【突然の猫ミーム】(539文字)②
※前回の【レトルト三角関係】の続きです。
心臓がドクンと鳴った。
私は言葉の真意を確かめたくて、隣にいる二階堂くんをそっと見た。綺麗な横顔。目元が前髪で隠れて表情がよくわからない。
「おまたせしました。焼きたての猫クッキーです」
店員が二階堂くんの前に木製のトレーを置いた。ブラックコーヒーと大きめの猫クッキーが2枚。二階堂くんは立ち上がると、テーブルを挟んだ向かい側の席へ座り直した。
「山本さん、一匹どうぞ」
「ありがとう」
私はクッキーを両手で受け取って、型枠で作られた猫の顔を眺めながら考えを巡らせた。
(食べてみない?ってクッキーのことだったのかな。いやいや違うでしょ。どう聞き返せばいい?私のこと好きとか?絶対無理!違ってたら明日会社で顔合わせられない。だけど、このままスルーもできない。どうしよう)
「…さん?ヤ・マ・モ・トさん?」
二階堂くんに呼ばれて思考の沼から抜け出した。
「はっ…?!なに?」
「さっきからクッキーゆらして。なにしてんの?」
(正直に言えるわけがない)
「ね…猫の…猫ミームの動きをクッキーで表現したかったの」
「ふーん。山本さんの頭の中、猫ミームでバズってるんだ」
二階堂くんはニヤニヤしながら、猫クッキーで自分の唇を隠した。そして猫ミームのように猫クッキーに語らせた。
「開封後はお早めにお召し上がりください」
真っ新な状態から登場人物を考えるのが苦手でして😅
前回の【レトルト三角関係】とつなげてみました。次のお題もできればつなげたいなぁ。どうなるかわからないけど、一応ハッシュタグ作っておきます😊