い物をする場所がありました。
駅前には居酒屋や書店、小物屋や喫茶店が並んで、常に人の気配がある、そういう『町』です。

わたしの住んでいた場所を起点にして、三駅先でも五駅先でも、かならずそういう『町』がありました。

けれど今、『町』と言ったら、県庁所在地と、その他の中核都市だけ。

かつての『町』は店舗が閉ざされているか、ヘンにオシャレな店があるか、とっくの昔に潰されてマンションが建っているか。

こういう光景は、日本中どこでもあるのだろうなと思っていました。

いま、妙に動画を再生していただいている、拙作『桜町商店街青年部ただいま恋愛中!』という作品は、こういうシャッター街になっている商店街を舞台にした物語です。

なんとか、活気を取り戻したいという青年部のメンバーたちが主人公になっています。

桜町という名前からしても、どこにでもありそうだし、どこにでもはなさそうな名前の町になっています。

一応、関東地方のどこかというイメージで書いていますが、どこでもない、日本中どこにでもありそうなシャッター街の町を舞台にしているというイメージですね。

桜町は、元々、地元の大企業が戦後特需で会社を大きくして、その課程で町が形成されていったという、歴史が浅い町になっています。
そして地元の大企業の事業規模がシュリンクしたことによって、商店街も縮小していった……というバックグラウンドを持っています。

大企業というのは、地域の経済圏にとっては暴力的な力を持っているな、と最近は感じます。

話はそれますが、大規模なショッピングセンターが出来ることによって、商店街からは人が去ります。ショッピングセンターで、雇用も生まれます。
けれど、ショッピングセンターは、それほど長い間、必ずしもそこに居てくれるわけではありません。

人が少なくなれば、そのまま撤退していきます。

商店街という地元の店を失わせたあげく、そこで養分を吸い取れるだけ吸い取って、満足したら去って行くようにも見えるやり方だなとは、最近思っています。

大規模な書店が出店出来るようになって、郊外型の大規模な書店が増えました。それと同時に、町の書店は減っていったと思います。
詳しいデータは忘れましたが、『町の本屋さん』の減少は電子書籍の普及より、大規模書店の出店開始がトリガーだったと、わたしは感じています。

そして、大規模な書店も、営業形態を次々と変え、本自体の売り場面積はどんどん縮小されていると思います。勿論、撤退もあります。

さて、話を戻しますが。
シャッター街であっても、ほそぼそと商売を続けている人はいる。
そこに、新しい人が入ることで、なにか、好反応が起きるかも知れないし、そうではないかも知れない。

地道に、頑張っていく人たちの物語が、『桜町商店街青年部ただいま恋愛中!』という作品の主人公たちです。

本作は、商店街の再生がメインではなく、あくまでもBL作品ですので、こういう背景部分は、ほぼフレイバーな訳ですが、色々と考えることがあって、あのキャラクターたちが、あの町で生きているのです。

よろしかったら、ご覧頂けたら幸いです。
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