地方における現代アート展、鑑賞方法と監視員のレベル
現代アートの鑑賞に中央も地方もないと思いたいところですが、地方の現代アート展、スマホをかざして写真撮影がOKになっている時点で特異と見るべきでしょうか。音声ガイドがないのでYoutubeの美術館公式解説をスマホで聴きながら鑑賞していたら「スマホは撮影のみです」と注意喚起。作品の時代背景や作家をその場で検索できない制約を考えるきっかけになりました。
地方は鑑賞方法の提示に時代の変化がありません。現代アートを名乗る美術館でありながら撮影禁止、#でSNS共有なんて当分無理でしょう。そもそも、自前で発信ができない。外部委託です。さらに監視員のレベルに差異があります。臨時職員やバイトさんであり、派遣を経由しているケースもあるかもしれません。
監視員のクオリティが高いと感じたのは、水戸芸術館です。たまたま学芸員さんだったのかもしれません。「内藤礼 -明るい地上には あなたの姿が見える」の解説は秀逸でした。
対称的なのは豊島美術館。ここで監視員に注意されることはあっても話しかけてはいけません。通り一遍の返答しかできいないように制限がかけられているようです。同じく犬島精錬所美術館。スタッフの数が極めて少ないので来島者の人数と動きに合わせて、スタッフが自転車で島内を移動します。作品の解説ができるかと思えば、初歩的な私見でした。ベネッセ系のアート展示は、スタッフ教育があるとすればバイトでいいという低賃金と入れ替えの効くシステムです。島が好きという好意的な思いにささえられてやりがい詐欺と言われてしまう側面があります。
会期に合わせて動画鑑賞も1/11までという制限。MIMOCAならではの展示なら、動画公開期間の設定などないだろうにと思います。