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防音マイク「mutalk2」レビュー
口の周りをマスクで覆うタイプの防音マイク「mutalk2」のレビューです。
マイクを使用して話してみた動画もあるので、購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
※マイクの仕様や商品説明は公式サイトを参照ください
mutalk2とヘッドセットのマイク音声比較
前作のmutalkは「鼻声になる(鼻がマスクの外に出ているため)」「声がこもる」「音質があまり良くない」などの問題点があったそうです。
mutalk2では鼻まで覆う「ノーズカバーマウスパッド」により鼻声を解消、マイクの位置を改善したり専用通信ドングルやUSB接続を使用することで音質も向上。前作の問題点が改善されている模様。
実際にマイクを使用した動画がありますので良ければ参考にしてみてください。
比較用としてロジクールのゲーミングヘッドセットG433を使用しています。
マウスパッドはどうしても鼻声になってしまいますね。口をマスクで覆うので声も多少こもっています。
とはいえ、音質が改善されたからか聞き取りにくい程では無いように思います(滑舌良く喋る必要はありますが)。
対して、ノーズカバーマウスパッドは鼻声がかなり軽減されているのが分かりますね。こちらも声はこもっていますが、鼻声じゃない分クリアに聴こえる気がします。
ただ、鼻声が改善された代償に息継ぎが入りやすくなっていますね。
ちなみに私の声質はかなり息漏れが多いタイプで(ヘッドセットの音声が分かりやすい)、そのためかmutalk2で少しこもってる方が逆に聴きやすくなってる様な…?この辺はもう好みでしょうか。
mutalk2を使って話している動画は他にもあるので幾つか拝見しましたが、声質や接続環境の違いなのか、声の変化度合いに結構個人差がある印象でした。
番外編:マウスパッドの声のこもりをイコライザーで軽減
mutalk2の難点の一つである「声のこもり」ですが、イコライザーで調整すればある程度は改善することが可能です。
イコライザーとは、特定の周波数の音量を調整する機器やソフトフェアのことです…と言われても初めて聞いた人は何のこっちゃですよね。私もそうでした。
例えば、80Hz以下の超低音域は人の耳には不快(ノイズ)に感じる音域だそうで、イコライザーで80Hz以下の音をカットすることでノイズ除去ができる…という具合です。20kHz以上の超高音域もノイズなのでカットしちゃいます。
これらはそれぞれローカット、ハイカットと呼ばれていて、イコライザーの基本的な調整方法なのだそう。
iTunesなど、音楽再生ソフトにイコライザー機能が備わっている場合もあります。大抵は幾つかの設定が選べるので(低音重視とか)イコライザーを設定して音楽を聴くといつも聴いている曲の印象が変わって面白いですよ。
前置きが長くなりました。本題に入りましょう。
音がこもる原因は主に低音域(大体250Hz以下)が関係しています。動画では300Hz辺りから徐々に音を下げ、100Hz以下の音域を-8dB下げています。
イコライザーを設定する前と後で、50Hz~200Hz辺りの波が小さくなっているのが分かるかと思います(声の低い方は下げる位置を左にずらしても良いかも)。
劇的にクリアな音質になるわけではありませんが、イコライザーである程度なら声のこもりを解消することができますよ。という一例でした。
ちなみに高音域の音量を上げればよりクリアになるかもですが、動画ではあえてシンプルな設定に留めています。
設定を弄りすぎて何が正解か分からなくなり、結果シンプルが一番と行き着いた結果がこの動画です(イコライザー初心者あるある…😅)
mutalk2装着時、外に漏れる声量の比較
公式サイトでは「平均-20dB、高音域は-30dB」の防音効果があると紹介されていますが、実際のところどうなのか気になる方も多いと思います。
素の状態とマスクを装着した状態で話した声をスマホで録音した比較動画がありますのでご参照ください。
至近距離で録音したので、すぐ近くで耳を傾けた時に聴こえる声量になります。部屋の外からも録音したかったですが環境の問題で出来ず…;
