童話
みなさんこんにちはまっつんです。毎日自作の物語を投稿しています。無償で漫画を描いてるくれる方、イラストを描いてくれる方募集中です。もし描いてくれる方がいましたらTwitterで #まっつん毎日投稿作品 とつけて投稿お願いします。
さて皆さん好きな童話はありますか?そもそもどんな童話を覚えていますか?私は記憶力がとても悪いのと、あまり童話を見てこなかったのであえて出せと言われると桃太郎しか思い浮かびません。そんな私ですが今回その童話を元に物語を作ってみました。モチーフにしたお話は「ブレーメンの音楽隊」というお話です。僕自身も聞いたことはあったんですけど、内容はちゃんと知らなかったのでざっくりとですが調べて物語を作りました。最近また面白い話が思い浮かばなかい時期だったのですが、個人的に自信のある作品を考えられた気がします。是非読んで見てください。
タイトル【ブレーメンと張り合い隊】
これから大和(やまと)高校和太鼓部のパフォーマンスを始めます。
パフォーマンスを終えた和太鼓部は控室にいた。「今日もお客さんたちの反応良かったね!大成功だ!」ムードメーカーの鳴宮が笑顔でみんなに言った。
俺たち大和高校、和太鼓部は毎月日頃の練習の成果を今回のような地域のイベントで発表している。部員数は5人と決して多くはないが、それでもみんな和太鼓に対する思いは強く、熱心に練習に取り組んでいる。「高校でも和太鼓に興味を持ってくれる人がもっと出てきてくれたらいいんだけどね」部長である私鼓(つつみ)には不安がある。それは今後この和太鼓部が存続していけるかどうかということである。なぜなら今いる部員5人のうち、私を含めた3人が3年生、残り2人が2年生だからである。正式な部として認められるルールとして部員が3人以上であることがうち大和高校にはある。「あと1人欲しいですよね。」2年生の篠宮が不安げな表情をしている。話を聞きながら本棚を見ていた3年の神楽が一冊の本を手に取る。「何だよそれ?」鳴宮が神楽に尋ねると、「ブレーメンの音楽隊」抑揚のない声で神楽が答える。「太鼓を叩いてる時はイキイキとしてるのに、何でいつもこんなにローテンションなんだ?」とつい口に出してしまいそうな思いを堪える鳴宮だった。「!?」神楽が急に本を投げたので全員の視線が本に移った。本は急に眩い光を出し、5人を襲った。目を開けた5人の前には先ほどいた控室の景色はなかった。広い草原、馬がチラホラ見え小さな家が所々に建ってある。「ここは一体どこなんだ?」動揺しながらも状況を把握するため、近くの家を訪ねようとしたところ家の主人らしき人間にに大量の荷物を乗せられている馬を見つけた。しかし嫌がっているのかその馬は家主のいうことを聞かずに暴れていた。そして馬の態度に怒った家主は馬を強く蹴り怒鳴り声をあげ、家から追い出してしまった。「ブレーメンだ」ローテンション神楽が言う。「え?」と周りの4人が神楽の方を見る。「話がそっくりなんだよ、ブレーメンの音楽隊に」そういう神楽に鼓は「確かに、よく似ているわね。確かこのあとあの馬はキツネを狙っている猟師のそばにいた老犬と出会うはずよね?まだ確証が持てないから追ってみましょう!」すると案の定先ほどの犬は猟師に捨てられた犬と遭遇した。この世界があの童話のものであるとわかった5人は結局彼らが泥棒を襲う前までコソコソ追ってしまうのだった。理由は童話では泥棒を退治した後で話が終わってしまうからだ。5人は話が終わるところまでを見届けることにしたのだ。そしてついに動物たちが泥棒を襲うところまで話が進んだ。通常なら簡単に泥棒たちを退治する展開だが、どう考えても動物側が不利な展開になっているのを5人は感じた。泥棒の注意を引こうと鳴宮は偶然持っていた鳴子を鳴らした。びっくりした泥棒たちは動揺し、辺りを見回した。その隙に他の4人が泥棒たちに襲い掛かり、泥棒たちを追い払った。5人は動物たちに感謝をされ、仲良くなりその日泥棒たちが潜んでいた家で一夜を共にすることとなった。「君たちはこれからブレーメンの音楽隊に入るんだろ?ブレーメンの音楽隊というのはそんなにすごい人たちなのかい?」動物たちは目を合わせて笑った。「そんなの当たり前じゃないか笑君たち彼らのことを知らないのかい?」そう言われた5人は自分たちがなぜこの世界に来たのかを話した。「そうかー、信じられない話だけど大変だったんだね。」「そうだよ、話が完結したのはいいけどこの先どうすればいいか俺たちもわからないんだよ。」全員が考えるように黙り込んだ。「そうだ、俺たちがブレーメンの音楽隊よりすごい音楽隊を作るっていうのはどうでしょうか?」今まで一度も出番がなかったもう1人の2年琴浦が久々に発言した。「音楽隊を作るってどうやって?」「ほらブレーメンの音楽隊ってドイツで生まれたお話じゃないですか?ということは当然和楽器の太鼓なんてブレーメンの音楽隊は使ってないはず!うちの高校で流行らなかったのならこの世界で太鼓を流行らせるんですよ!」そう琴浦がいうと5人はものすごく興奮して騒ぎはじめた。全員乗り気なようだ。「いや、元の世界に帰らないの?」と動物たち全員が突っ込んでいるのも知らずに。