たーちゃんとアメリカと夢 7 日本にある外国の巻
たーちゃんの専門学校時代の友人は、海外の情報をいち早くキャッチするアンテナを持った人達でした。
皆んな帰国子女ではないのに、まるで以前海外に住んでいたんじゃないか?と思ってしまう程、おしゃれで刺激的でした。
そんな友達と学校帰りに外国バーに連れて行ってもらい、日本の中にこんな異国があったのか!と驚いたのでした。外人バーで酔っ払ったたーちゃんは、ホームシックになって、
「日本に帰りたいよー」
と、泣いた事もありました。
専門学校を卒業した後、留学して帰って来た友人Kと、少しの間ルームシェアをしました。そのKが持っている物や食べている物は外国製の物が多くて、英語表記がおしゃれで、大阪の東成区のマンションがKの持ち物のお陰でまるで外国みたいに見えました。
ある朝、Kが朝食にミューズリーという、オーツ麦にドライフルーツやナッツが入った物を食べているのを見て、たーちゃんはびっくりしました。
まるで鳥の餌ですやん。
でも、食べてみるかと聞かれて少し頂いたら、以外に美味しい。かなり美味しい。やるな。鳥の餌。
これもKが見ていた外国のカタログ。何かと聞くと、アメリカのビクトリアシークレットというブランドの下着と服が買えるというカタログでした。その下着類はあまり布の部分がなくて、ナイスバディのモデルさんにはいいかもしれませんが、たーちゃんにはセクシーのレベルが高すぎたので、服を購入する事にしました。
初めての海外通販。
到着したアメリカのボディコン。着てみると、もじもじしたくなるほど体に吸い付く素材で、ボディーラインが360度あわわでした。さすが外国の服はセクシーやな。と思いつつ着て、シャロンストーンになっている自分を想像するたーちゃんでした。
Kと一緒に観た、Ren & Stimpy というアニメのブラックさにも、度肝を抜かれました。
そんなたーちゃん、どんどん外国の物や人に触れて、外人ぽくなって、ニュージーランド人の彼氏もできました。その人はバーやレストランの壁画を描くアーティストさんでした。
彼との忘れられない思い出は、デートの日にコインランドリーに行ってズボンを洗いたい。今履いているズボンと、もう一本汚いズボンの両方洗いたいので、新しいズボンを買いに行きたいと言うのです。たーちゃんは、
「それじゃ、コインランドリーに行く度にズボンを買わないといけないんじゃない?」
と言いたかったのですが、英語が上手く伝わらず、買い物に行く事になりました。
結局彼が欲しいズボンは高くて買えなかったんです。コインランドリーで彼は、ズボンを両方洗い終わるまで、パンツ一丁で隅っこの方に座っていました。多分、普通は、公の場でパンツ一丁なんて信じられない。とか、一緒に居るのが恥ずかしいとか思うんでしょうけど、その時たーちゃんの周りにカッコばかり気にする人が何人かいたので、ちょっとクスッと笑える、ムリしていない自然な感じがいいな。と思ったのでした。
日本にある外国はますますたーちゃんの外国への興味を膨らませたのでした。