推しが卒業するらしい。

12月14日、推しがグループからの卒業を発表した。

このnoteは一人のオタクが直面した推しの卒業と、今後の在り方について考えた一連をまとめたものだ。数年後読み返して「うわなんだこの文!!!!キッツ!!!!!」ぐらいに笑い飛ばせれば良いと思っている。

【主な登場人物】


◯私
オタク。
主に二次元ジャンルを移行しつつ男向け女向け問わず何でも見る。今回の件でSideMにまたも命を救われてしまったプロデューサー。

渋谷ABEMASが好き(Mリーグ)

◯こうちゃん(QuizKnock)
推し。QuizKnockに所属。
12月いっぱいで卒業することを発表した。

【突然の卒業発表】



こうちゃん卒業発表は突然でありながらも、どこか予感させた頃に発表された。

その日の昼にQuizKnockの有料会員制サービス『QuizKnock schole(クイズノック スコレー)』の開設が発表された。限定動画やブログなど多数の有料コンテンツが楽しめる所謂ファンクラブ的なものだ。
仕事の休憩中だったため、私はお弁当を食べながら流し読みした。

『こうちゃんは出演いたしません』

有料コンテンツの出演者欄に添えられたその文章の意味を理解するのに時間がかかった。
はじめ、メンバーブログに参加しないと言う意味だと思った。こうちゃんは一週間に一度WEBでコラムの連載をしているため、そちらを優先するものだと思えば納得ができる。

スコレーが公開されて間もなく、もう一人メンバーの卒業が発表された。スコレーの説明文には『ノブは2024年3月までの出演となる予定です』との記載もあり、彼は大学院卒業後もQKに残るのかというファンの疑問への公式回答だった。

ノブさんは来年の3月に卒業する。だから3月までしか出演しない。

じゃあ、こうちゃんは?


【この一年の所感】



正直なところ、卒業の予兆はあったのかと言われたらもうバリバリあった。
なんなら私は定期的に友人らに「これこうちゃん近々辞めるんちゃうか……」と言っては呆れられた。マジでオタク特有の杞憂であってほしかった。

2023年を振り返って一言でまとめるとするならば、『精神鍛錬』だった。流石にそれは杞憂すぎと言われる気がするのと、言って誰かの得になるとは思えないのでどんな予兆だったかは伏せておく。
とにかく、一年をかけて違和感と不穏を浴び続けたおかげで私の精神はムキムキマッチョになっていた。いや、笑い事ではなく。

しかし、どんなにマッチョでも鋭利なナイフで刺されれば死んでしまうので、『こうちゃんは出演いたしません』という文で容易く殺されてしまった。
どうにかして自分含めこうちゃんファンの救命ルートを考えたが、びっくりするほど思い浮かばなかった。
途中で「Mリーガーになれば毎年タオルもアクスタもタペストリーもキーホルダーも自著も出るし、ほぼ毎日供給あるな???ええやん」を経由したが、現実逃避がすぎる。

そんなことを考えたとて昼食は喉を通らず、午後も平静を装うことに必死だった。
その日だけはデスクの上にスマホを置いて仕事をした。ファンが何かしらの不安を抱えている時、いつもこうちゃんは察して理由なりフォローなりをポストしてくれていたから、今回もきっとそれがくる筈だと。
私には想像が付かなかったが、きっとそれなりの理由があるんだと思いたかった。

次に来たのは卒業を知らせる動画の通知だった。



【卒業発表動画を見た感想】


そっか。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
そっかあ。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

これ。

QKは有り難いことにタイトルとサムネで全てを教えてくれるため、死ぬ瞬間は一瞬だった。動揺と悲しみはなかった。多分理解が追い付いていないだけ。
とにかく理由と今後についてを確認しなければという意思だけで動画を再生した。

内容については出来れば動画を見てもらいたいが、端的に言えば『このままQKにいると前に進めないので出られる時に出る決心をした』だ。うーん前向きロケット団。

なんというか、こうちゃんらしいと思った。
謎のバイタリティと思い切りがあり、不思議な納得感がある。最後には不仲が原因じゃないとしっかり言ってくれる。勘違いされるのが嫌なんだろうなあと思う反面そんなに言ったら逆効果では???と周りがツッコミを入れたくなるような。
しっくりくるのが今は悔しい。良くも悪くも良さが詰まった卒業発表動画だった。

