![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83281315/rectangle_large_type_2_01c3a386b6125e6383743b88c55847b1.png?width=1200)
たーちゃんとアメリカと夢 13 たーちゃんと秋田犬の巻
とうとう旅立ちの時がやって来ました。
この時友人と家族に見送られてから25年。毎回日本に行くと、空港での別れは涙無しだった事は一度もありません。むしろ、どんどん淋しくなっていきます。
とはいえ、飛行機が飛び立つと、意識はアメリカに向かうんですけどね。
アメリカ、ロサンゼルス。太陽が輝き、じめじめした気持ちも涙も、からっからに乾きます。
たーちゃんの新しい住まいは、Apple Avenue というかわいい所にありました。人にうちへの行き方を説明する時は、Orange をはいって、Santa Fe を右に曲がって、Apple を左。まるでトロピカーナのジュースが出て来そうですよね。(ちなみにこの近所にGrape やロングビーチに Cherry もありました。)
一度レストランで、テイクアウトの注文を頂いてお名前をいただくと、
「エルモだよ。セサミストリートに住んでいるんだ。」
と言っていました。またまた〜とさらっと受け流したのですが、後日そんなに遠くないところに見つけてしまいました。セサミストリート…
話が少しそれてしまいましたのでもとに戻します。
念願のアメリカでの生活に心躍らせていたのですが、ルームメイトがビーチに連れて言ってくれて、海の一番遠いとことを見たら、あぁこのずっと先に日本があるんだな。と、急にセンチメンタルになってしまいました。ホームシックというやつでしょうか。
その日、買い出しに行こうと公園を横切ったら、犬を連れた人達が列を作っていました。何かのオーディションだったのでしょう。その列に並ぶ犬達は、ゴールデンレトリバーやプードルやシーズー等、横文字の似合う顔触れでした。その中でやけにホッとさせる顔がこちらを見ていました。それは、ピシッとした毛並みに富士額、そして切れ長の目の秋田犬でした。
たーちゃんは思わず叫びそうになりましたが、目で
「あなたもここまで来たのね!遠い所まで来たのね!」
と語りかけました。
その秋田犬さんのお陰で少し一人じゃないんだ。って気持ちになれてほっこりとしたたーちゃんでした。ありがとう秋田犬さん。お互い頑張ろうね!