至近距離で録音しているのもあって、マスクを装着しても結構声が漏れ聞こえている印象ですが、外に漏れる声がこもっているので環境音のある場所や距離が離れるほど防音効果が発揮されそうですね。
また、鼻がマスクの外に出ているマウスパッドの方がより防音効果が高いことが分かります。ノーズカバーマウスパッドは鼻の吸排気から声が漏れるのでしょう。
ノーズカバーマウスパッドは吸排気バブルの片方を「柔らかめ」にしているので、両方とも「固め」にしてさらに「排気口蓋」をすれば防音効果は上がります。が、かなり息苦しくなります(私は耐えられませんでした;)
※各部品のイメージ図はmutalk2のマニュアルを参照
外に漏れる声量を騒音測定アプリで検証
数値でも比較したかったので、騒音測定アプリで声量を測ってみました。
マスクとスマホの距離は動画と同じ約10~15cmです。
まずは素の状態から。
![](https://assets.st-note.com/img/1730285775-1drtksxfULVXcMu5iAH0DJvF.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1730285813-LUI1BXWQ7wSTAbi89Zge2CEt.png)
話声の平均値が60dBと言われているので、平均より小さい声なんですね私…よく聞き返されるのでそんな気はしていましたが;息漏れが多いのも関係してそう。
次にマウスパッド装着時。
![](https://assets.st-note.com/img/1730286061-Yt8XUHA9xRKh3ZL2jC4OwqkT.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1730286086-6cFR3fyAoq7e0xXTDV1LjhEp.png)
約10.5~13dBほど下がりました。これは中々効果があると言えるんじゃないでしょうか。最後にノーズカバーマウスパッド。
![](https://assets.st-note.com/img/1730286288-1TukyDRqQfbZlioNYVxLBajE.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1730286308-NGOjtp19QyF8v5MTr0iPJsbc.png)
約6.5~8.5dBほど下がりました。やはりマウスパッドに比べると防音効果は下がってしまうみたいですね。公式サイトの「-20dB」というのは、どんな環境で検証したんだろうなぁ🤔
mutalk2の使用感レビュー
mutalk2を実際に使用した感想です。
ヘッドバンドでマスクを固定して使用した時間は最長30分ほどになります。
マウスパッド
![](https://assets.st-note.com/img/1730372487-y9ip2NTWjMtgw6eXrDCZbUBK.jpg?width=1200)
以下、難点
声がこもる
鼻声になる
鼻声で滑舌が悪くなる
ちょっと話しにくい ※パッドが口周りにぴったりフィットするため
話し続けると息苦しくなってくる ※後述
長時間着けているとマスクの中が湿ってくる
以下、良点
ノーズカバーマウスパッドより防音効果が高い
ノーズカバーマウスパッドより呼吸がし易い ※後述
キーボード入力音など、外からの音が入らない
呼吸音が音声に入りにくい
「話し続けると息苦しい」という点について補足すると、鼻で呼吸すれば苦しくなさそうに思えるのですが、そうすると口では息を吐くばかりになるのでマスクの中の酸素が足り無くなって徐々に息苦しくなるんです。
なので、話さない時の呼吸はマウスパッドの方が楽なんですが、話している時の息苦しさはノーズカバーマウスパッドと大差ないというのが私の所感です。
また、難点とも良点とも言えない特徴として、マウスパッドは鼻がマスクの外に出ているため、口を閉じた状態で声を出しても殆ど音声が入りません(咳払いとか含み笑いとか)
ノーズカバーマウスパッド
![](https://assets.st-note.com/img/1730372528-z9HwyUA1gPbX4ou2n8QD7L0j.jpg?width=1200)
以下、難点
声がややこもる
息苦しい ※柔らかめバブルで軽減されるが防音効果は下がる
長時間着けているとマスクの中が湿ってくる
マウスパッドより防音効果が低い
