豊島の産廃視察
新聞記事やテレビ報道で見聞きしている豊島、と言ったら公害調停成立から20年に当たる今は産廃問題でしょうか。去年ならトリエンナーレの瀬戸内国際芸術祭の「豊島」でした。
自粛緩和の中、観光系の動きが出てきて、豊島スタディツアーも引き合いがきています。瀬戸芸で賑わう豊島と観光客がいない冬場の島暮らしを対比したい、豊島で農業体験をしたい等々、アート観光ではない豊島時間を売りたい、豊島側にコーディネーターはいませんか、というもの。
豊島事件の視察を不定期ながら催行してきて、わたしは観光搾取の片棒を担いでいるのだろうかと自問します。仲介業の原理原則、お金が中間搾取され、豊島の経済に組み込まれないのです。観光客を目当てにした商いは豊島にもあります。飲食店、レンタサイクル、民泊など、観光協会に名を連ねています。それぞれの商いへ、ツアー開発のために個々に営業をかけて、モニターツアーを催行し商品化するうちに、誰のためなのかが入れ替わります。依頼人は、エンドユーザーのために。わたしは、豊島の人のためになるか、という視点が抜け落ちていたことに気づきます。
豊島の人の尊厳は取り戻せない、とわたしは豊島の人に言われました、はっきりと。それでも、島外から豊島へ通うわたしは、豊島の人が望んでいるか、という視点で考えるようにしています。
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