たーちゃんとアメリカと夢 3 伊丹空港英会話教室の巻
幼少期、外国に憧れを抱いたたーちゃんでしたが、その後保育園や小学校と言う社会にもまれて、外国という夢の存在はたーちゃんの中の奥の方に仕舞い込まれていました。
そして中学校1年生になった たーちゃんは、授業に英語がある事に妙にワクワクしていました。張り切って勉強したので、テストで思いがけず良い点数が取れてしまったので、調子に乗ってしまいました。
英会話学校に行きたい!
たかがほんの少し学校で英語を習っただけで、たーちゃんの妄想では外国人と楽しく会話しているのです。たーちゃん、思い切って母ちゃんにお願いしました。
「英会話学校に行かせてください。」
「あかん。」
「何で?」
「どれだけ本気で英会話習いたいの?
どうせ中途半端になるだけやろ。」
「・・・」
その日はおとなしく引き下がったのですが、一度言い出した事は気になってしょうがないのです。
誰かが言っていた、空港には外国人が沢山いる!と言うのを思い出して、たーちゃんにんまり。
折り鶴を何個か作って、ポケットに忍ばせ伊丹空港へ行きました。(関西空港が出来るまでは伊丹空港にインターナショナルが発着していました。)
到着ロビーで暫く待つと、外国人がゾロゾロと出て来るではありませんか。たーちゃんはまず、優しそうな御婦人に話しかけて見ました。
「エクスキューズ ミー. マイ ネーム イズ ターチャン デス.」
英語を勉強しているので、会話して下さいと、お願いすると御婦人は快く色々話し始めてくださいました。
もちろん英語を習い始めて2週間程のたーちゃんに、その英語が聞き取れるはずもなく。 ですが会話出来た事に満足して、御婦人に折り鶴を渡し、お礼を言って、立ち去っていただきました。
その後2、3人の外国人と会話をして帰宅しました。
帰宅後母にかなり興奮気味に母に話しました。
その後、たーちゃんの熱意がつたわったのか、誘拐でもされないか心配したのか、なんと、たーちゃん英会話学校に通い始めました。
それなのに。
さすが母ちゃんです。たーちゃん、英会話学校でピカピカの尖った靴を履いた、クリクリの金色の髪の先生に見惚れて英語はさっぱり上達しませんでした。
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