呼吸音が音声に入りやすい
以下、良点
マウスパッドより鼻声が軽減されている
マウスパッドよりは話しやすい
キーボード入力音など、外からの音が入らない
音質は改善されているノーズカバーマウスパッドですが、着けているだけでも息苦しいのと呼吸音が入りやすくなってしまうのが難点ですね。
呼吸音はノイズ除去やノイズゲートなどの設定でほぼ消すことができますが、息苦しさは呼吸法を改善したり肺活量を鍛えるしかありません;
しばらくX(旧Twitter)でmutalk2を購入した方の感想をエゴサしてましたが、結構な割合でこの息苦しさと格闘されてる方が多かった印象。
番外編:吸排気に「柔らかめバブル」を着けた時の振動音がやばい件
パッドの息苦しさは吸排気のバブルを「柔らかめ」にすれば軽減することができます。
片側を変えるだけでも明確に呼吸がしやすくなり感動ものですが、ここで問題が発生、バブルが薄く軽くなることで振動してしまうのです。
公式マニュアルには「低い声を出したときなどに振動」するとありますが、私の場合、呼吸するだけでブオーっと法螺貝の様に鳴り続けとても使える状態ではありません。
両方とも柔らかめバブルにすればマシになるのかもしれませんが、防音効果がさらに下がってしまうので出来れば片側だけにとどめたい…そこで荒めのスポンジを吸排気にかませてバブルが振動しないように押さえてみることに。
![](https://assets.st-note.com/img/1730377397-MpJI3iHx90mAuZted8PLzURG.jpg)
結果、振動しなくなりました!🙌
スポンジを挟む時にバブルの突起部分がグニッと曲がるので真似する際は自己責任でどうぞ。器用な方はスポンジに穴を空けて突起がはまる様にしても良いかもですね(私は面倒だったのでグニッと曲げました)
総括
こんな用途におすすめ
リモート会議などで、話す時だけマスクを口にあてて話す。といった使い方であれば問題無く使用できると感じました。
会議の間ずっと自分が話し続けるのはちょっと苦しいかもですが、途中でマスクを離して呼吸をしながら話せば大丈夫だと思います。
もともとmutalkは、ビジネスシーンで使用することを想定して作られたものがVRチャットやゲーム実況界隈でも注目され、改良版のmutalk2が発売…という流れなのだそうで、話す時だけ口にあてる使い方が本来一番適している使い方なんですね。
ビジネスシーン以外ですと、歌や朗読の練習にも良いと感じました。自宅(特に集合住宅)でしっかり声出すのって気持ちの面でも結構ハードル高いので、そこが解消されるのは私的にとても良かったです。
ただ、音質は流石に同価格帯のマイクには劣りますので、本番収録には向かないかなと思います。
こんな用途は人を選ぶかも…?
VRチャットやゲーム実況など、ヘッドバンドで長時間マスクを着ける場合。息苦しさや閉塞感に耐えられるかは個人差があると感じました。
確実に言えるのは、鼻炎などで鼻詰まりが酷い方は相当厳しいです。
ちなみに肺活量の無さを自負している私の場合、30分でギブアップでした💦
X(旧Twitter)でリサーチした感じでは長時間使用できている方もいるので、これに関しては本当に「人による」としか言えないです。
長時間使用するとマスクの中が湿るので、こまめな手入れも必要になってきます。毎度パッドやスポンジを洗うのが面倒に感じる人には向いてないかもしれません。
あと、素の声量がかなり大きくよく通る声の方は、mutalkの防音効果をもってしても壁を貫通してしまう様です。
まず自分の声量をアプリで測ってみてから購入を検討すると良いかも?
以上、mutalk2レビューでした。
色々と試行錯誤しつつ検証もしましたが、結果、私は使用を断念しました😅
ゲーム実況動画で壁越しに声が漏れるのを気にせず喋りたくて購入しましたが、やっぱり長時間着けるのが私には困難で…
重ねて言いますが、ヘッドバンドの装着感や息苦しさへの耐性は個人差によるところが大きいので他の方のレビューやツイートも参考にしてください。
私には合いませんでしたが、イコライザーを勉強するきっかけになったり、動画作成の練習もできたり得られるものも多々ありましたので後悔はないです。
もうすぐブラックフライデーだし、今度は小さい声もひろってくれる感度の良いマイクでも買ってみようかな!(買えたらまたレビューします)