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震災、どの地域のこと

てばなしてしまった本のタイトルが、何度も何度もあたまをよぎります。
金菱 清著
呼び覚まされる 霊性の震災学

内容の質量は衝撃的。
それでいて、ありえると思えるエピソードでした。
著者の最新巻「フィールドワークってなんだろう」には、その後進んだ研究の記述もあり、てばなしてしまったからさらに大事に読んでいます。

1/12、江東区の展覧会「現代・江東ごみ百鬼夜行」会場で、金菱先生の本を見つけました。それは、てばなしてしまった本でした。その後に発刊された本もあり、ぱらぱらとめくると研究テーマは変わらず、内容が肉厚になっているようです。最新巻を読もう、と前向きな気持ちになりました。

江東区の会場は、能登を支援している団体の所在地で、活動の様子も発信しています。活動のきっかけは東北にあるようでした。金菱先生が東日本大震災の聞き取り調査から震災霊性論を書かれたことは、ステレオタイプの報道にはない一筋の光明です。東北の、あの出来事を当事者ではないわたしが書けることは何一つありません。何をどう支援したか、いうべきことでもないのです。いまなら、阪神淡路大震災のことにほんのちょっとだけ触れてもいいかもしれません。
それくらいデリケートで見守るしかなかったのです。

現地に行ける、現地で支援するのは、ある程度の年齢幅があるなあと、振り返って思います。1995年、阪神には行けた、その勢いがありました。ボランティア元年でしたらから。2011年はSNSで情報を得て、救援のヘリを飛ばす団体を後方から、2024年はマッチングの精度が上がりピンポイトに手配できました。無関心ではいられないし、最低限の事実のみを把握しておくようにして、ニュースを聞かされる方も疲弊しているのです。形骸化した報道に耳を背ける年数を重ねてきました。

そっと、そんなことを思っています。金菱先生の本を読んだら、当事者ではない外野の情報遮断を言えるようになりました。



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