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【旅日記】関西・人形劇旅行①〜西宮神社編〜

こんにちは。おおかみの人です。

今回のトップ画像は、西宮神社社務所1階で本日まで開催されていた【現代人形劇の100年】展でのひとコマ(写真撮影が認められている展示でした)。




今回からおそらく4/2くらいの投稿分まで、大阪人形劇旅行の旅行記が続きます。


〜今日の主な日程〜

①西宮神社【現代人形劇の100年】展を観に行く
②工房太郎さんアトリエ・ウズモリ屋の見学

今回は、①にスポットライトを当てる。


通勤ラッシュで激しく混んでいる御堂筋線を抜け、阪神電車に乗り西宮へ。
駅を降りて少し歩くと、広い境内の西宮神社の敷地が見えてくる。

西宮神社の入口にて。
西宮神社本殿。

西宮神社は人形劇にゆかりがあるところだ。
西宮にはかつて、傀儡師(くぐつし)と呼ばれる人形劇師たちが多く住んでおり、その人形芝居が文楽や人形浄瑠璃の源流になったという。
また、西宮神社はえびす信仰でも知られているが、このえびす信仰を広める手段として使われたのが人形劇である。【戎舞(えびすまい)】と呼ばれるえびす様の人形を使った演目が有名で、今でも人形芝居えびす座や淡路人形座が戎舞を行っている。
わたしは以前吹田のよってよってパペットカーニバルで、えびす座さんの戎舞を拝見した。男女二人組が威勢のいい掛け声とともに登場し、肩から下げた箱の舟に乗ってどんぶらこと景気よくえびす様がやって来る。なかなかに福の神らしい。船の上から釣り竿を投げて、あれやこれやと釣り上げると、最後には鯛が釣れて、「こりゃめでタイ」と、観客に福をもたらして去っていく。確かに楽しい。きっと信仰する人の数も増えたに違いない。

そんな西宮神社にお参りし、人形劇の上達を祈願して、おみくじを引いたら、なんと凶…。
まあ、こんなこともある。
「医者は選べ」とあった。もう選んでいるのでクリア済みだ。

お参りとおみくじが済んで社務所に向かう。
今日は【現代人形劇の100年】展の会期最終日だ。
滑り込みで間に合った。

会場内は撮影が許可されており、また他にお客さんもいなかったので心ゆくまで資料を鑑賞し撮影できた。

【キンダーブック】表紙、ブーフーウー。
案の定狼がやられている。
テレビ人形劇の資料。
ずらりと並ぶ、貴重な資料たち。

なかなかの量の資料が並んでいて驚いた。
そんなに昔から、人形劇は人々に愛されてきたのか…と、歴史の深さに圧倒される。
たかが100年、されど100年…。

【なかよし】の原型となった人形。
出口座の糸操り人形。
手遣い人形。おおかみくんと形がそっくり。

人形自体の展示もあって、なかなか見ていて面白かった。
【なかよし】という演目はよくエチュードで使われるけど、その原型となる人形が存在したことまでは知らなかったので驚いた。
糸操り人形はやっぱりすごい。何度見ても仕組みがわからない。どうやって、昔の人達はこれを作ったんだろう?と不思議でならなかった。
【なかよし】のうさぎとさるもそうだが、手遣い人形を見るとほっこりした気持ちになるのは、自分の相棒のおおかみくんがまさにそのタイプの人形だからだろうか。素朴な感じがして、自分の中で【人形劇の人形】といえば、ギニョールとも呼ばれることのあるこの手遣い人形だ。

そして、西宮神社といえば忘れてはならない人形がもう1体。

えびす様の人形!!

えびす様だ。
戎舞を披露しえびす様の信仰を集めるためにあちこちを渡り歩いた傀儡師たちを【えびすかき】と言うそうだが、そのえびすかきたちはきっとこのようなえびす様の人形を使って、人々に福をもたらそうとしたのだろう。


人形劇雑誌、人形の展示の他に、脚本の展示もあった。
読むことはできないのだが、先人たちが人形劇に託した想いが、脚本の厚みから伝わってくるようだった。
もちろん、戦時中は国のプロパガンダのために人形劇も利用されたりもしたのだが。

人形劇の脚本。
ガラスケース3つ分くらいあった。

他にも人形劇関連のポスターなど様々な展示があったが、映り込みが激しかったりするので割愛。

会場にはビデオ放映もあり、人形劇の貴重な資料の解説が聞けてとてもよかった。人形劇の図書館・館長の潟見さんによる詳しい解説は聞いていて楽しい。
先日行われたUNIMA会員向けのイベントでは、潟見さんの解説トークが1時間半続いたらしい。是非解説付きで展示を見たかった…!
今後人形劇の図書館に行くことがあれば、潟見さんと語り明かしたい(とはいうものの、自分はそこまで人形劇に詳しくないのだが)。


展示の中で、人形劇にもっと直接的にご縁のある神社を知った。それが、【百太夫神社(ひゃくだゆうじんじゃ)】である。
大きな西宮神社本殿の脇に、小さなお社が並んでいて、その真ん中が百太夫神社なのである。

百太夫神社。
小さな本殿の周りには技芸向上の扇子が奉納されている
毎年1月5日には、百太夫神社祭で
戎舞が奉納されるようだ

この神社は芸能の神様である百太夫神を祀った神社だが、その芸能の由来はといえば、やはりえびすかきたちに代表される人形劇なのであった。

人形劇の上達を願い、百太夫神社でもお参りした。
西宮神社でえびす様から力を授かり、百太夫神社で百太夫神から力を得たので、これはきっと人形劇力がアップするに違いない!えびす様が福を運んできてくれる…かもしれない。いや。福は自分で掴み取るものか。いずれにしろ、これで自分の人形劇に対するモチベーションに火がついたことに変わりはない!!


今回はここまで。
ここまで読んで頂きありがとうございます。

次回は、西宮神社の後に伺った、工房太郎さんのアトリエ・ウズモリ屋について少し綴ろうと思います。

次回もお楽しみに。それでは。

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