車いす乗車拒否事件、彼女の思惑どおり。
JR車いす乗車拒否事件、伊是名夏子さんの思惑どおりになってるなぁ。
うまいこと世間を乗せた彼女に、うぐぐと唸ってしまう。
私は、彼女の思惑は「障碍者が抱える不便な状況について、世間に知ってもらう。また、関心を引く。」ではないか、と思っている。
正直、今回の彼女のやり方についてや、駅員さんへの対応については好みじゃない。胸がむっとするものを感じてしまう。障碍に苦しむ人の味方を増やすとか、不便な状況の改善だとか、そういったことを達成するのにいい方法だったかと言われると、うん、まぁその、なんだ……。
だが、彼女の思惑の「関心を引く」、これについて言えばべらぼうに効果があったと思う。
なにせ、大勢の人が今回の事件について、自分の考えを発信し、あるいは議論して、関心を寄せている。
ツイッターやWebの記事には関連する投稿が多くなされ、YouTubeでも多くの動画がアップ&再生されている。
投稿された内容の中には、「障碍者が抱える不便な状況」に焦点があたっていない投稿も多く含まれている。
例えば、伊是名夏子さんのパンチ力高い行動への言及が焦点の投稿。あるいは、駅員側の内部事情に焦点を当てた投稿など。
しかし、今回の事件について発信すれば、何に焦点をあてたとしても、大なり小なり「障碍者が抱える不便な状況」に関する事柄が付いて回っている。
結局は彼女の思惑どおり、「障碍者が抱える不便な状況」について、世間の関心を引くことに成功しているのだ。
そして、パンチ力高い行動で関心を引いた結果、障害を抱える人々に強いマイナスイメージがついたかというと、それほどでもない気がする。これはあくまで私の所感。
というのも、多くの人の認識が、「障害を抱える人はやべーやつ」というより、「彼女の行動がやべー」であるように感じたからだ。
また、障害を抱える人々からも、彼女のパンチ力高い行動に対して批判がなされていて、「伊是名夏子さんの行動≠障害を抱える人の総意」という情報が沢山発信されている。
結果として、強いマイナスイメージがついたのは伊是名夏子さんに対してであって、障害を抱える人々に対しては、それほど矛先が向かなかったのでは、と感じている。
ただ、障害を抱える人々が今回の件について、苦しみながら「やめてくれ」と訴える投稿を見たときは、こちらも苦しい気持ちになった。今回の事件は、やり方は、人を傷つけるものであったし、傷つけられた人々を思うと、私は伊是名夏子さんのやり方を好きになれない。
好きになれないけど、そういう私もまんまと乗せられてこんな投稿をしているのだから、今回の事件はほんと彼女の思惑どおりなんだなぁ。
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