幸いなことに、今後は未定ながら表から姿を消すつもりはないらしい。個人YouTubeなりなんなりでインフルエンサーとして活動はしていくんだろう。
伊沢さんも動画内で言っていたが、卒業よりも二度と見られないかもしれないことの方が私は辛い。これからも見られるんだと思えたこと、そしてネガティブな脱退理由ではなかったことが本当にありがたかった。

しかし、長年所属していたQKを辞めるのは曲げようにない事実だ。少ししてから動揺が襲ってきた。
驚くことにその日は帰路の記憶がない。夜に何を食べたかも覚えていない。

私は布団の中で走馬灯のように今までの自分のオタク活動を振り返った。
こうちゃんに出会ってから今までどんなことがあっただろうか、どんなところが好きだったんだろうか。自己満足に足る活動ができていただろうか。
そして思う。―――グループを辞めた後も、私はこうちゃん個人を応援できるのだろうか、と。

フォトアルバムを見れば年ごとにスクショや写真が入っているのでざっくりと振り返ることが出来る。
イベント、地上波、ラジオ、動画、その他etc……あの時のこうちゃん面白かったな、可愛かったな、格好良かったな、最高だったな。思い出しながら過去へと遡ってみた。

そして宣材の集合写真を見た時、私はようやく泣いた。

全身の水分がなくなるんじゃないかというぐらい布団の中でわんわん泣いた。
表舞台からいなくなることはないが、このメンバーの中にいるこうちゃんが見られなくなるんだと思うと悲しくて仕方がなかった。
QuizKnockの輪の中にいるこうちゃんが好きだった。クイズじゃなくてもいい、なんだっていい、何かをやりながら皆でやいのやいの言い合っているのをずっと見ていたかった。
思い出すのはメンバー同士のやりとりばかりだったし、特に、Qさまのチーム戦のことばかりを思い出してしまった。


  ▲もう一回チーム戦見たかったな。

泣き疲れた後はすぐに眠れた。
翌朝起きた時、最初に思ったのは『夢じゃない』だった。

【推しと私とMリーグ】


こうちゃんのことを話すにあたって、改めて私が麻雀を好きだと言う話をする必要がある。
私は麻雀、そして麻雀のリーグであるところのMリーグが好きだ。

きっかけはこうちゃんがハマったから。
こうちゃんは趣味が多い。本当に多い。多分一日が48時間ある。ポケモンやらポーカーやらダーツやらと色んな引き出しが出てくるのだが、中でも麻雀にのめりこんでいるように感じた。
専門用語の多いこのゲームにおいて、こうちゃんの言っていることや、面白い、すごいと言っていることを少しでも理解したかった。

MリーガーとコラボしたことをきっかけにMリーグを見始めた。
何が何だか分からないが、実況が激しすぎて盛り上がりポイントはここなのかと察しやすいし、面白い。

少しして、役を覚えた。「推しと共演していた雀士さん」が、いつしか「最速最強の多井隆晴」になった。4-7sをスッチーソウと読めるようになった。
自分でも麻雀を始めた。ネット麻雀だが、見様見真似で分からないところは調べつつ学んだ。こうちゃんが言っていることが、まあまあ分かるようになった。

応援したいチームが出来た。こうちゃんがコラボしていた多井プロや松本プロやQK雑談中にゲストで来ていた白鳥プロがいるチーム、渋谷ABEMASである。
今となっては日向プロもこうちゃんと仲良しで、こうちゃんオタク目線でも最高じゃんの繰り返した(勿論ABEMASを好きな理由は他にも沢山あるが今回は割愛する)

麻雀界隈でフォロワーが増えたことをきっかけに、リアル麻雀のオフイベントに参加することになった。
昨今は麻雀をやらなくても楽しめる界隈にはなっているが、それでもお金を払って推しと麻雀をしに行くことがメインの界隈だ、打てるに越したことはない。
実物の牌で打つのは楽しかった。ネット麻雀とは違い、やりながら考えたり覚えたりすることが多く、四試合打ち終わる頃にはへとへとになった。

難しいけど、確かに楽しい。

オフ会で知り合った人とセットを組んだ。
牌の扱いに慣れず倒したり飛ばしてしまったりとトンチンカンなことばかりしてしまうが、少しずつ牌捌きが早くなってきているような気はしている。いつかはABEMASの人とも打てたらいいな。

もしも機会があるのならば、こうちゃんとも打ってみたい。東海オンエアの虫眼鏡さんが麻雀イベントに出るのなら、無くはないと思った。
いざその時になって緊張してチョンボしたら恥ずかしい。せめて推しを前にしても人並みに打てるようにならなければ。

