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八重桜と御詠歌(2019/5/2)

5月が誕生日というすみ子お姉さんに、地区のお大師様を案内してもらいました。すらすらと詠み出した歌は「18番の御詠歌」でした。続いて19番。美しい言葉が続きます。御詠歌とはいえ、昔から詠まれていた感じがしません、現代語だったから。

2019-5-1木村すみこさん_1

オンソワカに始まる祝詞は「カタカナを読み上げるのが精一杯」と、同行していた豊島のおかあさんが言います。お大師様のときに唱えるけれど「歌じゃなくて、読んでる」と笑います。

ここは豊島(てしま/瀬戸内海)の硯(すずり)です。浜がすぐそこなのに、波音は聞こえていたのでしょうか。そこには91歳(2019年)になるお姉さんの声が、金の糸の様に伸びていくだけの光景でした。

硯地区のお大師様は海岸線に面した一角。この裏手を右に進むともう1ヶ所お参りしているところがあるというので、歩いてみました。
初めての地区。
石碑というか、石で堀った水入れや紋章の入ったもの、灯篭などがゴロゴロしてしている一角です。「ここは石屋さんの土地。個人所有」とすみ子姉さんが言います。

勝手に個人の敷地に入る後ろめたさは、さっきのおまわりさんの職質で払拭。桜の葉で塩漬けが作りたくて、お姉さんに断って葉を取ろうとしたら、「何してるですか?」とおまわりさんに声をかけられました。びっくりです(さすが、職業柄!)。
顔見知りのおまわりさんですが、なんというタイミング。「さっ、桜泥棒です。これを塩漬けにして、桜もちを作ります。できたら届けますから、駐在さんも共犯です」
みんなで笑いました。

すみ子姉さんがいうように裏手へぐるりと進むと、ありました! 
祠に守られた仏様が2体とひとつ。信仰深いというのでしょうか。習わしを守り続けて、この地区の人が大事にしているのがわかります。花を添え、心からお参りしていることが。

追記:書きかけの文章がありました。1年も前のことです。すみ子お姉さんは今年、元気に92歳を迎えました。とはいえ、もう2ヶ月もお会いしていません。3/21のミックス瓶↓、すみ子お姉さんのオリジナルです。

木村すみ子さん20190604

2019-6-4 すみ子お姉さん、豊島のおかあさんと金比羅様へお参り、硯地区に分社が祀られています。

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