これで良かったんだ 僕の前で笑う君を見て思う そっと
姉の携帯から流れてきた弾き語りをしている声。その頃主流だったツイキャスで、弾き語りや日常を配信している面白い上にとても歌の上手いイケメンが居ると知ったのは中学2年生ぐらいの時だった。
彼の歌声は優しく真っ直ぐで包み込んでくれるような中に力強さがある。そんな彼の声や歌がとても好きで、1日どれだけ嫌なことがあってもその声を聞くだけでまた頑張ろうと思えていた。彼の歌声はとても安心できる、聞き心地のよい素敵な声だ。どれだけ頑張って起きていようと思ってもツイキャスを最後まで聞けた日は数えられる程度しかないほど、私を含めその当時彼の配信を聞いていた人はほとんどが寝落ちしていただろう。もしかしたら、ひっそりと聞き彼の声に泣いている人も居たかもしれない。逆に元気を貰う人も居たかもしれない。それほど彼の歌には人に影響を与える力があるのだろうなとその時既に思っていた。
【Ivy to Fraudulent Game】(アイヴィー トゥー フロウジュレント ゲーム)
正直なところ、読みにくいし、言いにくいし、聞き取りにくい、覚えにくい。あまり良い印象はないだろう。本人達ですら言いにくく書けなかったと言ってたくらいだ。
【ツタのように色んな人に自分達の音楽を張り巡らせたい。聴いてくれる人達を良い意味で裏切れるような音楽をしたい。】
これが彼が活動する、最高にかっこいいバンドの名前である。
彼らの曲は日常の中にある孤独や不安、劣等感に寄り添ってくれる。消えそうになった時、諦めかけた時、挫けそうになった時、何度も何度も助けられた。何かある度に彼らの声や音を聴き、力を貰い支えられ乗り越えてこられた。私の青春の隣には、どこを切り取ってもいつも彼らの音楽や存在があった。ライブでのMCは隣に寄り添ってくれているようで、暗闇にいる私を前から引っ張って引きあげてくれるようなものばかりでまた何度も救われた。ボーカルがライブ中によく「大丈夫」と何度も口にすることがある。私はその「大丈夫」を聞くと本当に大丈夫な気がして頑張れる。おまじないの様な言葉だと思っている。短い時は30分弱、長くてもたったの2時間程のライブだが、ライブに行っている間だけは、頑張らなくてもいいんだ、何も無くても何となくでもいいから生きてていいんだと思わせてくれる。明日からまた頑張ろうと思わせてくれる。私からするとそんなバンドなのだ。彼らの音楽は万人受けするかと問われたらもしかすると違うのかもしれないが、確実に誰かの心へ届いていて深く刺さり支えとなる、そんな音楽だろうなと思っている。彼らの音楽について多くは語りたくないし、語る必要すらないと思っている。少しだけ語るとしたら、前にも述べたようにボーカルの声がいいのはもちろん、歌詞、曲、ライブ全てが良い。演奏技術も劣らないし、音作りも最強だ。このバンドは基本的にドラムが作詞作曲を行っていて少し珍しいかもしれないが、誰に聞いても彼は才能の塊だ、天才だ、と口を揃えて言う程だ。曲を聴いてライブを見てもらえば彼らの良さなど言わなくても伝わるだろうし、一瞬で心を持っていかれる。ただただかっこいい。ライブハウスで見る彼らが世界で一番好きだ。彼らが楽しそうだと、私も楽しいしとても嬉しくなる。彼らは私にとって今も昔も、そしてこれからもずっと光であり、心の支えなのだ。
「素晴らしいものには喝采を。気に食わないものには中指を」
「Ivy to Fraudulent Gameの音楽を日本のスタンダードに」