見出し画像

【旅行記】関西・人形劇旅行⑤〜なにわ人形芝居フェスティバルその2〜

こんにちは。おおかみの人です。

今回のトップ画像は、なにわ人形芝居フェスティバルの会場のひとつ、浄國寺の前で撮影した写真。




今回の記事は、前回からのなにわ人形芝居フェスティバルの観劇レビューの続き、そして先日から続いている関西人形劇旅行記の続きになっています。前回の記事はこちら。



【お詫び】

昨日4/3にこちらの記事を公開した際、人形劇団ココンの山田俊彦様から「ネタバレは控えてほしい」とのご指摘があり、内容を大幅に改変し、パンフレットに掲載されている紹介以上の演目の内容に立ち入った記述をできる限り削除して、改めて記事を公開しております。
当記事をお読みになってご不快なお気持ちになられた、人形劇団ココンの山田俊彦様をはじめ、読者の皆様に、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

今後は、作り手・観客のどなた様も、笑顔で楽しんで読んでいただける観劇記録を残せるように努めてまいります。

こちらの記事にも、お詫びを掲載しております。

この度は誠に申し訳ございませんでした。このようなご迷惑をおかけすることが二度とないよう、一層気をつけて執筆を続けてまいります。




一心寺の中にある開山堂での、よろず劇場とんがらしさんの公演【てぶくろを買いに】が終わり、会場を飛び出して次の会場・浄國寺へ急ぐ。

一心寺前の横断歩道を渡り、公園北口交差点を右折して、松屋町筋をひたすら直進する。
しばらく歩くと、お寺が密集する界隈にたどり着き、一心寺界隈に加えてそこから先が今回のなにわ人形芝居フェスティバルの会場になっている。

あちこちで、桜吹雪が見えた。
このあたりの桜は半分ほど散って、半分葉桜になっている。散っていく桜をもっと楽しみたかったが、いかんせん時間がない。
開山堂を出た時点で、10:50。次の演目が浄國寺で始まるのは11:15。そして、開山堂から浄國寺へ行くのにかかる時間は20分。時間はギリギリだ。自然と早足になった。

開演5分前の11:10に、なんとか浄國寺にたどり着いた。急いできた上に暑かったので、着いたときにはゼエゼエ、ハアハア。
受付の人に、一心寺から来たと言うと「お疲れ様です」と気遣っていただいた。

会場はすでに大入り満員。わたしが観に行った11:15〜の回の人形劇団ココンさんの演目はすでにチケット完売。完売前に予約が間に合ってよかった。
わたしは弾む息を抑えながら、1番後ろの席に座った。


ここからは、人形劇団ココンさんの演目、【『よそみをしないでブーブーブー』他 いろんなマリオネット】を振り返る。

会場に入ると、マリオネット用の高い舞台が立ててあった。
仕掛けや意匠などはなく、黒一色のシンプルイズベストの舞台。

代表の山田俊彦さんが登場。
今回の演目は、上演時間が35分。そしてその中に、ちいさな演目がたくさん詰め込まれているとのこと!観る前からわくわくした。

「面白くなくてもすぐ終わりますから」
と山田さん。
面白くないわけがないのは、ココンさんの人形劇…マリオネット劇をはじめ、腹話術パペットショーやパネルシアターを何度か観てきて知っている。観ると不思議とクスッと笑える人形劇がたくさんなのだ。

いよいよ、マリオネット劇が始まった!

表題作は【よそみをしないでブーブーブー】で、パンフレットには3匹の子豚の姿が可愛らしく収められている。
遠巻きに見ても可愛らしい子豚たちが、よそみをしてコケて…。日常でもじゅうぶん見かけるこのひと場面が、ココンさんの手にかかるとあっという間に笑いの場面に変わってしまうのがほんとうにすごいなあ、と感じた。
観客の間からは終始クスクス笑いや爆笑が起こり、ちょっとした間のとり方でさらに笑いがどっと起こる。人形劇のいちファンではあるが、人形劇のど素人である自分には、人形劇を楽しく魅せることや、日常を笑いに変えることなど、大変勉強になった。

短い演目がギュッと詰め込まれたこの演目だが、見どころがたくさんありすぎて追いきれないぐらいだった。

わたしにはマリオネットの経験がない。
以前飯田の竹田人形座で簡単なマリオネットの作り方を教わって自分で作ってみたり、なんばのチェコマルシェでお土産物として売られていた鉄心入り糸あやつり人形を購入して仕組みを頑張って理解しようとした。たしかに簡単な仕組みはわかるのだが、なかなかそれ以上にはならない。
体のこのパーツから伸びた糸は、操作部のどこにどのように繋がっていて、それをどのように動かすとあんなふうに人間のようにリアルに動かせるのか?
そういうことは、ちっともわからない。
わからないから、より一層面白い。

