切り離せないもの
ポジティブとネガティブがありまして、数年前にはポジティブがかなりもてはやされました。マイナス言葉とプラス言葉、天国言葉と地獄言葉。ポジティブな内容の言葉はプラス言葉、天国言葉であって、ネガティブな内容の言葉はマイナス言葉とか地獄言葉と表現されていました。
老子道徳経 第二章 天下皆知には以下のように書かれています。
世の中の人が美しいのを知るのは、それは醜いもののあるおかげです。
また、善の善であるを知るのは、不善のあるおかげです。
醜と見えるものの存在によって、私たちは美というものを知るのであり、悪と見えるものの存在によって、善の貴いことを知るのです。
だから、有があるから無があるのであり、無があるから有があるのであって、有無は所詮一體なのです。難易もそうであり、聾音も相和してあるのであり、前後も相従っているのです。
そのため、決して有のみに執着せず、無の為すところのことに処して、これに逆らうがなく、天地自體の現わしているところの道に従って生き得るのです。
ポジティブとネガティブは切り離せないものであり、どちらが優れているとかどちらが素晴らしいというものではないようです。相反するものが一体となって存在している。
ネガティブを切り離そうとする矛盾がネガティブの存在を強化するのではないでしょうか。
何となく社会全体が暗い昨今ですが、切り離せないものを切り離そうとしてきた反動が起きているのではないかと思います。
渾然一体
最近とても気になる言葉として大事にしています。
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