母が脳梗塞で倒れたとき~備忘録として1~
6月某日曜の夜、母が倒れました。
これまで小さな病気とかはあっても、救急車で搬送されるほどの病気をしていなかったので、プチパニックを起こしつつ急いで病院に駆けつけました。すでに来ていた父と姉から「脳梗塞」だと教えられたものの、頭の処理が追いつかず「あ……そうなんだ」とぼんやり思ったのを覚えています。
脳梗塞やリハビリなどきちんと調べてから書こうと思ったんですが、あのとき何が必要だったのか、何が不安だったのか、個人的に感じたことを覚えておくため、まさに備忘録として、今回、書くことにしました。
なので、ここに書いたことが完全に正しいわけでもないし、あくまで、私は…というだけなので、「いや、正しい情報じゃないなら、いらないんすけど」と思われたら、もう読むのやめちゃってくださいね。
名前シール、必須! 絶対!
病院に着いたのが23時近くで、処置が終わり、ほんの数分だけど母と会えたのは1時近かったような記憶。左手、左足、喉に麻痺が残り、かなり深刻そうな説明だったので話せないかも…と思っていたけれど、ゆっくりなもののはっきりとした口調で、今日が日曜なことも把握していた。何より、日曜に仕事をしている姉に「日曜だから仕事でしょ? 大丈夫なの?」と気遣っているのを目の当たりにし、こんなときまで…と胸がギュッとなったり、割としっかり話せていることにホッともした。
さらに諸々待って、病院のスタッフの方から入院についての話と明日にでも置き時計とカレンダーを持ってきてほしいと説明を受け、病院を出たのは2時半過ぎ。姉は仕事用の荷物があるので、私が実家に行って時計を探すことにしましたが、見つからず。うーん。スマホの弊害か。時計とカレンダーは、ICUにいると昼夜、日にちの感覚が薄れてしまい、混乱する場合もあるためだという。
家にあった卓上カレンダーとマスク、マスクケース、母のメガネ、メガネケースをバッグに入れて、父に「明日、時計を買って、これに入れて渡してね」と託すことにした。が。ここで痛恨のミス。
普段、母はメガネをかけているので、なかったら困るだろうと気づいたのはよかったが、ケースに名前を書くまでは気が回らず…。メガネとメガネケースは紛失し、母に届かないまま。スマホも入れるか迷ったけど、入れなくてよかったのかもしれない。
後日、友達にこのことを話したところ、「病院は物がなくなるから、必ず名前書かなきゃダメなんだよね。後、高価なものは持ち込まない」と言われ、納得。
その後、下着やカーディガン、スニーカーなどの荷物には、すべて名前シールを貼り、番号をつけてリスト化。リスト化すると、入れ忘れもなくなるのでオススメ。
入院経験のある友達のお母様と友達に色々聞いて、手が使いにくい場合、化粧水などのコスメはスプレーよりもポンプ式が使いやすい、服は普段よりもゆったりサイズがいいという情報をゲット。快適さだけではなく、サイズに余裕があれば何とか着替えられるとのこと。迷った末、2サイズ上のものを多めにしといた。
こんな感じ。番号の前に四角枠を書いて、漏れがないかダブルチェック!
高額医療費の申請
医療従事者の友達に状況を説明し、今、したほうがいい、確認したほうがいい書類や手続きなどあるか聞くと、「医療費限度額適用申請」と「高額療養費制度」を教えてもらえた。
居住の市区町村のホームページに載っていると思うので、国民健康保険に加入している方は見てみてください。
実家の市のホームページにもバッチリ載っていて、申請書もPDFでダウンロードできる。郵送での申請や認定証の受け取りも可。ありがたい。
読んだ限り、「限度額適用申請」は入院治療の場合、事前に認定証を受けることで、自己負担金を限度額までにできるという制度。「高額療養費制度」は限度額を超えた分を申請すると返金してもらえる制度。前もって限度額を超えないよう申請しておくか、後で返金してもらうかの違い…だと思います。「高額療養費制度」は超過した場合、役所から早くて3カ月後くらいに申請書が届き必要事項を記入して提出すればいいので、今、何かすることはないことが判明。ひとつ前進。後でいいことは、後にする。
んで、「限度額適用申請」ですが、70歳未満、70~75歳未満とある。母は75歳なので、これは対象外? え? どうすればいいんや? とりあえず、実家に行ったときにプリントアウトして記入…したが、うちの場合、必要なかった。1割負担だったため、これ以上おさえようがなく申請不要だそう。もしもの場合でも「高額療養費制度」で申請書が送られてくるわけだしね。うん。よし、またひとつ前進。
リハビリ病院への転院~相談
意識を完全に失ってなかったこともよかったのか、翌日、ICUから4人部屋へ移動し、1週間後にはリハビリ病院への転院を含めたソーシャルワーカーさんと相談することになった。が、私と姉は仕事で同席できず、父にお願いするしかない。変な言い方だけど、すでにリタイアしていて身動き取れる状況でよかった。
でも、気になることも不安なこともたくさんあるので、ソーシャルワーカーさん宛に手紙(書面)を渡す戦法にした。任せっきりにしてるわけじゃなく、自分たちも調べている、今、わからないことなどを箇条書きにして、答えを書き込んでもらう。
原文ママではないですが、内容は以下。
「〇〇〇〇担当のソーシャルワーカー様
本日の相談に同席できないため、今、気になることや不安なことを書面に致しました。父への説明と重複する部分もあるかと思います。大変、お手数とは存じますが、家族間での情報共有のためこちらにも書き込んでいただければ幸いです。
・今、申請したほうがいい手続きや書類について。医療費限度額調整と高額療養費制度については、対象かどうか調査中です。
・転院についてですが、〇日までなど期限の有無。もし、ある場合、間に合わなかったときの対策など。
・今後、こうした相談は可能? 相談の予約方法について。
・転院先である病院を探すのに、自分たちの条件を元に一緒に探してもらうことは可能?
