ラグビーは楽しいと伝えるために
叔父がラグビーをやっていたお陰で、祖母はラグビーをテレビ観戦していました。
その影響を受けて、冬はラグビーを観戦する習慣があった。
私が楽しく観戦しているせいか、息子は3歳位のころから、遊んでいてもラグビーを見るために帰宅してテレビの前に座るようになっていました。
環境は引き継がれ、息子はとうとうラグビーをやっても大丈夫なように柔道をやると言い始めました。
当然のように小学生からラグビーを始め“赤と白の縞々のジャージを着る!”と言い切りました。
もちろんラグビーの日本代表のジャージです。
痩せっぽちてチビの息子の夢が叶うかは疑問でしたが、親としてラグビーファンとして、出来る限りの応援をしました。
ラグビーに出会い、真剣に練習に励むことによって引っ込み思案だった息子は、自分に自信が持てるようになり、相変わらず痩せっぽちでもしっかりとした身体になりました。
中学を卒業するまでに、東京選抜に選ばれ、チームは東京代表として、東日本大会に出場することも出来、様々な厳しいけれど素晴らしい体験をさせていただきました。
私はチームの役に立とうと、頼まれた役員を長く勤め、チームメイトの世話をして、子供達ともコミュニケーションを取れるようになりました。
ただラグビーをしたい子供達のために協力を惜しまないコーチ達、チーム運営のために努力する役員。
両者の関係も最高。
素晴らしいチームです。
感謝を込めて、息子が卒業しても何か役に立とうと、未就学児のコーチとしてお世話をすることにしました。
なぜ泣いているのか自分でも分からなくなって、泣きたくないとしゃくりあげながら泣く子。
とにかく、人のスパイクの靴紐をほどくことを楽しみにしてひたすら私を狙う子。
急に眠くなってグランドの真ん中で本当にこてっと眠ってしまう子。
やんちゃでじっとしてない子。
広いグランドに放つと、まるでブラウン運動のように好き勝手におもいっきり駆け回る子供達に、何とか秩序を教え、怪我をしないようにラグビーの楽しさを伝える。
楽しいから来週も来たい、ずっと続けたい。
そう思ってくれたら。
ただそう願って。
いつの間にか最初に教えた子供は社会人になりました。
まだラグビーを一生懸命続けている。
それだけで感無量。
純粋に子供達がラグビーが楽しいと思ってもらうため。
社会人の週に1日しかない休みの半日を他人の子供達の為に使う。
もちろん息子の試合は全て応援に行くため、ちょっと早めに切り上げて走る。
すでにいつの間にか、子供よりも孫に年齢が近くなったが、目一杯子供達とぶつかる。
悲しいことにコロナ禍は、そんな子供達の環境を激変させた。
本当に辛い。
今まで私は子供達に何か伝えられただろうか。
楽しかった!
そう思ってくれたならそれで満足。
やっと恩返しができたと思えるのだ。