それは私の麻雀においてのひそかな目標である。

【心境整理】


ストックの関係でこうちゃんの動画出演は2月頃まで続くものの、卒業までは残り二週間を切っていた。

12月24日には大阪でQKとしての推しのラストイベントがある。遠征にはなるものの、卒業関係なしに行く予定だったのは幸いだった。

その一週間前にもイベントがあった。
フォーラム系だからか公式からの宣伝はなく、毎日パブサしているような人ではないと気付いていないようなイベントだった(恥ずかしながら私はしょっちゅうしているタイプの人間だった)

卒業のことを聞いた今、単独のイベントを見終えた時、私はどう思うのだろう。そんなことを思いながら私は平日よりも早い時間に起きて、二時間近くかけて会場に行った。



結論から言うと、ほぼいつも通りだったような気はした。
相変わらずこうちゃんは面白かったし、イベント自体も身になることがたくさんあった。勿論卒業について触れられることはなかったが、それが目当てで来たわけではなかったので気にはならなかった。

高校生とSNSなどスマホの使い方などについて討論したりクイズをするものだが、ファシリテーターの方のキャラが面白すぎて真面目なイベントでも笑えた。

こうちゃんを見ながら涙を堪えることになるかと思っていたが全然そんなことはなく、いつも通りの楽しいと学びを抱えて帰路についた。よく考えてみれば往復で四時間もかかるのかとと思ったけれど、来て良かったと思った。

帰ってからこうちゃんの連載コラムを読んだ。
最新から順番に読むと「この辺りにはもう決まってたのかなあ」などと余計なことを考えてしまうが、辞める理由を勘繰らせるような素材はない、どこまでも楽しそうな声がする私の好きな文章だ。

記念すべき50回の質問コーナーを読んだ時、私はまた少し泣いた。
けれど、久々にご飯をたくさん食べられた良い夜だった。


【結論】


私はQKのこうちゃんが好きだ。
でも、QKの輪の中にいなくても好きなんだろうと思った。

これから何をするつもりなのかは何も分からないが、楽しいと言っていた麻雀もやってみれば楽しかったのだから、きっと何をしても楽しい。
違うと思ったらその時また考えれば良い。冷たいけれどオタクは誰を推すのも自由だから、移動すれば良いだけの話だ。

とは言え多分……いや絶対、ソロ活動を見ていくにあたっては他のメンバーがいないことを寂しく感じるだろう。そればかりは仕方がない、慣れるしかない。
仲違いした訳ではないのなら、いつかひょっこり一緒に謎解きをしたと写真があがるかもしれない。麻雀を続けていれば最強戦でまた須貝さんと当たるかもしれない。
QKの肩書を外した後に地上波でメンバー達と共演することはあるのだろうか。例えば高学歴チームで、とか。あったらいいな。
ただ、あまり期待はしないようにしておく。期待しないことが外れる方が幸せなこともある。

QKについてはこうちゃんが完全に動画に出なくなるまでは見て、その後はほんの少しだけ距離を置くつもりだ。
実家のようなチャンネルだ。落ち着いてからまた摘まみ食いしたい。慣れるまではその場所にこうちゃんがいないことを苦しいと感じてしまうだろうから、少しの間はごめんなさい。
まだ『少しずつQKからいなくなっていく推しを見る』というこの世の終わりのような苦しみが控えている。毎週のように楽しみにしていたコラムの連載もきっと終わるだろう。アーケードゲームの宣材やレギュラーからもきっといなくなる。
正直言うとマジで嫌。考えるだけでもめちゃくちゃキツい。勘弁してほしい。しばらくは喚くから付き合ってくれフォロワー。いつも通り「また苦しんでんな」と笑ってくれ。それだけで救われる命もある。
新しい環境に慣れてから、新たな気持ちでQKを見始めたい。もしも来年も謎解きイベントがあるのだとしたら、それくらいまでには。


ラストイベントまであと一週間。私は今Mリーグを見ながら大阪遠征の準備をしている。
どうせ現地でも泣いてしまうだろうけれど、好きなだけ泣いて出来るだけ清々しい気持ちで今年を終えるつもりではある。

今は『QuizKnockのこうちゃん』のオタクとして、残された時間を最後まで駆け抜けようと思う。
そうして全速力で走り切ってから、来年は新たな世界に挑戦していく『こうちゃん』を応援するのだ。

世界は広い方が、絶対楽しいと私も信じてるので。






おわり。





▲やっぱ笑ってる推しが好きなんだよな~


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