聖なる夜に

クリスマスイブに
私は最近悩んでいることに
向き合うことにした。
この2年弱、実家に帰ると
胸が痛くなることが続いていた。
両親の誕生日や盆暮れ正月、
父が出張にいくときの母のお世話、
旅行帰りのお土産渡しなど
会いに行くのは月2.3回ある。
ただ、ふと出る会話で胸が痛くなり帰宅する
もうしばらく行くのやめようと思うのだが、
やはり心配で行ってしまう。

だから伝えてみることにした。
傷つけたくなくて、勇気がいった。

お父さんへ
私は仲良くいるために
伝えたいことがあります。
弟が学歴があり社会的に成功はしていますし
長男です。私は学歴も社会的成功もありません。女性です。
だけど弟は両親の命懸けの手術でも
なんもしなかったり、全然実家に
きません。
私はいつも両親を気にかけています。
なのに弟が長男だから全部弟に残すとか毎回言われたすると
私はそんなものいらなくても、そこじゃなくて
なにを尽くしても埋めらない
なにかを悲しくなります。
物の見返りなんていらないけど
気持ちの見返りは欲しいんです。

弟がくると正月はカニがでてきたり
ご馳走様がでてきたこと。
私には、なにも出てこないこと。
また私たちの結婚式の写真は
どこにも1枚も飾られないのに半年後に
弟の結婚式の写真は実家に飾られまくること
は、悲しいのです。
普段、私のほうが時間あるから
両親を気にかけられるんだと
弟を責めない気持ちで入れたけど
私は段々弟にも嫌な気持ちになってしまいます。
また昨年、姪が生まれた時
女かぁ、男がよかったと言われたとき
私が生まれた時も同じように
ガッカリしたのかなと思いました。

私はお父さんが社長じゃなくても
家や土地がなくてもそんなことはどうでもよくて、ただお父さんの存在が好きです。
お父さんが笑顔で過ごしているかだけが
気がかりです。
だから私たち兄弟にも
長男だから
学歴があるからとか
そういうんじゃなくて、
私たちが自分の足でたち生きていることや
逆境を乗り越えようとし、
笑顔で暮らしてるかを見て欲しいんです。
そのことを誇りにして欲しいんです。

私とお父さんは出会って44年です。
残された時間はそれよりきっと
短いこと。そのことがとても会う度切なくなるけど、悔いなく時を刻みたい。
この両親と過ごせて、よかった。
ここに生まれてきてよかった。
そう思える人生にしたい。
だから、わがままだけど
伝えたかったのです。

と聖なる夜に伝えました。
44歳で子供じみてるなとか
自己嫌悪にもなりました。

父から電話がきて
ごめんね。いつも親孝行ありがとう。
ってきました。
そのあと、正月のカニは
お前たち夫婦に買ってある。
九州おでんもお前たち夫婦にだけ
作った。旅行のお土産もなほにあるから
取りにきてと
なんか不器用でそこじゃねーしみたいな
子供っぽい返信がきましたが
伝えてよかったって思うには十分でした。

父も学歴や長男次男問題で
きっと苦しかったりコンプレックスがあるのだと思います。だから私に自分の
コンプレックスをぶつける、そんな気がしました。だから私はお父さんがそんなものなくても、愛情があるって、伝え続けたいと
聖なる夜に誓いました。