Shadowverse 7th Anniversary Special ミリオンカップ 調整記
開幕
6月15日(木)、7周年記念生放送にて6月24日(土)、6月25日(日)の2日間、マイローテーションにてミリオンカップが行われる事が発表された。
てっきりクロスオーバーだと勘違いし、発表もされていないフォーマットを2ヵ月かけて日程を調整しランクマッチを走る準備をしていた。愚かである。
そんな休みを持て余し、退屈していた時期に急遽来たミリオン開催の発表。
もちろんやらない手はなかった。
調整期間は1週間と僅か。
触らなければならないデッキの多さと調整期間の短さが反比例していた。
1週間なら強いデッキを見つければ隠せそうな物だが、強いデッキを見つける試行回数に人数が必要という矛盾に苦しんだ。
そもそも3ヵ月目にShadowverseをやっている人間ですら珍しいのに、特殊フォーマットともなればなおさら。
1つのサーバーに絞って調整を行うのは不可能だと判断し、珍しく自ら調整サーバーを作る事にした。
調整期間
6月16日(金)
大会ルールや禁止カード、制限カード等を改めて確認し、3つ異なる環境でのデッキを用意しなければならない事を知る。とりあえず過去環境のTier1デッキを全て書き出し、まとめた。
ホームレスさんが毎日ユーザー大会を開いて下さったので、とりあえず脳内にある記憶の中から強そうだと感じたSFL原初ドラゴンからスタート。
ユーザー大会1位がプルソンだという情報を得たので、試してみる事に。
先6、後5に安定したOTKが成立する事を確認し、作っていたデッキが全て破壊された。知っている最強デッキ達が見た事もないデッキに蹂躙されていく様は何とも面白く、初日の結論がプルソンで終わった時には良い意味でこの先が思いやられる結果となった。
BOSプルソンは18点が基本となっており、残りの打点を詰めるのと序盤の盤面処理ができるように1コストフォロワーを最大枚数採用。眷属の召喚まで積み、階段を道中割る選択肢をデッキに追加した。ブラーはエンハンスがあるのでプルソンターンに1コストカードとしてプレイする事はできないが、アグロ対面に先5エンハンス白で開く事でプルソンを投げるまでの1ターンを作る事ができる点が評価ポイント。
この時当てていたデッキはプルソンにアグロで立ち向かうアプローチではなかった為、血の取引まで採用していた。次の日はプルソン完成までに殴り切る方向で模索してみる事を決め、初日を終了した。
6月17日(土)
プルソンのリーサルターンに間に合うようなアグロデッキを研究。アグロロイヤルは後5にエンハンスアルベールを投げられる事に気付き、大きく評価を上げた。プルソンにも大きく勝ち越し、暫定デッキとして確定させた。
ここで改めて扱う情報と、調整に携わる人数の少なさを実感し、人数を集める事に。この時集まって調整に参加していただいた皆さんにはとても感謝している。
また、1stと2ndのデッキで勝った場合に3rdのデッキの出番がない事、クラス被りが出来ない事から、まず1stと2ndを暫定で確定させて3rdに手を付ける事にした。1stがアグロロイヤルに暫定確定したので次は2ndを決める作業に移る。
6月18日(日)
2nd候補として最初に上がったのはグレモリーネクロマンサー。ただグレモリーがミッションデッキである性質上、PPブーストの恩恵を受けづらく感触は良くなかった。
https://twitter.com/ru_switch/status/1669668777641017345?s=20
次に試したのはSoROTKネメシス。OTKに必要なのがPPとカードだけなので、PPブーストの恩恵を受けやすいのが特徴。完成すれば先7後6に完全に蓋できる性能を確認。ただ、コンボ要求値が高い事やOTK以外に勝ち筋が存在しない事からあまり使いたくはないと感じ、別のデッキも探してみる事に。
OTKネメシスの盤面処理能力がそんなに高くない事から、アグロ方向でのアプローチを検討し、
をそれぞれぶつけ、OTKネメシスにはアグロ耐性がない事を発見した。
また、押し付ける札としてのベイリオンと押し込む札としてのエンハンス闇堕ちアルベールがあるロイヤルがデッキパワーとして1つ抜けており、さっそくロイヤル被っとるやないかい！ｗとなった所で終了した。
6月19日(月)
https://twitter.com/cnfx1jx3m7jgcc2/status/1669731311060414465?s=46&t=niEqtJ17Irgz_i-xsp4WtA
アグロに強いデッキとしてRSC機械ネメシスの調整を開始。既存リストからPPジャンプする関係上スピネの有効なターンが確認できずに抜いた。
コロッサスマグナのアミュレットのカウントがPPジャンプと相性が悪そうな点から不採用に。
トレランスがミッション達成カードであり、ボーナスと若干噛み合わない事とメイシアがEP回復ボーナスと相性が良い事からトレランスをメイシアに。
また、招来に進化を切る余裕がない事とベイリオンへの解答として招来の代わりにゼルガネイアを複数枚採用した。
記憶の軌跡がスロースへの共鳴ずらしや回復、ドロー等優秀だったため、多投。さらに記憶の軌跡と相性が良く、回復の札や打点としても使え、メイシアのカウントにもなるカプセルホムンクルスを採用するに至った。
