カレーとぶっかけ飯 (2)

その2、 ぶっかけ飯、作ってみた

江戸風俗研究家の故・杉浦日向子さんは、江戸末期、庶民の間に浸透していた「ぶっかけ飯」文化が下地となって、明治初期に輸入された「ライスカレー」の普及を早めたと考えていたようです。たしかに、ご飯に汁やオカズをかけるだけで、さらさらと食べられるかけご飯は、長屋の火消しや大工や左官職人など、忙しい江戸下町の人びとに愛好されそうです。

そんな「ぶっかけ飯」を、発酵学の研究者で食品文化にも詳しい小泉武夫さんは、かつて「BCD級グルメ」と称したことがあるとのこと。
へえー。べらんめえ(笑)

カレーライスとぶっかけ飯のモヤっとした境界線を、どこらへんに引っ張ろうか模索していた私は、さっそく「BCD級グルメ」の「ぶっかけ飯」を作ってみました。

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七味家ネーオミが想像した、江戸庶民の簡単ぶっかけ飯

今回は、まったく考証せず、資料にもあたらず、想像でつくってみました。庶民の日常の食べ物ですから、おそらく高級食材は使われていないだろうということで、具材としては白ゴマと、ネギの小口切り、タンパク質としてはせいぜい薄アゲ程度でしょうか。
そして、おそらく江戸庶民は、削り節の代わりにイリコを使っただろうと思われますが、自分がおいしく食べるのが目的なので、そこは昆布と鰹節の合わせ出汁を丁寧に引きました。ブレブレですね、ごめんなさい。

用意するもの(1人前)
お出汁   水     300cc
      昆布 2センチ×5センチ
      鰹節 ひとつかみ
      塩  0.7mg
      漉し器
ご飯    1膳分
具     ネギ    好きなだけ
      薄アゲ   好きなだけ
      白ゴマ   好きなだけ
      削り鰹   好きなだけ
      七味唐辛子 好きなだけ

作り方
①ご飯はすでに炊飯器の中か冷蔵庫にあるという前提です。冷たくても熱くてもいいと思います。
②昆布を入れた水を、火にかけて沸かします。
③その間、ネギ、薄アゲをそれぞれ、小口切り、細切りにします。
④ ②が沸いてきたらグラグラする前に鰹節をひとつかみ入れます。深呼吸を大きく3回したあと漉します。塩を加えます。
⑤ 汁碗か大きめの茶碗に、ご飯をよそい、③の具材を上にのせて、④を回しかけます。

さあ、いただきましょう。
お好みで日本のガラムマサラ、七味唐辛子をどうぞ。

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