小さい演目の中に、たくさんのマリオネットが登場した。
自分でも真似できるかも?というような、とてもシンプルなつくりのマリオネットもあったが、そこはさすがココンさん、ストーリーはまったく自分なら思いつかないような、とてもシンプルな作りなのに笑えるお話だったりして、いったいどうやったらこんなストーリーが思いつくんだろう?と思わず首をひねる。

劇中は、マリオネットやその動きにも、操り手の手さばきや人形の操作部にも注目していて、ずっとあちこちキョロキョロとしていた。
あくまでわたしのイメージの中のマリオネット劇の話になるが、普通マリオネットを使った人形芝居を観るときは、操り手の手元を見ることが、舞台装置の関係で難しい。見えるのは人形と、そこから繋がった糸だけで、演者も操作部もまったく見えないことも多いと思う。
演者の山田さんが手元を見られるようなシンプルな舞台にしてくださったのはありがたかったし、途中で座席変更をできたため人形も操り手も結構近い位置で観られたのも有り難かった。

劇中ふにゃふにゃとした素材でボディが作られているマリオネットが登場する演目があった。
これもわたしの勝手なイメージの中での話になるが、わたしの知っているマリオネット人形は、木など硬い素材でできていて、関節がしっかりとあり、糸を引いたり緩めたりすると決まった方向にパーツが動く、というものが多いような気がする。なので、(おそらくだが)操作の仕方をきちんと知っていれば、トンチンカンな方向にパーツが動くということはあまりない…のかも、しれない。

しかし、わたしの目の前にいるのは、ふにゃふにゃのマリオネット。そして、演者の手元には、とても複雑な操作部がある。そこからは糸が何本も伸びていて、ふにゃふにゃの体のパーツに繋がっている。
マリオネットはただでさえ、頭がこんがらがりそうなくらい複雑なつくりをしているのに、そこに不確定要素の「ふにゃふにゃ」が入ることで、より一層操作を難しくしているだろう、ということは容易に想像がついた。
それでも、人形はいきいきとした、とても自然な動きや掛け合いを見せてくれた。わたしの頭の中は、人形のつくりも操作もなにもかもがわからなすぎて、ハテナでいっぱいになった。
マリオネットを操るプロの技術には脱帽だ。

他にも、演目を見ていて、今まで見たことのないような演出が施されていて、いったいどういう仕組みになっているのだろうか、とやっぱり頭をひねるシーンがたくさんあった。
ただでさえ複雑なマリオネット劇で、1体だけ人形を随意に動かすだけでも至難の業なのに、2体以上の人形が関わり合うなんて、いったいどうやったらそんなことができるんだ!!とか、人形を作り操る人の頭の中は、一体どうなっているんだ!!と、ハテナがたくさん、笑いもたくさんなココンさんの演目は、大盛況のうちに終演を迎えた。


終演後、僅かな時間だが、代表の山田俊彦さんとJIJOさん、そして府金総太さんとお話しすることができた。
このお三方は、先日YouTubeに公開された、amazarashiさんの楽曲【アンチノミー】で、人形劇MVを担当されたすごいトリオなのである。

ニーアオートマタという作品を知らなくても十分に堪能できる作品となっているので、是非ご覧になってほしい。これがその動画だ。
劇中の人形は山田さんが製作したものだ。

JIJOさんは、以前何年か前に金沢21世紀美術館にて糸あやつり人形劇団みのむしさんの公演があったときにお会いしていて、わたしが手に持ったおおかみくんを見てすぐにわたしだと気づいてくださった。嬉しい!
いつもSNSやこのブログを見てくださっていて、わたしの体調のことをとても気遣ってくださって、嬉しいやら申し訳ないやら。とてもありがたいことだと思った。久しぶりにお会いしてお話ができて嬉しかった!!

府金さんはアンチノミーに携わっていらっしゃってお名前は存じ上げていたけれど、初対面でちょっと緊張してしまった。でも、お会いできて嬉しかったし、府金さんに知ってもらえて嬉しかった。

で、山田さんは…

「もしかして、あの、おおかみの…?」

え!?山田さん、わたしのこと知ってらっしゃる!?
これにはかなりびっくりした。
SNSではわたしがほぼ一方的にフォローしているだけなので、正直わたしのことなんてご存知ないだろうな〜と思っていたので、面食らってしまった。そして、めちゃくちゃ嬉しくてニヤニヤしてしまった。ただの変人である。

その後山田さんからTwitterで、機会があれば今度、と、マリオネットの操作についてお返事を頂いた。こんどは足を伸ばして、ココンさんの本拠地・奈良県にも行かなければ!!と思った。
関西人形劇旅行の範囲が広がる!!


人形劇団ココンさんの【『よそみをしないでブーブーブー』 他 いろんなマリオネット】の観劇レビューはここまで。

読んで頂きありがとうございます。

次回は、くまさん本舗さんの【鬼のゴンちゃん一人旅】をレビューしたいと思います。

次回もお楽しみに。それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?