乗り物アグロ系統のワイルドリザードやブレードバンデッド、スカルドリーマーやラスティナのラストワードを消す事が打点カットに繋がる点を評価してオーバーヒートデーモンを採用。
機械ネメシスミラーの勝ち筋としてヴォイドリアライズで二輪車を複数設置し、ベルフォメットの返しに二輪車を乗せたメイシアで締めるプランを見つけた。オーバーヒートデーモンはついでにミラーのイルガンノも消し、先攻メイシアを許さないおまけも付いてきた為、評価を上げるポイントとなった。
ここまで回復に寄せるとアグロ系統のデッキにはほぼ負けなくなった。OTKネメシスには必敗レベルの相性ではあったが、OTKネメシスメタで組まれる多くのデッキに有利が取れる為、RSC機械ネメシスを2ndデッキ暫定確定とした。
ここで3rdはEAA財宝ロイヤルが最強との情報が入る。またロイヤルかよ！！！！！！！！！！！！！！
6月20日(火)
1stと2ndが暫定確定し、ようやく3rdデッキ探しに取り掛かる。
1stでロイヤルが暫定確定されているので、財宝ロイヤル以外から触り始める。
DOCセッカエルフとCDBディスカードドラゴンで対戦した所、ディスカ札が多くデッキを掘る枚数が多いので、1枚制限のフィルレインに辿り着きやすい事が分かった。
結果はディスカ札が多い関係上リュミオールで詰めやすく、ドラグウッドまで含めるとエルフ側は回復で受けきれずにディスカード有利となった。
一旦、DOCセッカエルフ、OOS進化ネクロ、CDBディスカードドラゴンをEAA財宝ロイヤルに当ててみた所、財宝ロイヤルが全てを破壊して終了となった。
6月21日(水)
1stのアグロロイヤルか3rdの財宝ロイヤルのどちらか捨てなければいけないため、1stデッキに他の候補がないかを再び研究。
アグロネクロを基盤としてフィニッシャーにミントタイラントを添えた形のリストを試すが、20点削り切る要求値が高くパワー不足と感じた。
ALTAFネメシスは加速装置やEPが増える事を活かしてシルヴィアエンハンスでの盤面処理、虚数物体でOTKバリア等環境に対する答えを持っていたが、加速装置と虚数物体、さらにはAFを埋めるフォロワー等で盤面が足りず、引きの要求値の高さから断念。
OTKリノエルフが強いとの情報を聞き、試すと先5～6、後5キル可能とリーサルターンはプルソンに間に合うデッキである事が確認できた。1st環境のアグロデッキ全般においてエフェメラが試合の勝敗を決定するレベルで最強カードだった為、こちらにも投入。プルソンの弱点である序盤が弱いという問題を1コスト軍団とエフェメラが解決しており、リーサルターンにはプルソンにも劣らない火力のOTK打点も見込めるデッキとして1st使用デッキ候補筆頭となった。
ニュートラルとして採用できるカードがゴブリン、ワイズマーマン、エンジェルスナイプ、ミニゴブリンメイジ、フィーナと多く、序盤の盤面に触りつつ相手のエフェメラを触れるカードであるエルフの双撃を当初採用していたが、妖精のいたずらの方がデッキとの相性が良くPPブーストもする事から打ちにくさも特に感じなかったのでそちらを採用した。
アグロ対面においてもミラーマッチにおいても役割のある人食いの庭の採用を検討。唯一プルソン対面では全く役割のないカードなので1～2枚採用する事を決めた。
エルフプリンセスメイジやフィーナに進化を切るターンがあまりなく、そこまで0コストを抱える必要がなさそうだったのでエルフプリンセスを抜いた。フィーナは0コストを作るカードというよりリノセウスの1～2枚目にアクセスする意味で採用。1試合に1枚投げるかどうかのカードなので2枚採用とした。
1st：SFLアグロリノエルフ
2nd：RSC機械ネメシス
3rd：EAA財宝ロイヤル
と決まった。ユーザー大会に参加して環境を見ていると1stはみな決めかねているものの、多くのプレイヤーは機械ネメシスや財宝ロイヤルを使っており、ミラーマッチが多くなる事を予感してこの日は終了した。
6月22日(木)
機械ネメシス、財宝ロイヤルのミラーマッチでの細かいプレイを確認。
また1stの他のデッキ候補がないかを検討した。
ジンジャーウィッチと安息アイギーナビショップを検討したが、ジンジャーは勝ち筋がジンジャーしかなく引いていない時のサブプランがない点がエルフに劣っていると判断し却下。安息アイギーナも要求カードが多く、再現性の低さから不採用。持ち込みを確定させた。
6月23日(金)
最終日には細かいデッキの調整をメインに行った。
エルフにワイズマーマン、エルフの双撃、フィーナの3枚目を採用するか
ネメシスのマスターコックとラズリの枚数比、アイシィレンドリングや招来の採用検討
ロイヤルの戦技斬刀や値引き交渉の有無
を検討し、各々の好きな形で登録した。
結果
マネーフィニッシュ
調整中に昔のブログを引っ張り出してきたり、過去の環境やプレイを思い出す事も多く、たくさんのデッキを検討、使用しなければならなかったが、それも全く苦にならないほど楽しかった。
3ヵ月目は基本的に暇なのでお祭りフォーマットは基本的に大歓迎。
またやってほしいと感じる。クロスオーバー以外
得た賞金以上に窓運営、特殊フォーマットの調整などが良い経験になったと心から感じる。ミリオンカップを企画運営してくださった方、窓に集まって調整に参加してくれた方、毎日ユーザー大会を開いて下さったゲキカラーゲさん、ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。