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「何者」かになりたいという前に考えて(感じて)おくこと
「自分は何者かになりたい」というポストをお見かけ致しまして。
よく言われます。
解ります。
ようは「その他大勢」ではないということですね。
ただ、これって、ちょっとおかしな話で、この「何者」の定義にもよりますが、何を目指すかちゃんと解ってないと、一生「何者」に捕らわれちゃうと思いました。
たとえば「何者」の定義をわかりやすく「世界中の誰もが知っている私」にすると。
これは絶対に不可能です。これだけは断言出来ます。
いま、この瞬間、世界のどこかで産声を上げている赤ちゃんは、絶対に「私」にたどり着きません。
結局の所、この「何者」というのは、ある程度クローズしたコミュニティの中で一定の評価を得るということだと思うんですね。
しかも、その評価のされ方と賞賛のされ方が、自分の深層心理で思っている事とかけ離れていると、一生満足感が得られないというヤツです。
わかりやすいのは、「バンド」です。
モテたいからバンドを始めました。
一生懸命練習して、上手になって、「プロ」を目指してしまいます。ついうっかり。
そして、プロになって、うっかり5億再生されたとします。
「楽曲が優れていて・・」
「声に毎日癒される」
「こんな曲を作ることが出来るなんて神・・」
という賞賛を得て、世界中の賞を総ナメにしたとします。
しかし、ここで一つ問題が。
何故かモテない。
そうすると、始めた時の、純粋な欲求がそのまま残っている場合……つまり、モテたいが大きい場合、世界を席巻しても満たされないのです。
そしてこの状態でも「自分のことを世界中誰もが知っているわけではない・・」という状態に陥ります。
たやすく病みます。
なのでですね。
「何者」になる前に、自分の本当の望みを一旦、感じておいた方が良いです。
バンドはからっきしダメだったけど、なんか、凄いモテたし、最高の彼女と付き合えるようになったから、俺の人生満足だぜ!
で幸せならそれで良いんです。
「何者かになりたい」という願望の前に、望みを、しっかりと感じておけば病まずに済むと思います。
バンドの場合で、最初に「モテたい」ではなく「あの世界一売れてるバンドみたいに売れたい」の場合は、もう少し感じておく必要があります。
それは「売れて何がしたいの?」です。
札束のプールで泳いでみたら楽しそう。
10万人の前で歌ってみたい。
YouTubeの金盾欲しい。
世界の音楽フェスに出て自分の音楽で盛り上げたい。
映画の主題歌を担当したい。
世界の歌姫とデュエットしたい。
なんでも良いんです。
ただ、「売れた先」のこと。その先の望みの「先」のことを感じておけばいいと思います。
で、その作業って、何かというと。
「何者」になる作業じゃなくて、「私」になる作業なんですわ。
主体は全部「私」
で、こういうのは、ノートに書いておくと良いです。正直な気持ちを全部。で、いろいろ、見るに堪えない恥ずかしいこととか出てくると思いますけど、それも、一旦、全肯定してあげてください。
ノートにジャーナリングするときでさえ、なんだか他人の目を気にしてしまうのは勿体ないですし、ついでに言うと、自意識過剰です。
ここで「自意識過剰」ということばに、イヤな感じを抱いた方。
間違いなく、「自意識過剰」です。
一旦、認めてみてください。
「自意識過剰」は、「私って凄い♥」じゃなくて、「他人軸で動きすぎてる」という認識でいれば、そこから自分軸に思考をズラしていけば良いだけです。