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たーちゃんとアメリカと夢 8 イギリスでいっぱいになるの巻
専門学校を無事に卒業出来たたーちゃんですが、航空会社の海外に行くお仕事に就くことは出来ませんでしたけど、航空会社系列のホテルに新卒で就職が決まりました。両親は、たーちゃんの就職が決まり、一安心していたようでしたけど、たーちゃんは、これからどうするかな。と考えておりました。
そんなたーちゃんに、友人のAちゃんから、イギリス/スコットランドに留学中のYを訪ねてみませんか? とお誘いがありました。海外は、高校の頃にアメリカにホームステイに行った以来です。パスポートを取り直して、後はしっかり者のAちゃんがちゃんと手配してくれました。
イギリスに向かう飛行機の中。夕食が終わったら、全ての窓のシェードが下されて、客室内は暗くなりました。周りの人達は寝静まってしまいましたが、眠れなかったたーちゃんは、こっそりシェードを開けて見ました。
窓の外は、どこまでも続く雲の絨毯が広がっていました。その端と端の対極に、太陽とお月さんがいらっしゃいました。まるでお互いに今日の引き継ぎをしているようでした。
そして、イギリス、ヒースロー空港に到着しました。冬のイギリスは空がグレーで、人々はおしゃれなコートを着ていて、街のあちこちで香水の香りがする、素敵な街でした。
たーちゃんはAちゃんと、途中からYと合流して、ビッグベン、ロンドンブリッジ、トラガルファー広場、ピカデリーサーカス、アビーロード、バッキンガム宮殿、大英博物館、コベントガーデン等に連れて行ってもらいました。
たーちゃんは何も知らなかったんです。イギリスではコインが、チョコレートみたいに分厚い事。日本のドライヤーを繋ぐと爆発する事。石畳が多くて、スーツケースのコロコロが上手く進まない事。居住されている建物の地下にも部屋がある事。
その後、Yの住むエディンバラへ列車で連れて行ってもらい、一晩だけステイしました。
たーちゃんはAちゃんとYに、一生懸命、一生懸命付いて行きました。
帰国したたーちゃんは、イギリスでいっぱいでした。
その翌年だったか、2年後だったか、街をぶらぶら歩いていると、
ロンドン1週間 8万円
という広告が目に入ってきて、そのままチケットを買っていました。Yも帰国していましたので、たーちゃんたった一人の旅です。
前回、ロンドン市内は充分に観光させていただいたので、少しだけ、ブラたーちゃん してから、列車でエディンバラへ向かいました。ロンドンのホテルは8万円に含まれていますが、エディンバラは別なので、B&B にステイしました。初B&B です。映画に出て来る様な古い家で、骨董品の様な家具のお部屋でした。
エディンバラは夢の様に美しい街でした。地図を見ながら歩くと、通りすがりの全ての人が、
「大丈夫?」
と、親切に聞いてくださるので、なるべく地図を覚えて歩きました。
またたーちゃんは、エディンバラでいっぱいになりました。
最終日は、エディンバラからロンドンに戻り、その日のうちにヒースロー空港から飛行機に乗る。という緊張感のあるスケジュールでしたが、なんと、列車が途中で止まってしまったんです。どれくらい止まったままだったのでしょう。飛行機に乗り遅れてしまうかもしれない、とドキドキ、ハラハラしていたのですが、キルトの衣装の方が同じ車両に入って来られたので、そっちの方が気になってしまって飛行機の事はちょっとの間忘れてしまいました。
列車が到着してから空港までどうやって行ったのかは覚えていませんが、必死に走ったのは鮮明に覚えています。前回スーツケースのコロコロで苦労したので、今回は肩掛けバッグ一個で身柄だった事にガッツポーズしたたーちゃんでした。
バタバタしましたが、無事チェックイン出来て、安心して空港内の免税店でお買い物をしていると、
「たーちゃん様〜。」
と呼ばれていました。時計を見たら、出発の時間でした。放送でも呼び出しして下さっていたそうです。本当に申し訳ない。また走って、無事日本に帰ってくる事が出来ました。
日本に帰ると母から電話がかかってきてて、
母: 「たーちゃん、何回か電話したけど
居てなかったけど、どこ行っとった
ん?」
た: 「あ、ごめん。言うの忘れてた。イギ
リス行っててん。」
母: 「イギリス…」
何はともあれ、無事に帰って来れて良かった。このイギリス旅行で、ますます海外に行きたい願望が強くなったたーちゃんでした。