呼吸器専門医試験の勉強法
★前書き
この記事では、呼吸器専門医試験(呼吸器内科専門医試験)の勉強法について書きます。過去問ではありません。
私は、2024年度の呼吸器専門医試験(第34回呼吸器専門医試験)を受験し、合格しました。ちなみに内科医です。旧制度での受験です。J-OSLERではありません。
身の回りに頼れる同僚がおらず、過去問も入手できませんでした。勉強の方向性がわからず、苦労しました。なので、後輩たちのために情報を共有します。
★試験の範囲。
出題範囲は、呼吸器専門医テキストが基本です。それに加えて各種ガイドラインまで網羅すればおおよそすべてカバーできます。
しかし、それらを全てを勉強し、暗記して試験に望むのは、物量的に不可能です。取捨選択が必要になります。限られた勉強時間と記憶容量を、どこにどれだけ割り振るか判断する必要があります。効率を考えねばなりません。
★いつからどのくらい勉強するか
当たり前ですが、長く勉強すれば、それだけ有利です。
目安として、私は、3か月で500時間勉強しました。平均すると一日5-6時間です。初期は一日2時間だったり、サボったりもしましたが、試験近くになると、一日10時間くらい勉強しました。結果、一般80%、実地70%で合格しました。合格ラインはいずれも57%でしたので、もう少し手抜きしても受かったでしょう。
一か月の勉強で受かる人もいるようですが、レアケースでしょう。私は一か月では無理だと思います。
最低でも二か月。安全マージンを見込んで三か月。が妥当だと思います。6月に病歴要約を提出して、一息ついたら7月から勉強を始めましょう。
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★ここからは、参考書・問題集について述べます。
★新 呼吸器専門医テキスト改訂第2版(専テキ)
これが基本です。試験問題は明らかに専テキを参考にして作成されています。青線部がそのまま選択肢として出題されることもあります。青線以外からも出題されますし、専テキに載ってない事項も出題されます。しかしまずは、最低限、青線部は確実にチェックしておいてください。
また、問題集で勉強中に疑問が生じたときには、なるべく専テキを参照しましょう。専門医試験の勉強では、専門家によって見解が異なる、ということが珍しくないです。そのような場合、専テキの内容が呼吸器学会の公式見解ですから、専テキが常に正解です。
しかしながら、正直言いまして、専テキは使いづらいです。大きくて重い、文字が細かくて読みにくい、書き込むスペースが無い、索引が貧弱。など。ちなみに、電子版を利用すれば、重さからは解放されます(私は現物主義なので買ってません)。
なお、2020年8月発行なので、内容が古いです。そろそろ第3版が出るかもしれません。進歩がある分野に関しては、最新のガイドラインを参照してください。
★呼吸器専門医・内科専門医呼吸器分野 試験対策 一問一答! 粟野 暢康 (一問一答)
これが勉強の中心です。一問一答を一周すれば、おおよそ試験の全範囲をカバーできます。
ただし、解説は無いに等しいですので、一問一答を解きながら、知識を専門医テキスト、各種ガイドラインで補強します。
ズバリそのまま出題されるわけではないですが、類題は多く出題されます。一問一答は、信頼できる問題集ですが、2022/6/22発行なので、すでに古くなりつつあります。統計や、肺癌は最新の資料を参照してください。
★必携! 呼吸器専門医試験のための実践問題と解説(必携)
使い方は一問一答と同じです。実地問題の対策もできるのが嬉しいです。2018年2月6日発行なので、すでに内容が古いです。注意してください。解説を鵜呑みにせず、この解説は本当に正しいのか?と裏どりをしながら進める必要があります。
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ほぼすべての受験生が専テキ、一問一答、必携を仕上げて試験に臨むと思います。ここまでが勉強の最低ラインです。
センスの良い人なら、ここまでやれば合格できると思います。
余裕をもって受かりたい人、浪人したくない人、はもう少し深い勉強をする必要があります。
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★参考書の続き
★外科対策
★当日の心得
★その他豆知識 について記しました。
ご期待下さい。
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