Mリーグ24-25シーズン開幕を前に


来たる9/16、3ヶ月のブランクを経て24-25シーズンが幕を開けることになる。
前シーズンではPiratesが「圧倒的に勝つ」というチームスローガンを掲げ、その言葉通りの強さで初の2度目のチャンピオンシャーレを獲得し幕を閉じた。その後のMトーナメントでは、レギュラーシーズンで不調に見舞われた船長小林が他のMリーガーや団体推薦選手を退け64選手の頂点へ上り詰め、"Pirates完全優勝"を成し遂げるとともに改めてチームとしての強さを示した。

注目ポイント


迎えた今シーズン、やはり注目は2年連続最下位からの逆襲が期待されるフェニックスだろう。
オフに初年度ドラフト1位で獲得した魚谷侑未と21-22シーズンから加入した東城りおとの契約が満了。ドラフト会議の結果を経て、現最高位の竹内元太と元雀王の浅井堂岐がチームに加わった。


His favorite food is tomatoes.
Be careful of puns that pop up in interviews.


His strong point is mastle.
Attention is also likely to be focused on the mahjong world's muscle-bragging showdown between him and Honda of TEAM RAIDEN.

唯一初年度から在籍する茅森早香と23-24シーズンから加わった醍醐大とともに2度届かなかった頂へ挑戦することになる。入れ替え規定こそ抵触しないものの、最多3回の入れ替えを敢行しているフェニックス。これ以上ない最大限の補強をしたからこそ、結果を出さなければ意味がない。勝負の7年目、あの日届かなかった頂へ今度こそ到達なるか。

熱闘Mでの日吉発言について


8/25に放送・配信された熱闘Mリーグ。前述の竹内・浅井両選手の紹介も行われたが、私が注目したのはその後に放送された実況・解説座談会である。

この企画では、初年度から実況を担当する小林未沙松嶋桃と19-20シーズンから実況に加わった日吉辰哉、同じくこのシーズンから"公式解説者"となった土田浩翔の4名がお酒を飲み交わしながら本音でトークを繰り広げるという内容だった。
その中では、土田の「解説者は選手を育てる役割がある」という発言や小林の「(私が)まだ初期の頃から思い描いていた形にはなっていない」(下部リーグ・地方リーグの創設など)といった発言が出た中で日吉が言ったこの言葉に私は深く衝撃を受けた。

センターで輝く「こぼれ焼酎ロック」が気になりすぎるが敢えてここでは触れないでおこう笑
気になる方はMリーガーを含む麻雀プロや麻雀愛好家たちが多く足を運ぶ聖地「なんしゅう家」にて是非ご堪能いただきたい。

リーグを中から見てきた当事者たちが発した言葉の重さにはこの秋からに向けた覚悟のようなものを感じ、「このままではせっかく訪れた麻雀ブームも一過性で終わってしまう」というある種の警鐘が込められたメッセージにも受け取れた。
我々ファンとは違い、外側から見る綺麗な景色も内側で起こる凄まじい惨状も両面から見れるからこそ出た本音だし選手たちともまた違った視点で物が見える立場であるから言えた言葉だろう。また、この言葉が視聴者を一番熱狂の渦に巻き込んできたとも呼ぶべき日吉から出るあたりは長年実況者として業界に携わり、多くのことを感じてきたからこそ言えるもの。7年が経過した今だからこそ、脱マンネリ化への糸口は見出しておいた方がいいのではないだろうか。

覚悟を持つのは実況解説陣だけじゃない

個人的にこのシーズン、動向を注視したい人物がいる。
それは・・

写真を撮った場所が絶望的な大逆光だったところもまた愛らしい部分である(in福岡)

この方。

Mリーグインタビューのオアシス、初年度からインタビュアーとして選手の思考を数多引き出してきた松本圭世である。
この夏35歳を迎えた彼女。Mリーグリポーターとなって以降も久しく「彼氏なし」を豪語してきたが、近況はどうなのだろうか。
フリーアナウンサー界の最大手事務所・セントフォースに所属する伊藤友里とプロ連盟所属で配信対局でのMC経験も豊富な襟川麻衣子という2名がこの数年で新たに加入し、3名でのローテーションとなったインタビュアー陣。今年の夏行われたMトーナメントではこの3名のほかに、最高位戦所属でこちらも放送対局ではMCを担当する新榮有理が初めてMリーグスタジオに登場してきた。
愛媛からアナウンサーとしてのキャリアをスタートさせてから12年が経ち、いよいよネクストステージへと羽ばたく可能性も考えられる中であと何回彼女のインタビューを観ることができるだろうか。我々も"まつかよラストインタビュー"の訪れを日頃から覚悟し、備えておく必要がありそうだ。
「考えすぎ」とも思われがちだが、元アイドルファンであった筆者は数年前に見かけた「推せる時に推せ」という言葉を今も大切にしている。だからこそ、応援出来る時に全力で応援していくスタイルを取っている。