・現時点での私たちのリハビリ病院の条件は以下の通り。優先すべき条件や選ぶときのポイントなどがあれば。」
こんな不躾じゃなくちゃんと丁寧な文章にしたけれど、長文ではなく、具体的に知りたいこと、わからないことを挙げただけ。箇条書きが1番!
結果、とても丁寧に書き込んでくださり、いつでも相談できるし、転院の期限はないけど、なるべく早くリハビリを始めたほうがいいこと、介護保険の申請、条件を元に一緒に探すという言葉に、本当にホッとした。
え、わざわざ書面にするの?と思う方もいるかもしれない。
でも、緊急事態で慌てている中、きちんと聞きたいこと、不安なことを伝えて、相手の答えをしっかり把握するのは至難の業だ。例え同席できたとしても、同じ書面を作っていったと思う。絶対、書面作成したほうがいい。
話がずれるけれど、書面を推すのには理由がありまして。
数年前、あるトラブルを解決するために、地域でやってる弁護士の無料相談に行ったんですよ。初めての弁護士相談で緊張マックス、かつ同じ内容の相談は1回、30分勝負だったため、もう調べまくり、仕事の資料みたいなものを作成。当日はそれを見ながら、順番に質問→答え→メモを繰り返し、制限時間ギリギリですべての質問を聞くことができて、とても丁寧かつ具体的に答えてもらい、一気に解決に向けて動けました。
いや、そりゃ弁護士なんだから当然でしょと思います? でも、同じ時期にやっぱりトラブルがあって弁護士の無料相談に行った知人は「まったく役に立たなかった」と憤慨。話を聞いてみると、トラブルの状況説明、いかに困ってるかを話すだけで、ほぼ時間を使ってしまった。関連書類、資料なども持参していなかったから、弁護士さんに何か聞かれても「調べないとわからない」としか答えられず…だったそう。プロだけど、相手も人間。きちんと調べて具体的な質問を挙げていけば答えやすいし、こういう方法がある!と思いつきやすいはず。きっとそうだろうと考えています。
それに、改めて書面にすることで、今、何が不安なのか、何を知りたいのかが明確になっていきます。そうした不明点を浮き彫りにすることも、大きな前進といえます。
人それぞれですが、私は一番、不安だらけでいてもたってもいられなかったのは、コロナ対策で面会できないため母の状況もわからず、今度どうなるのか、自分が何をすればいいのか、できることなどなど。もうとにかく何もわからないときでした。
だから、限度額調整の申請やソーシャルワーカーさんに聞くべきこと、少しでも使いやすい、着やすいアイテム選び、リハビリ病院の条件など、自分が向き合うべきことがわかると少しずつ落ちついたように思います。治療はプロに任せるしかない。自分がやるべきことをやるしかない。一番、不安なのは母本人だ。そう言い聞かせ、ひとつずつ進めていくことが、不安の解消にもつながりました。
あと、時間があり病院にも近い父が手続き関連、姉が病院や父との連絡、私は必要なもののピックアップ&諸々調査と分担できたことも、非常に幸運だったとしみじみ思います。
いや、調査って、人に聞いてばっかりでは…と思われた方、鋭い! はい。私は話せる人には話して、とにかく色んな意見、情報を知りたかったです。そうすることで、うあああどうしよーーと焦りそうになるのを鎮められたし、話すことは整理することにもなります。きっと。
で。今やるべきことは、転院先の確保!
備忘録とは思えない長さになったので、1はここまでとします。読んでくださった方、ありがとうございました。2もアップします。
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