月光に抱かれて眠る
幸せってなんですか?
目に見えますか?手で触れますか?
24歳、「幸せ」がわからなくなりました。というか、「幸せってなんだろう」とはじめて考えた。
試しにGoogleを開いて【幸せの定義】と打ち込んで検索をした。
必ず幸せをつかむ方法を教えます!
これをやったら幸せになりました!
…ブラウザを閉じた。他人の幸せには興味ない。
だいたい、「やりたいことやって生きよう!」なんて言われても、やりたいことが何なのかわからないわたしにとってはそれを考えるだけで蟻地獄にかかった蟻のような、これからどうすれば…と暗い底へ吸い込まれていく気分だ。
今で充分幸せではないか。
家族がいて、好きな人も友人もいて、お金にも今のところ困ってなくて、今日も食事がおいしい。
だがしかし、隣の芝は青い。
それこそ「やりたいことやって生きてます!」な人がひどく羨ましく眩しくみえるときがある。
彼らが太陽くらい輝いてるとしたら、私はきっと月くらいだろう。太陽ほど派手ではないけれど、ぼんやりとは光っている気がする。
まぁでも皆が皆、太陽くらい光ってたら暑いよね。アツいけど。地球温暖化がもっと進んじゃうよってね。月も偉大で凄いし。
幸せは目に見えないし、手で触れない。
もっと地味に日常に溶け込んでいる。ふと目覚めた夜中にカーテンの隙間から見上げた月みたいに。
地味で特別。幸せ。
今日も、月光に抱かれて眠る。