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タイトルは女性、刺繍,2020制作

絹糸の刺繍は、コンテンポラリーアート展で圧巻でした。見る角度によってシルクの光沢が陰影を生み出し、3Dのよう。
1針ごとに刺していく刺繍と、デジタルを駆使したアートの境界って何だろう。刺繍作品は、明らかに時間と手間がかかっています。それが可視化できる作品であるということです。

今回のグループ展には暗がりにプロジェクションを当てる作品もありました。刺繍という手仕事のプリミティブさと対極にあるようなテクノロジー。対比が面白いなあと思ったのです。制作時間も手間も比べたり測れたりするものではないのに、同一線上で見てしまうわたしがいました。テクノロジーは、構造がすでにブラックボックス。ゾートロープのような仕掛けだったので、プロジェクションの作品は原理が同じで「見せ方が違うだけ」と思いました。そこに創意工夫の差異が見えなかったのです。

対して冒頭の刺繍は、緻密で硬質なグラフィックのようでした。リアル、でも刺繍という、絹糸の色変化を熟知しているのだろうと思います。


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