我々ファンの願いは1回でも多く、彼女にはインタビューマイクを握ってカメラの前に立って欲しいという思いただ1つだ。

時に喋りすぎる選手をいなし、

Aドリブンズ・S田選手

ごく稀にまさかのイチャイチャもあり!?な

Sフェニックス・現監督のK藤氏(これが唯一インタビューでまつかよに触りに行った人)
この伝説のインタビューをきっかけに、以後K氏のトップインタビューはSNS上で「キャバクラタイム」と称され長く愛された。これがコロナの直前で本当に良かったのかどうなのか・・。
しかし、もう観る機会が今後訪れることは無さそうだ。
こんな伝説を残して去っていくなんて、おっさんズルいぜ。。😅

素敵なインタビューが今シーズンも観られることが今から楽しみだ。

個人的な要望

最後にこの6シーズンを観てきた私が思うことをツラツラ書いて終わろうかと思う。

まずは放送画面。
昨シーズン辺りから、用語解説が画面上部に出て初心者にもより楽しめる工夫が凝らされた。また、待ちを選手テロップの再度に小さく牌で表示してくれているのも良い点だ。ただ、和了が出た直後に役と符・翻数のみが表示されるこのテロップには十分改善の余地があるのではないだろうかと思っている。

カメラロールで遡ったら奇跡的に残っていた1枚。なんでこれなんだ笑

満貫なら満貫、跳満なら跳満と書いて点数の合計と払う点数を改めて示してもらえるとより分かりやすくなると思っている。(親満なら「4000ALL」、子の5200ツモなら「1300-2600」といった感じで)
点数移動のテロップだけでは画面がパパっと切り替わってしまうため付いて行けない視聴者も多いのではないだろうか。
実際、私の実家で観ていると両親から「今の点数何点だった?」と聞かれることもあるため是非実装をお願いしたい部分だ。

次は毎シーズン荒れ狂うコメント欄への対応。
前シーズンは以前に比べ、幾分マシとはなったものの未だに出演者への誹謗中傷等の書き込みは一定数存在する。
不特定多数が顔や所在を明かさずに簡単に書き込めてしまう今の時代では、講じる対策には限界があるように感じている。今後誕生するMリーガーが「自ら命をを絶つ」という起きてはならない最悪の決断を下さないためにも「出演者を誹謗中傷から守るためのガイドライン」を策定して早め早めに対策を講じていただけると選手たちはより活動しやすいのではないだろうか。

最後は解説陣の顔触れ。
正直言って、同じような解説は聞き飽きたなぁという印象を持つ視聴者も多いのではないかと思う。私もその1人だ。
元Mリーガーたちが"次の雇用先"として解説の担当を占拠するのは他のプロたちから見たら、当然面白くない話で自分の顔を売る機会が失われているわけだ。
19-20シーズン辺りまではMリーガーたちが多く解説を担当していたが、コロナ禍をきっかけにプレイヤーズ解説の機会は激減。1シーズンに数回各チームから2-3人が呼ばれる程度になってしまった。また、敗退したチームが次のステージでプレイヤーズ解説として呼ばれるケースを含めてもMリーガー36名全員があの解説席に就くとは限らない。

また、各団体のトップタイトルホルダーからすれば、自身のタイトル防衛戦(いわゆる決定戦)までの1年間は自身を積極的に売り出すセールス期間なわけでそれに最適なのがMリーグの解説だと思っている。
そこである程度、自身の麻雀感を世にお披露目することでネクストMリーガーとして名が挙がり指名にも繋がるのではないだろうか。

最も良い例はサクラナイツ所属の渋川難波
解説者として「僕なら〇〇」「この人なら××」といった具合に自身の思考も披露しつつ、相手がどういった思考でその一打に至ったかをその理由までほぼ完璧にフォローする有能っぷりを見せた。そんな彼は2021年に所属団体であるプロ協会の最高峰・雀王に輝き、21-22シーズンから優勝メンバーだった沢崎誠の意思を受け継ぎサクラナイツより指名を受け晴れてMリーガーとなった。大きく箱下に沈んだ直後の半荘に連闘して初トップを獲るという伝説を創り上げた初年度、そのシーズンのオフに輝いたMトーナメント初代王者。昨シーズンはチームを牽引する活躍。今後もあらゆる局面で活躍していってほしい選手の一人だ。

だが、多くの団体が春開幕~冬近くまでリーグ戦・その後に決定戦という形となっている現状ではそれを叶えるのが難しいといえる。Mリーグに照準を合わせて1月に新年度開幕~8月頃リーグ戦終了~10月決定戦開催でタイトル決定とすれば比較的まだチーム成績もフラットな11月中旬~12月半ばごろにゲスト解説者として出演可能だ。そこで世間へ周知してもらい、「自団体のトップタイトルホルダーは自分だ」というアピールが出来れば後々の指名へと繋がるのではないだろうか。

今回、中盤で日吉の「横ばいに見えた」発言について取り上げたが、流行り廃りの風向きは業界人たちが起こすアクション1つで大きく変わってくる。過去6シーズン、多くの興奮と熱狂を呼び込んだこのMリーグ。さらなる人気拡大のためにも、我々ファンが声を上げることで業界全体が良い方向に動き、より麻雀をクリーンで明るい世界へと導いてくれることを願ってこのnoteの結びとしたい。

(了)


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