〝村の更生〟を語る志士、たった2人のキリスト教青年会
豊島(てしま/瀬戸内海)に農民福音学校を開いた藤崎盛一氏の著書「農民教育五十年 乳と蜜の流るる郷を求めて」。その中に、全国各地の農村を回って講演した記述があります。中でも「芳賀久治の場合」P128は、光子さんから聞く故郷と家族の話に重なります。
迫害や差別があったろう時期に、いくら農村更生運動の最中とはいえ、集落へ農民救済の思想を伝える集会を開く。今日の大河ドラマも、新しい思想を膨らませていく場面でした。家族にも秘してこっそりと集まる同志、どうしたら暮らしがよくなるか、従うだけではない自ら拓いていく「経営」。テレビを見ながら、昭和10年ごろの最上川流域の村もこうだったかもしれないと考えました。