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深い息を保つ

 親身になっていろいろと相談に乗ったり、アイデアを提案したりしていると、その人と同調しているような気持ちになる。これは悪い癖のようなもので、できるだけ直さないといけないなと思っている。その人に共感し、共鳴していくことでその人の気持ちになって、そこから自分なりのアイデアを提案できる。アイデアの暴走もいけないし、どこからか引っ張ってきただけのアイデアでは共感してもらえない。

 しかし、それだとどうしても同じような視点になってしまい、相手の意見に引っ張られてしまう。どこかで俯瞰して、突き放した自分がいないとダメだと思う。ついつい目の前にあるものに注意を奪われてしまうのだが、こういうときこそ離れていないといけないなと思う。いけないなと思うのはたいていが過ぎ去ってしまってからなので、何度も痛い思いをしながら自分にしみこませている最中だ。

 この時期が一番つらい時期で、ほくそ笑んだり苦悩したりしている。ほくそ笑んだり苦悩したりする時点で離れていることができていないと、さらに振り返る。うんうん言いながら、どこかで遠くを見ている。アイデアを提案しながら、離れている。そうやっていると感情が乗っかってこないので、すごくいいのだけど、その状態をキープするのが難しい。

 「あぁやっぱりそうだな」ってくり返しながら、なんとなく深呼吸をしている。息が深くなるっていうのには理由がある。息の方から近づいていくのもひとつの方法だし、別の方から近づいていくのもひとつの方法。相手にあまり共感し過ぎてしまうと、相手の息に引っ張られてしまうのもあるあるなんだな。自分の観ている方向だけではなくて、相手の方向で観ている方向は変わるんだなと思った。それに負けちゃいけないな、とも。


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