【みんな違ってみんな良い】”させていただく”は違和感の塊!?
こんにちは!
住谷知厚です。
「お名前を確認させていただきます。」よくお店などで聞かれる言葉ですね。
日々のビジネス会話やメールでも使いがちなこの言葉だと思います。
「させていただく」は『させて』で許可をもらい、「いただく」で恩恵を受けることを示す言葉が続くため、本来であれば、許可や恩恵を受ける相手が必要な言葉だそうです。
さてこの場合はどうでしょうか?
上記のように現在では”許可を得る他者がいなくても”使われるようになっていますよね。
『「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ』の著者である”椎名美智”さんによると、このような「させていただく」の使い方に違和感を覚える人が多いといいます。
「させていただく」の由来
「させていただく」というフレーズが増え始めたのは1990年代の頃だといいます。
それ以前は「~いたす」「お~する」といった言葉が使われていましたが、時代が進むごとに敬意漸減が起こり、使われる言葉が変わっていったそうです。
敬意漸減については詳しい解説は参考記事をご覧いただきたいのですが、簡単に言うと、昔使っていた敬語が時代とともに敬語としての表現にそぐわなくなったものです。
これには、江戸時代からの身分制度の廃止や戦後の匿名性が高まったことによる身分社会の水平化が起因しているそうです。
つまり、身分の違いがなくなったかこそ、自分が”ちゃんとした人間”であることを示すために使われるようになった表現方法だそうです。
「させていただく」という言葉について
この「させていただく」と言う表現方法は実際に使ってみると、『近づきすぎず、遠ざかりすぎない距離感』でコミュニケーションがとれ、どんな動詞にも付けられる万能な言葉であることが分かります。
だからこそ、身分社会の水平化が進んだ現代社会を生きる人たちにフィットしたそうです。
椎名さんは、若い世代が「させていただく」という言葉に違和感を覚えにくい理由が、”若い世代は相手を傷つけないよう距離をとる傾向が強い”からだといいます。
僕はこれまで色々な人と関わってきて、多くの方が”相手も自分も傷つきたくない”と思いながらコミュニケーションを取っているなと感じたことが多々あります。
これらの言葉は、コミュニケーションにおいてお互いに適度な距離感を保つのに、実践的でとても便利なフレーズになっているのだと思います。
最後に
時代や環境の変化、話し手の対人距離などによって、言葉は日々変化していきます。
言葉以外の部分でも、人にはそれぞれ個性があり、考え方や価値観は違いますよね。
その違いについて不快に思うのではなく、「なぜそうなのか」ということを知ることができると、より深い人間関係が築いていけるかもしれないですね。
僕もより相手のことを知って理解に努めていきます。
それでは今回はここら辺で♪
《参考》
◆「させていただく」が急増している理由、使用の賛否に世代間ギャップ
住谷知厚(すみたにともひろ)
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