【てるてる坊主のラブレター】707文字 ⑮
昼休憩。
私と二階堂くんはレストランでランチを食べたあと、食後のコーヒーを飲みながらまったりしている。
梅雨に入り、静かな雨が朝からずっと降り続いていた。
「なんだか思い出すなぁ…」
「なにを?」
「学生時代。私、中三のとき好きな人がいたの。増井くんって言うんだけど、顔も頭も良くてクラスの人気もので。友達とまではいかないけど、仲良かったの。
でも文化祭で喧嘩しちゃって。ずっとゴメンって言えなくて、告白もできなくて。そのまま雨の降る卒業式を最後にそれっきり」
「後悔してんだ」
「うん…。許してもらえなかったらどうしようとか、告白してフラれたらどうしようとか、不安な気持ちの方が強くて何も言えなかった。自分のことしか考えてなくて。増井くんはどう思ってたのかな…」
二階堂くんはテーブルに置いてあるペーパーナプキンを一枚取って丸めた。それをもう一枚のペーパーナプキンで包んで一箇所をねじり、テーブルにちょこんと置いた。小さなてるてる坊主だった。
「俺が増井くんだったら、山本さんと同じ気持ちだと思う。謝れなくて後悔してるかも。恋愛感情があったかどうかはわからないけど。そこはてるてる坊主に聞いてみようよ」
「どうやって聞くの?」
「明日も雨なら恋愛感情はなかった。反対に晴れたら、増井くんは山本さんのこと好きだったってことにしよう」
「占いみたいだね。てるてる坊主にラブレター託した気分」
その日の夜、私は二階堂くんが作ってくれたてるてる坊主を枕元に置いた。朝になり目覚まし時計を止めて窓際に立つ。私はカーテンの端を握り深呼吸した。そして勢いよくカーテンを開けた。雲一つない晴天だった。
「私たち両想いだったんだ。ありがとう、てるてる坊主さん」
【甘口】なお題だからすぐできるわね~💕
とか思いながらダラダラ過ごしてたら、今日締切じゃん!!
カタ((((꒪꒫꒪ ))))カタ
無心になって書きました!ギリギリ間に合った(笑)
あぶなかったーー💦