ハイパーハードボイルドグルメリポートを知ってしまった
産休前からNetflixで話題の韓国ドラマを一気見する時間にしようと息巻いていたが、梨泰院クラスを3日で見終わったら韓国ドラマ熱はすっと冷めてしまった。
そこでハマったのは韓国ドラマの代わりに「ハイパーハードボイルドグルメリポート」。基本はNetflixで見らていたが、Paraviでしか見られないコンテンツもあったためNetflix、Spotify分を全て視聴した後気がつくとParaviの入会までしてしまった。。
簡単に番組の説明をすると、2017年から放映していたテレビ東京の深夜番組で、「ヤバい人たちのヤバい飯を通して、ヤバい世界のリアルを見る」というテーマのもと、世界の危険地帯を食という切り口からさまざまな人を取材したドキュメンタリー番組だ。
記憶が新しいうちに、最後にみた「アメリカ人種対立飯」を見て思ったこと。感じたことを書かせてもらう。
何が正義なのか?
誰にとっての正義なのか?
全ての人にとっての共通の正義とは存在するのか?
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KKKの組織の最新情報についてはググってもほとんど情報が出てこない。少なくとも日本語では。
私の拙い知識では、「白人至上主義組織」として特に黒人を差別し、白い三角帽で顔を覆う秘密結社、偏っていて現代的ではない「危険思想」の集団というイメージだった。
しかしKKKメンバーの幹部に話を聞くと、KKKに入った理由は思いの外真っ当。
「麻薬反対」に共鳴してKKKに入った。
高校時代の友人が麻薬に溺れ、人生がめちゃくちゃになっていくのを見てドラッグに反対している。そしてKKKの思想はドラッグ、暴力に反対するその幹部の考えと一致したから組織に入ったというのだ。
しかし、黒人を自由にすると犯罪率が上がるという理論は本当に正しいのだろうか?ドラッグの蔓延は黒人のせいなのだろうか?
メディアでは黒人を大事にしろ、と言って黒人が過去に起こした犯罪を伝えない。白人を大事にしろという主張はない。という。
一体どこまでが真実かはわからないが、それぞれが抱く思想を聞かずに危険思想と決めつけていた自分の無知さに気付かされた。もしも自分の周りで同じようにドラッグや暴力で傷ついた人がいたとしたら・・・傷つけた相手を恨んでしまうかもしれない。
もちろんだからと言って黒人への差別が正当化されるものではない。人権はみな肌の色に関わらず平等にあるべきなのだ。
次にKKKと敵対する新黒豹党(ニューブラックパンサー)の話。
興味深いのは、先ほどKKKでドラッグ反対を唱えていたのに対し、黒豹党員のルールでもドラッグは禁止されている。
警官によって殺される黒人の割合は白人の2倍以上というデータがあり、今回は黒豹党メンバーと殺された黒人遺族の警察へのデモの様子をレポートしていた。
黒豹党幹部は言う。ヨーロッパ人はもともとアメリカの土地にはいなかった。この場所は侵略され、黒人が奴隷化された。つまり白人は全員敵だと。
アメリカでは銃犯罪のイメージがあるが、白人の方が銃を持っている割合が多いし、乱射事件は大体白人が起こしていると。
実際に黒人妊婦が警官に5発も銃撃で撃たれてなくなったり、黒人2人が職務質問中に警察官に射殺(麻薬所持の疑いでの職質だったが、所持品から麻薬は見つからなかった)されるという痛ましい事件がアメリカ各地で起きているという。
BLM(Black Lives Matter)の活動もこれがきっかけでムーヴになった。
罪のない人間が闇雲に殺されてしまうのは肌の色に関係なく本当に痛ましい。
そしてディレクターがブラックパンサーの幹部が組織に入った理由を問うと、祖母が歩いていたら突然白人に殺された、と話すが、もし人生をやり直せるなら?という質問に対してはコメディアンになりたいと。笑うことは大事だから。
痛ましい、悲しい、目を瞑りたくなる、耳を塞ぎたくなるような事件が今も世界中で起きている。
どうしたら世界で本当の平和を手に入れられるのか?
本当に色々と考えさせられる良質な番組、ドキュメンタリーだと思う。
あくまでグルメ番組というが、私のこの感想の中でグルメの話に全く言及できていない点は申し訳なく思う。
このほか、リベリアの元少年兵やシベリアのカルト教団、ヨーロッパを目指す中東の難民やフィリピンのゴミ焼場で働く少年等々・・・さらにSpotifyで聞ける右翼と左翼の話も含め、編集側の思想を極力反映させずに切り取られたコンテンツは考えるきっかけとなりテレビ東京の取材力に感服です。
次回作も楽しみにしています。
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