ロゴデザインのブラックボックスをどうにかしたい(切実)
現在ロゴデザイナーとして活動しております、723.designのなつみと申します。今では定期的にご依頼をいただけるようになり、独立して1年で約100個のロゴを作成しました。
最近ロゴを作っていて感じることは、ロゴはデザイナーによって完成するクオリティが大きく変わることから、提案するまでどんなデザインが出来るか見えにくいということです。初めてご依頼されるお客様にとって、どんなロゴが出来上がるのか提案されるまでわからないというのは、とても不安な事だと思います。
また、ロゴはご依頼者様とデザイナーが共同で作るものでもあります。ただロゴを作ることを目的にするのではなく、どんな目標を実現するためにロゴを作りたいのか?と言ったことを依頼者様には事前に検討いただく必要があります。
今回そんな不安を少しでも取り除き、デザイナーにロゴをもっと依頼しやすくなるよう、ネーミングからブランディングを意識したロゴ制作の流れを、全て『見える化』して1つの記事にしてみました。今回の記事を通して、屋号の決め方や自分の提供するサービスの強みや特徴をどう伝えていいかわからない、といった現在ロゴ制作を検討されている方の、心の準備のお手伝いができたらいいなと思っております。
それでは早速、Twitter経由でご依頼いただいたゆいさんのロゴを事例にお話ししていきます!
1. 私について
初めて作成したのは自分のロゴでした。それまでデザインの学校に通ったことも、制作会社で働いたことも、絵も書いたこともなかったのですが、コロナウイルスの関係で退職したことをきっかけに、デザインがやりたい一心でロゴの基礎を独学で学びながら、フリーランスのロゴデザイナー になりました。
私のロゴ制作のいちばんの特徴として、ネーミングからロゴ制作まで一貫して行っており、ブランディングを意識した、商品や企業の想いや特徴を印象付けるロゴデザインを強みにしています。
▼こちらが実際の提案資料の一部です
まず、ロゴデザイン方向性の9割はネーミングとデザインコンセプトで決まると思っていて、エンドユーザーに対して、信用・信頼できる企業やサービスだと思ってもらうためには、一貫性のあるメッセージをデザインを通じて伝える必要があります。
そのため、ミッションやビジョンを含むデザインのコンセプトとなる軸の部分をしっかりと考えてから、形に落とし込んでいく流れでロゴ制作を行っております。
屋号やサービス名がまだ決まっていない場合や、強みや特徴をどう伝えたらいいか悩まれているお客様と、まずは一緒に言語化していくところからロゴ制作を進めており、ロゴを通じてこれからビジネスを始めるお客様がいいスタートを切れるよう、そしてその先の目標を見失わないよう、正しい軌道に乗るためのお手伝いをしたいと考えています。
2.依頼背景
今回はTwitter経由でWebデザイナーのゆいさんからお問い合わせをいただき、屋号の変更〜ロゴ制作に携わらせていただきました。
ゆいさんは2児のママでありながら、Web制作からSNSのマーケティングを提案されているデザイナーさんで、「どこから作っていいかわからない」といった悩みをお持ちの方に対して無料相談もされているので、よかったらSNSで声を掛けてみてください✨
3.ヒアリング
私が普段ロゴを制作するときは、zoomでヒアリングを行っています。箇条書きの質問を並べたヒアリングシートだけだとどうしても、言葉のニュアンスや表情が読み取りにくく、ロゴに取り掛かるために十分な情報が得られないため、直接お話しすることを大切にしています。
ヒアリングでは、事業を始めるきっかけから徐々に過去に遡り、現在までの道のりや、また未来に向かってどうなりたいかといった仕事への想いを、お客様自身の言葉でお話しいただいております。
今回お客様は、「MNデザイン」という、お子さんのイニシャルから発想して名付けられた屋号をお持ちだったのですが、普段のお客様との関わり合いの中で、もっと自分のブランディングをしていきたいという想いや、将来の目標に向かって指針となるようなロゴを希望されていたことから、屋号をからリニューアルすることをご提案しました。
4.ネーミングの考え方・ご提案
どんな屋号がいいかzoomやチャットでお話ししながら、一度お客様にお考えいただきました。
▼zoomやチャットでは気軽にお話ししています
今回は、お客様からいただいた「ゆいとな:ゆい+パートナー」というネーミングを軸に、お客様との関わり方でポジティブな印象を伝えられる屋号を考えていきました。
▼こちらがご提案内容です
上記の2つのネーミングをご提案させていただき、「U&i」で決定しました!
