見出し画像

お兄ちゃん

最近、NARUTOを読みました

飲み会で好きな漫画の話になり、NARUTOを愛読書にしているという上司に「読んだことないのでマジ貸してください」といったら本当に貸してくれたのでめちゃくちゃな勢いで読み進めること早1か月
72巻までノンストップで駆け抜けたが、5巻読むたびに2回ずつ泣いた
漫画を読んで感動したら真っ先に原作者に思いを馳せる癖があるのだが、今回も案の定「岸本斉史…」になった(直近だと高橋和希と藤本タツキにも思いを馳せた)
1巻目から絵が上手すぎると思っていたけど更にどんどん上手になられて、画集が欲しくなったぐらいです

肝心のストーリーは思ってたより薄暗くて、というか、人間の中の光と闇が色濃く描かれていてびっくりした
そして私はストーリー内における唯一無二の光源であり主人公ナルトの友情・努力・勝利に感動し、鼻水を流しながら号泣

ナルトのすごいところは、人と、自分と、ちゃんと向き合うところだ
本当に、マジで、相当すごい強さだと思う
他人と向き合う人は多けれど、自分とちゃんと向き合って自分の中の悪い感情を克服できる人って本当に少数だと思うから
実際、他人のことより自分のことの方が客観視できなくておざなりになりやすいと思っているので、そこをちゃんと描いた岸本斉史はスッゲェと思うわけです

ナルトが両親とご対面したシーンであり得ないぐらい泣いたけど、自分と似た境遇の子(我愛羅とかサスケ)らとの向き合い方がもう本当に素晴らしくて、このへんで特に泣いた
私の心まで包み込んであたためて溶かしてくれた結果の涙だったと思う
ナルトは本当にすごいやつだったってばよ

大体こういう漫画を読むと好きなキャラ(いわゆる推し)に巡り合うのでナルトはどうだろうと私自身わくわくしていたのだが
結果、ナルト…ではなく、ナルトの永遠のライバル・サスケ…でもなく、サスケの兄・イタチに着地した
我ながら「そうなんだ」と思うが、これはもう、本当に、お兄ちゃん…!とならざるを得ない。
得ないのだ。得んのだ。マジで。
私自身、兄属性(言い方)を好きになるなんてことは正直今まで無かったのだが、ここにきて、初めての、兄キャラ萌え。
※以下、ネタバレ有り

イタチは、彼こそが”愛”。
愛そのもの、愛の化身なのである。

しかし愛が深いほどその裏側に抱える思いは強く、比例するように闇も深くなる
故の葛藤、それには苦しみや悲しみももちろん付随するし、その気持ちを抱え続けているだけでも心は傷んで荒んでいく
それでも彼は里の平和を願い、全ての痛みと闇を一人で背負い、陽の当たらない場所で一生を閉じた
なんかもう、ありえないほどの自己犠牲精神である
しかしそれこそが、彼が兄のように慕っていた友人の「忍びとしての生き方」であり、その教えを守り抜いただけ、それだけのことであると彼は語る。狂人?

…ここまでの人を私は見たことがあっただろうか。
いや、ない。ないよ。
オタク人生の中で初めて、「こんな人がいていいのかよ」と思えるほどのお兄ちゃんに、私はナルトで出会いました

彼について考えてみると、星の王子さまに出てくる言葉を思い浮かべる
あの有名な一節、「大切なものは目に見えない」である
どんな眼をもっていても、大切なものは可視化できるものじゃない
可視化できないけれど、感じることはできる
感じるためには自分で気づくしかないのだけど、「愛情」というやつには、不思議なことに特に気付きづらい
だけど、そこにちゃんとあって、自分自身で感じることで自然と輪郭を持つ、それが「愛」
目に見えないけど、みんなが心の底から求めているもの

そんな「愛」を心の奥底に封印しても、いつでも取り出せるように見失わないでいたイタチのように、私も「目に見えないもの」を忘れず生きていきたいよって、本当に思いました

だらだらと書いてしまったけど結局何が言いたいかというと
お兄ちゃんキャラって良い……ね。

おわり

いいなと思ったら応援しよう!