あと10,000人くらいボランティアが必要かもしれない話-丸森 災害ボランティア
台風19号によって大きな被害を受けた丸森町で実施されている災害ボランティアに参加してきました。
丸森でのボランティアは今回で3回目でしたが、まだまだボランティアが不足しているようです。
実は、丸森災害ボランティアセンターの入口には、活動実績表が掲示されており、毎日更新されています。こういう見える化ってすごく大事ですよね。
ただ、パッと表を見ただけでは、なかなか具体的な状況がつかめなかったので、表のデータをもとに、現状と今後を考察してみました。
どの程度状況が深刻なのか、いつまでこのボランティア活動が続くのか、そんなことがわかるかもしれません。
※以下の分析・考察はボランティアセンターとは一切関係のない、私個人の見解です。
まずは表の数字をPCに転記し、下記5項目をグラフ化し、各項目について分析してみます。
①ニーズ受付
②ボランティア数
③活動件数
④完了数
⑤ニーズ残件数
①ニーズ受付は減少傾向
ニーズ受付とは、丸森にお住まいの方がボランティアを要請した件数です。
11/12までに合計530件の受付がありました。
日ごとの推移をみると、10/19の受付開始後、2日目の10/20にピークに達しまし(163件)、その後は減少傾向にあります。直近では1桁に落ち着いてきています。
②ボランティア数は微増傾向
ボランティア数はその日にボランティアに参加した人の数です。
11/12までに延べ7,716名のボランティアが参加し、最高は11/3(3連休の中日)の906名となっています。
11月は週末にボランティアバスツアーが企画されるなど、週単位では若干伸びてきているような状態です(ただし、1週目は中止が2日あったり、3週目は祝日があったりしたので、なんともいえません)
③活動件数も微増傾向
活動件数はその日にボランティアが派遣された案件数です。
11/12までに1,011件の活動が行われました。最高件数は、ボランティア数が最も多かった11/3の100件です。
ちなみに、ボランティアでは1活動案件ごとに必要なボランティアの数が見積もられ、見積人数により1グループが編成されます(例えば、作業量が多い案件では15名で1グループになったり、少なければ4名で1グループになったりします)。
つまり、ボランティア人数が増えると、基本的に編成できるグループ数も増えため、活動件数も増えます。
④完了件数も微増傾向
完了件数はニーズ案件が片付いた数です。
11/12時点で合計264件が完了しています。こちらもボランティア数と活動件数が微増している影響で微増している印象です。
ただし、ニーズ受付開始3日間(10/19~21)で受け付けた数が279件なので、単純に考えると(実際はトリアージで派遣先を決めているかもしれないのでなんとも言えませんが)、今現在ボランティアが取り組んでいる案件は、初期(約1ヶ月前)に受け付けた案件といえます。
なお、大きな家の床下の泥出しなど、案件によっては1日で完了しない場合があります。そういった場合は完了とはカウントされず、継続案件として後日に持ち越しになっているようです。
⑤ニーズ残件数は高止まり
ニーズ残件数は、作業が完了していない案件の数です。つまり、手つかずの案件や持ち越し案件の数です。
11/12時点であと269件が残っています。
グラフを見てわかるとおり、ニーズ受付数が250件を突破した10/21から1度も250件を下回っていません。
なかなか減らない理由は、ニーズ受付数と作業完了数にあまり差が生じていない(ひとつの作業を完了しても、新たに別のニーズが登録される)ためと考えれられます。
持ち越し案件がどの程度の割合で残っているのかはわからないので、なんとも言えませんが、仕掛の割合が多ければ、一気に完了数が増える可能性はあります。
なお、ニーズ受付数が徐々に減少しているため、今後、残件数は減少していくと思われます。持ち越し案件がどの程度の割合で残っているのかはわからないので、なんとも言えませんが、仕掛の割合が多ければ、一気に完了数が増える可能性はあります。
今後の見通し:ニーズ残を今年中にゼロにできるか?
気になるのは、いつになったらニーズ残件数がゼロになるのか(つまり、ボランティアセンターがその役割を終え、閉鎖される時期はいつになるのか)ということです。
上述のデータを参考に、今後のニーズ受付数と完了件数を予測してみます。
①ニーズ受付(累計):今後の新規受付は1日5件と想定し、1週間ごとに-1件。⇒ 下グラフのオレンジ線
②完了件数(累計):12/13まで平日7件、土日15件と想定。12/16以降は平日5件、土日12件。⇒ 下グラフのグレー線
③ニーズ残件数(累計):①-② ⇒ 下グラフのブルー線
上で設定した数値は、今後順調に進むことを想定しているので、やや希望的観測ともいえますが、その場合、年末にはニーズ残がゼロになる可能性があります。
一方で、ニーズ受付が想定を上回ったり、ボランティア数の減少により完了件数が伸び悩んだりする場合には、今年中にニーズ残がゼロになる可能性が低くなります(ボランティアセンターのスタッフの中には、来年まで続くかもしれないと予測される方もいらっしゃいました)。
つまり、(言わずもがなですが)ボランティア数が非常に大きな鍵になります。これまでの活動実績をもとに計算すると、1件の完了に必要なボランティア数は約29名(7,716名÷264)で、残り350件(見込み数)を完了させるためには、今後およそ10,000人のボランティアが必要になります。
これから年末に向けて気温が下がりますし、時間の経過とともに人々のボランティアへの関心が薄れてくることを考えると、今後ボランティア数が減少することは大いにありえます。ここからが踏ん張りどころというか正念場かなと思います。
おわりに
ニーズ残がゼロになったからといって、被災された方の暮らしが元どおりになるわけではありませんが、少しでも復旧された状態で新年を迎えられるように、ボランティアの新規参加と継続参加の数がもっと増える良いなと思います。私も引き続き参加します。
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