そして、U&iのネーミングの由来をまとめたものがこちらです。
Uには4つの想いを持たせました✨
5.ブランドコンセプトの立案
ロゴはなんとなく、思いついた形から作るのではなく、ネーミングをもとに考えたビジョンやミッションを言語化し、深掘りして抽出したキーワードをもとに発想していくため、ロゴ制作を始める前に、まずはお客様の今後の活動の軸となるブランドコンセプト を考えます。
ちなみに「ブランドコンセプト」とは、そのブランドが実現する価値を言葉にしたもので、どのようなビジョンを描いているのか、どのような価値をお客様に提供できるのかといった、ブランドの軸となる部分を言語化したものを指します。
今回は、「U&i」の由来やお客様との関わり方に紐づけて、ミッションとビジョンを考えていきました。
▼ビジョンをまとめた提案資料がこちら
ちなみにビジョンとは、その企業や個人の方が、何をしていきたいか、といった目標のことをいいます。
続いて、ミッションを考えました。
ミッションとはビジョンを叶えることで生まれる、社会や世の中に対してどんな価値を提供していきたいか、といった目標のことをいいます。
▼ミッションをまとめた提案資料がこちら
6.ロゴ制作
サービスや企業の想いやビジョン、価値観が凝縮されているロゴは、エンドユーザーとコミュニケーションをとる重要な役割を果たすことができます。私の作るロゴは、この言語化がロゴのオリジナル性に繋がると思っているため、上記までのフロー経て、ロゴ制作に取り掛かりるようにしています。
ここでは、ロゴデザインの軸となるデザインコンセプトを考えました。
U&iのロゴを制作するにあたって、ネーミングの由来や、ミッションやビジョンで考えた言葉を広げて連想していき、最終的に
1.繋がり、2.成長、3.ゆいさんらしさ
の3つのキーワードを軸に、一目でゆいさんと言うパーソナリティが伝わるようなロゴを意識して作成することにしました。
まずはたくさんのアイディアを出すために、手書きでラフを書くようにしています。デザインコンセプトをもとに、ロゴの利用シーンも想定しながら手で書きながら最適な形を探っていきます。
様々な形を書いていく中で、「クライアントやエンドユーザーとの繋がり」を意識した円モチーフとカリグラフィー調のモチーフを考えました。
単純な形から、パターンに近づけるイメージでブラッシュアップを重ねていきました。
カリグラフィーに関しては、既存のフォントを参考に、「U」をipadをペンタブ代わりに使用しながらブラシツールで書きました。書いていくうちに、「U」のカリグラフィーならではのあしらいを使って、Uと&とiを1つの繋がりで表現できないかと考えました。
次に、タイプロゴを作成します。ここでは、シンボルロゴとタイプロゴが組み合わさって1つのロゴとして機能するように心がけています。今回の場合、シンボルロゴから先に作成し、シンボルロゴの雰囲気やコンセプトにあったフォントを選ぶようにしました。
▼「U&i」と「Uandi」の2つを作成
ブラッシュアップの末、円ロゴのパターンの一部をカリグラフィーと組み合わせたA案、円ロゴの中心にカリグラフィーモチーフを配置したB案、少しカジュアルに手書き風に仕上げたC案、更に形を変えたD案の4つを提案することにしました。いつもロゴの提案では、方向性の違う案を2~3案ご提案しております。
ご提案では、お客様にロゴに対して愛着を持っていただくために、なぜこの形にしたのか、どんな想いや意味が込められているのか、といったロゴのストーリをわかりやすくお伝えするように心掛けています。
その結果A案を納品することになり、無事ロゴ制作を終えました。
▼A案のモックアップ
7.まとめ
今回、ロゴのブラックボックス を少しでも無くすために、ロゴ制作の一連の流れを、実例に沿ってご紹介させていただきました。
これからロゴの依頼を検討されているお客様が、信頼するデザイナーさんと出会えるよう、またロゴがもっと頼みやすい世の中になるよう、これからもロゴに関する発信を続けていきますので、これからもよろしくお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
🚀ロゴデザインについて🚀
ロゴから生まれたキャラクターやイラストを軸に ブランディングのお手伝いをしています🎨
ちょっと抜けてるPOPで可愛いテイストが得意です😀
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